GTECとは?英検との違い・試験内容・難易度をわかりやすく解説

基礎知識
こんな人向けの記事です
  • GTECって聞くけど、英検と何が違うの?
  • 学校で受けさせられるけど、どれくらい大事なんだろう

「英検とGTEC、どっちを優先すべきか迷う」「大学入試で本当に使えるのか不安」
こんな気持ちを抱えながら、周りに流されるようにGTECを受けようとしている学生は多いはずです。自分の進路が絡む試験なのに、情報がまとまっていないせいで、判断がしにくく感じてしまう場面も少なくありません。ここでは、GTECの特徴や英検との違いを整理し、どんな学生に向いているのかを具体的に見ていきます。

GTECとはどんな試験?

GTECは学校で受験するケースが多いため、つい英検の学校版のように思われがちですが、目的も仕組みもかなり違います。英検との比較を正しく理解するためには、まずGTECそのものがどんな理念で作られているのかを知っておくことが大切です。特に、パソコンを使って受験する点や、スコアで英語力を測る点は、学生の相性に大きく関わります。

GTECの目的と特徴

GTECはベネッセが開発した4技能試験で、読む・聞く・話す・書くを総合的に測ることを目的としています。学校の授業と連動しやすいように、学年に合わせたレベルで作られているのが特徴です。
英検が外部資格として合否を出す試験だとしたら、GTECは現状を把握して成長を可視化するための試験という立ち位置に近いです。

ICT型試験としてのメリット

GTECはパソコン受験が基本なので、タイピングやマイクを使ったスピーキング録音など、実際に手を動かしながら受験する形式です。
紙ベースの英検とは感覚が大きく違い、聞き返しがしやすかったり、画面を見ながらテンポよく進められたり、デジタルならではのメリットがあります。一方で、パソコンに慣れていない学生にはやや負担が大きく感じられることもあります。

英語4技能の測定方法

リーディングとリスニングは客観式ですが、スピーキングは録音形式、ライティングはタイピングで回答します。特にスピーキングは声を出す必要があるため、慣れていない学生は緊張しやすいポイントです。
ただ、英検の面接よりは心理的負担が少なく、静かに一人で録音するだけなので、コミュニケーションが苦手な学生でも取り組みやすい面があります。

英検とGTECの違いを比較する

GTECを受けるかどうか考えるとき、多くの学生が迷うのが英検との違いがよく分からないという点です。どちらも4技能試験として紹介されることが多く、なんとなく似ているように感じますよね。でも実際は、試験の目的も形式も評価の仕方も大きく異なります。ここでは、学生が自分はどっちが合うのかをイメージしやすいように、かみ砕いて整理していきます。

試験形式と問題タイプの違い

英検は紙の問題を解き、面接官と対面でスピーキングを行う試験です。英語の基礎力や運用力を、段階的に級で評価する仕組みになっています。受験者が多く、過去問も豊富で、対策の方向性がつかみやすいのが安心ポイントです。

一方でGTECはパソコンで受験し、スピーキングも録音形式です。対面の面接では緊張してしまう学生でも、静かなブースで一人で回答するので負担が軽く感じることがあります。問題の出し方も、英文の説明を聞いてからまとめたり、短い意見をタイピングしたりと、実践的なタスクが多いのが特徴です。

スコアと級の考え方の違い

英検は合格か不合格かがはっきり出る試験です。合格基準が明確なので、次の級を目指しやすいステップアップ型の資格試験と言えます。

一方でGTECは、スコアで英語力を測ります。例えばGTECでは600点台が英検準2級程度、700点台が2級程度と言われることがありますが、完全に一致しているわけではありません。あくまで英語力の伸びを把握するための目安として使われることが多く、段階的に右肩上がりに伸びやすいのが特徴です。

英検は達成感が得やすく、GTECは成長が可視化されやすい。これが大きな違いです。

大学入試や学校評価での扱いの違い

大学入試では、英検のほうが使える場面が多いのが現状です。特に英検2級や準1級は、推薦入試や英語の得点換算として扱われる大学も増えています。
GTECも利用できる大学はありますが、英検ほど数は多くありません。学校内での英語力評価として導入されているケースが中心で、入試での利用は限定的です。

ただ、GTECは学校の授業と連動しやすいという強みがあり、日常的に英語4技能を測りながら自分の弱点を理解できるツールとしては非常に優秀です。入試での使いやすさと、日頃の英語力の見える化という観点で、両者は役割が大きく違います。

GTECの難易度はどれくらい?

GTECはスコアで評価される試験なので、英検のようにはっきりとした合格ラインがありません。そのため、学生が一番気になるのが「この点数って英検の何級にあたるの?」という部分です。ただ、GTECと英検は試験の作りがまったく違うため、完全な対応表があるわけではありません。ここではあくまで目安として、どのくらいのレベル感なのかを整理していきます。

レベル別スコアの目安

GTECは0〜1400点のスコアで評価され、4技能を合計した点数で英語力を表します。
高校生でよく見かける平均スコアは、だいたい600〜800点くらい。学校の授業で英語をしっかりやっている学生なら、700点台に乗ることも珍しくありません。
900点を超えてくると英語が得意な層に入りますし、1000点を超えると英語を武器にできるレベルと言えます。特にスピーキングやライティングの点数が伸びると、全体のスコアが一気に上がりやすい特徴があります。

英検とのレベル換算の目安

よく言われる目安は以下の通りです(あくまで参考):

・GTEC 600点台 → 英検準2級程度
・GTEC 700〜750点 → 英検2級程度
・GTEC 850〜900点 → 英検準1級の入口
・GTEC 1000点以上 → 英検準1級〜1級の途中

もちろんこれは技能のバランスによって変わります。GTECではスピーキングとライティングの比重が大きいため、発信系が得意な学生はスコアが高く出やすく、逆にリーディング中心で英語を学んできた学生は英検のほうが結果につながりやすい、という傾向があります。

受験生がつまずきやすいポイント

GTEC特有の難しさは、次の3つに集中します。

・文章量が思ったより多く、時間が足りなくなる
・スピーキングが録音式のため、慣れないと考える時間が短く感じる
・ライティングがタイピング形式で、タイプスピードが遅いと点が伸びにくい

とくにスピーキングは、英検二次のように人と向かい合う緊張がないぶん、テンポよく答えないといけない難しさがあります。英語で頭を切り替えるのに時間がかかる学生は、最初はスコアが伸びにくいこともあります。

ただ、GTECは慣れれば確実にスコアが上がりやすい試験です。構成にパターンがあるので、一度つかめば安定した点数を取りやすく、英語力の成長を可視化するには向いています。

GTECを受ける学生が抱きやすい疑問

試験そのものの理解はできても、いざ受けようとすると細かい疑問が出てきます。特にGTECは英検ほど情報が多くないため、どう対策すれば良いのか、どれくらい意味があるのかが見えにくいことがあります。ここでは、GTECを受ける学生が実際によく口にする不安を取り上げながら、整理していきます。

英検とどちらを優先するべき?

迷ったときの結論としては、進路をどう考えているかで優先すべき試験が変わります。
高校受験や大学入試で資格を使いたいなら、英検が圧倒的に有利です。特に準2級や2級は得点換算や出願要件に直結するため、受けておく価値は非常に高いです。
一方で、学校内での成績の参考や、英語力の伸びを確かめたいケースではGTECの方が役に立つことがあります。英語4技能のバランスを見る試験なので、自分の得意・不得意が数字として見えやすいからです。

GTECだけで大学入試は突破できる?

大学によってはGTECを評価しているところもありますが、現状では英検の方が使える場面が多いというのが正直なところです。
ただし、GTECで高スコアを取れている場合、英語4技能の土台はしっかりしていることが多く、そのまま英検や大学入試の英語に生かしやすくなります。
つまり、GTEC一本で戦うというよりは、GTECで実力を測りつつ、資格としての英検を取るという使い方が現実的です。

対策は必要?学校の授業だけで足りる?

GTECは学校向けの試験として作られているため、授業とある程度リンクしています。ただ、スピーキングとライティングは慣れが非常に大事です。
スピーキングは録音形式なので、
・英語での瞬発力
・短い時間でまとめる力
・余計な沈黙を減らす練習
など、対策しておくとスコアが大きく上がりやすくなります。

ライティングもタイピング形式なので、英語を書きながら考える癖をつけるだけで、体感的な負担がかなり軽くなります。学校の授業だけでカバーしづらい部分があるため、ほんの少し練習しておくだけでも結果は変わります。

GTECと英検を選ぶ際のまとめ

英検とGTECは、どちらも4技能を測る試験という点では同じですが、役割と得意な部分が大きく違っています。
英検は資格としての強さがあり、高校や大学で評価されやすく、進路に直結しやすい試験です。一方でGTECは、英語力を細かく可視化でき、スコアがじわじわ伸びていく楽しさがあります。パソコン受験に抵抗がない学生には相性が良く、スピーキングのハードルも英検より低めです。

どちらを選ぶか迷ったときは、
・進路で必要な資格があるか
・パソコンへの慣れ
・スピーキングの得意・不得意
・日常の勉強時間
このあたりを比べてみると、自然と自分に合う方向が見えてきます。

試験そのものが目的ではなく、あくまで英語を伸ばすための一つの道具です。
どちらを選んでも、続けていけば確実に英語は力になります。焦らず、自分のペースで取り組めば大丈夫です。あなたにとって気持ちよく挑戦できる試験が見つかるよう、この内容が少しでも助けになれば嬉しいです。