インターナショナルスクールの入学は難しい?海外と日本の条件・試験・難易度を比較

こんな人向けの記事です
  • うちの子、英語ゼロでも海外インターに入れるの?
  • 日本のインターって実は入るのが難しいって聞いたけど本当?

「入学試験でどんなことを見られるのか知りたい!」「海外と日本でどのくらい難易度が違うのかイメージが湧かない」

インターナショナルスクールへの入学を検討しはじめると、最初の壁として立ちはだかるのが入学条件と試験の話です。情報が少ないうえに学校ごとに内容が違うので、調べれば調べるほど混乱してしまうご家庭も多いです。

この記事では、日本国内のインターと海外(特にマレーシア・タイ・シンガポールなど東南アジア)のインターとで、入学条件・試験内容・英語力の基準・EALサポートの有無・編入のタイミングなど、入学にまつわるポイントを比較しながら解説します。何から準備すればいいかが見えてきた、という状態を目指してお読みください。

まず知っておきたい、インター入学の大前提

インターナショナルスクールと一口に言っても、日本国内のインターと海外のインターでは、入学のしやすさや条件の構造がかなり異なります。どちらが難しい・簡単という単純な話ではなく、それぞれに違ったハードルがあるというのが正直なところです。

まず日本のインターから見ていきます。もともと日本国内のインターは、日本に在住する外国籍の子どもたちのために設立された教育施設です。歴史ある老舗校では今でも、両親のどちらかが外国籍であること、または子ども本人が帰国子女であることを入学条件に掲げている学校が少なくありません。子どもが英語を話せても、両親が日本人同士だと入学できないケースもあるので、まずこの国籍・在住歴の壁が最初のハードルになることがあります。

加えて、英語力の基準もかなり厳しめです。授業はもちろん学校からの連絡もすべて英語で来るため、子どもだけでなく保護者にも日常会話レベル以上の英語力を求める学校が多いです。老舗の有名インターになるほど、ネイティブスピーカー並みの英語力を親に要求するケースもあります。

一方、海外のインターはもう少し間口が広い場合が多いです。特にマレーシアやタイのインターでは、入学時の英語力がゼロに近い状態でも受け入れてくれる学校がありますし、入学後にEAL(English as an Additional Language)と呼ばれる英語補習プログラムでサポートしてもらいながら徐々に英語力を伸ばしていく仕組みが整っています。

日本のインターの入学条件、ここが厳しい

日本にあるインターナショナルスクールの入学条件を整理すると、大きく3つの観点があります。国籍や海外在住歴の条件、子どもの英語力の条件、そして保護者の英語力の条件です。

国籍・在住歴に関しては、伝統的なインターほど厳しく設定されています。帰国子女でも海外在住歴が3年未満だと不可とするところや、5年以上の海外生活を条件にしている学校もあります。近年では日本人でも入学できるインターが増えてきていますが、日本人の受け入れに枠を設けていたり、特定の英語力テストを通過しなければならなかったりと、それなりのハードルがあります。

保護者への英語力要求もかなり現実的な問題です。学校からの連絡がすべて英語で届き、先生との面談も英語、という環境では、子どもだけ英語ができても親御さんが英語を理解できないと実生活でかなり苦労します。多くの学校で、保護者の少なくとも一方は英語での連絡を問題なく理解できるレベルを求めています。

入学試験の内容

日本国内のインターでは、一般的に学科試験と個人面接が設けられています。学科試験の内容は学校によって異なりますが、英語の読解やエッセイ、数学、小論文などが課されるケースが多いです。試験はほぼ英語で行われ、子どもの英語力と学力を同時に見られます。面接では学習意欲や家庭の教育方針、子どもの性格や将来の目標などが確認されます。保護者面接が別途設けられている学校も少なくありません。

入学時期については、日本の公立校のような4月一斉入学とは異なり、多くのインターは8〜9月を新学年の始まりとしています。ただし、クラスに空きが出れば随時受け入れを行っている学校も多く、日本の受験シーズンのように時期が決まっているわけではありません。この点は親御さんにとって計画を立てやすい面もあれば、逆にいつでも動けないといけないという難しさにもなります。

海外インターの入学条件、実際はどのくらい柔軟?

海外のインターナショナルスクールの入学難易度について、もっとも重要なポイントは「年齢(学年)によってまったく変わる」ということです。これは日本のインターよりも明確な傾向で、プレスクールや小学校低学年の入学と、中学・高校段階からの入学とでは、求められる英語力がまるで違います。

マレーシアの有名インターを例に取ると、小学校低学年(Year1〜2相当)への入学では英語力をほとんど問われないケースがあります。実質的にゼロ英語でも受け入れてもらえる学校がある一方、小学校高学年(Year4〜6相当)になると面談と英語チェックが入り、中学校(Year7以上)への入学には英検準2級〜2級程度の英語力が求められることが多いとされています。

この傾向はタイやシンガポールでも共通していて、入学する年齢が早ければ早いほど、英語力のハードルが低くなります。言語習得の観点からも、幼い子どもは英語環境に飛び込んでから自然と吸収できるため、学校側も低学年では英語力よりも適応力や意欲を重視する傾向があります。

CAT4テストとは何か

海外インターの入学試験で親御さんが最も戸惑いがちなのが、CAT4(Cognitive Ability Test 4th Edition)と呼ばれるテストです。これはイギリスのGL Assessment社が開発した認知能力テストで、特にイギリス系カリキュラムのインターを中心に、入学審査のスタンダードとして広く使われています。マレーシア・シンガポール・タイ・ドバイなど世界中のインターで採用されており、対象年齢は6歳〜17歳です。

CAT4が日本の受験勉強と大きく異なるのは、これまで学んできた知識を問うテストではないという点です。言語的推論・数量的推論・非言語的推論・空間的推論という4つの分野での思考能力、いわゆる地頭の部分を測るテストで、テスト前に特定の参考書で勉強して点を上げることが難しい設計になっています。問題はすべて英語で出題されますが、問題の形式自体は語彙力よりも図形の規則性を読み取るパズルのようなものも多く、純粋な英語力がゼロでも問題によっては解けます。

学校によっては、このCAT4の結果を合格・不合格の判断に使うのではなく、入学後のクラス編成や必要なサポートを検討するための診断として活用しているケースも多いです。つまり、CAT4は合否を決める関門というより、学校が子どもに適した学習環境を整えるための情報収集という側面が強いとも言えます。ただし現実には、結果が著しく低いと入学を断られることもあるので、親御さんが緊張するのも無理はありません。

ここで一度、入学条件の全体像を確認してみましょう。

  •  日本のインターは国籍・在住歴の壁があることを理解している
  •  日本のインターは保護者の英語力も審査対象になることが多いと知っている
  •  海外インターは入学年齢が低いほど英語力のハードルが下がることを理解している
  •  CAT4は知識ではなく認知能力(地頭)を測るテストだと知っている
  •  EALサポートがあれば英語力が低くても入学できる学校があると知っている
  •  海外インターの入学時期は8〜9月が多く、随時編入を受け付けている学校もあると知っている

EALサポートという存在、これが海外インターの大きな違い

海外インターで英語ゼロでも入学できる学校があるのはなぜか。その答えがEAL(English as an Additional Language)サポートです。英語を母語としない子どもたちが通常の授業についていけるようになるまでの橋渡しをしてくれる英語補習プログラムで、海外の多くのインターが正式なカリキュラムとして組み込んでいます。日本のインターでも一部の学校がESL(English as a Second Language)という名称で同様のサポートを提供していますが、海外インターの方が圧倒的に充実しているケースが多いです。

EALサポートでは、英語でのリーディング・ライティング・リスニング・スピーキングを段階的に強化しながら、通常の授業への参加を徐々に増やしていく形が取られることが多いです。入学当初は通常授業の一部をEALクラスで代替し、英語力が上がるにつれて全授業に参加できるようになっていく流れです。

ただし、EALサポートは無料ではない学校がほとんどです。年間40万〜60万円程度の追加費用が発生することも多く、学費の見積もりにはこの費用も含めて考えておく必要があります。また、EALサポートが卒業できるまでの期間は子どもによって異なり、半年で卒業できる子もいれば、数年かかる子もいます。英語習得のスピードは個人差が大きいので、親御さんの側も焦りすぎず長い目で見ることが大切です。

帰国子女と日本から初めて入学する場合の違い

帰国子女の場合、海外での生活・学校経験があるため、入学時の英語力は同年齢の平均より高いことが多く、EALサポートなしでも通常授業についていけるケースが多いです。海外インターの入学審査でも帰国子女は比較的スムーズに通ることが多く、学校側も受け入れ実績が豊富なのでサポート体制も充実しています。

一方、日本から初めてインターに入学する場合は、英語力の差がどうしても生じます。特に小学校高学年以降で初めて入学する場合は、すでに英語でしっかり学習している在校生との差が大きくなりがちです。それでも、EALサポートが充実した学校を選ぶか、事前にオンライン英会話などで英語の基礎を積んでおくことで、入学後のギャップを小さくすることは十分可能です。

編入のタイミング、いつが一番いいの?

よく聞かれる質問のひとつが「インターへの入学や編入、いつが一番スムーズですか?」というものです。正直に言うと、低年齢であるほど入学しやすく、英語の吸収も早く、子どものストレスも少ない傾向があります。特にプレスクールや小学校1〜2年生の段階であれば、英語力をほぼ問われない学校も多く、子どもも英語を遊びの延長として自然に吸収できます。

逆に、中学からいきなり海外インターへの編入を考えると、受け入れ可能な学校が限られ、英語力と学力のギャップを埋めるのに相当な時間がかかります。高校段階になるとさらに厳しく、IGCSEやIBといった卒業資格の試験準備が必要なため、英語が苦手な状態での編入はかなりリスクがあります。

タイミングとして現実的なのは、小学校1〜3年生のうちに移行するケースです。この時期は英語のハードルが低く、友達づくりも柔軟で、インターでの生活に適応しやすいです。また海外インターの新学年は多くが8月始まりなので、日本の学年との切り替えを4月にするか8月にするか、事前に計画を立てておくことが大切です。

随時入学できる学校も多いが、人気学年は早めの動き出しを

海外インターのもうひとつの特徴として、日本の受験のように決まった入試シーズンがないことが挙げられます。クラスに空きが出れば随時受け入れてくれる学校が多く、年度の途中でも入学できるケースがあります。一方で、人気校や人気学年では常にウェイティングリストが存在しており、希望する学年の枠が埋まっていて入れないというケースも珍しくありません。特にクアラルンプールの人気インターでは、幼稚園〜小学校低学年の枠は早い段階で埋まることも多く、入学を真剣に考えているなら現地見学や問い合わせは早めに動くことをすすめます。

まとめ

日本のインターは国籍・在住歴・保護者の英語力という入口の壁が高く、そもそも入学資格を満たせない日本人家庭も少なくありません。一方、海外のインターは入学資格の壁は低め(国籍を問わない学校がほとんど)で、英語力のハードルも入学年齢によって大きく変わります。幼いほど入りやすく、EALサポートを活用すれば英語力が低い状態でも入学できる選択肢が存在します。

ただし、海外インターも学年が上がるにつれて英語力の要求水準が上がり、中学以降からの入学は決してラクではありません。入学を検討しているなら、できるだけ早く情報収集を始めて、子どもの年齢に合った学校と準備の方法を見つけていくのが大切です。このサイトでは各国のインター情報を引き続き更新していくので、参考にしながら学校選びを進めてみてください。