英語も受験科目に?私立中学の“英語入試”最新事情とその対策法

基礎知識
こんな人向けの記事です
  • 中学受験を子どもがするんだが、今の入試はどんな感じなの、、?
  • どのように対策すれば良いんだろう、、?

「私立中学の受験に英語があると聞いて驚いた」「英語って、塾ではあまり対策してくれないけど…どう準備すればいいの?」

近年、私立中学の入試科目に“英語”を導入する学校が増えています。
でも、情報がまだ少なく、「英語受験って何が出るの?」「帰国子女向けじゃないの?」と戸惑う親御さんも少なくありません。

けれど実はこの“英語入試”、一部の特殊な学校の話ではなく、今後ますます拡大が予想される中学受験の新しいスタンダード

この記事では、なぜ英語が導入されるようになったのか、どう対策すれば良いのか、学校選びで注目すべきポイントを、具体的にわかりやすくまとめていきます。

なぜ今、英語入試を導入する私立中が増えているのか

まず知っておきたいのは、英語入試が「時代の流れ」に沿った選択だということです。

大学入試改革により、英語では「読む・聞く・話す・書く」の4技能が重視されるようになりました。
この変化は中学・高校の教育にも大きな影響を与え、中学受験にまで波及しています。

特に注目されるのが、探究型学習・グローバル教育・ICTとの親和性です。

「知識だけを問う試験」から、「ことばを使って考え、表現する力」を重視する学校が増えた結果、
その入口としての英語入試が導入されはじめたというわけです。

どんな学校が導入しているの?

  • 広尾学園(グローバルリーダーズコース)
  • かえつ有明(思考力×英語の融合入試)
  • 三田国際学園(英語+探究の先進校)
  • 開智中学校栄東中学校 など進学校でも導入拡大中

これらの学校は、「英語を使って学びを深める」ことを重視しており、
単なる語学試験ではなく、英語で“考える力”を試すという意図があります。

英語入試ではどんな問題が出る?どう対策すればいい?

「英語受験って、英検◯級レベル?」
「ネイティブ並みに話せないとダメ?」

そんなイメージを持ってしまう親御さんも多いですが、
実際は「読んで理解し、書いて伝える力」を問う問題が中心です。

出題傾向の特徴

  • 長文読解(ストーリーや説明文など)
  • 内容把握/要約
  • 英語での簡単な記述式解答(意見や理由を述べる)
  • 一部、リスニングや会話形式の設問もあり

つまり、語彙を暗記したり、会話フレーズを丸暗記したりするだけでは対応が難しいのが英語入試の特徴です。

家庭でできる英語対策のコツ

  • 英語絵本やアニメで“文脈力”を育てる
  • 簡単な英語日記やQ&Aで“ことばにする”力を育てる
  • 国語力の応用が効く

それぞれ解説します。

英語絵本やアニメで“文脈力”を育てる

意味が完璧にわからなくても大丈夫です。
英語のストーリーに触れ、「このシーンはどういう意味?」「主人公は何を考えてる?」と、親子で話す機会をつくるだけでも、英語での“読解感覚”が育っていきます。

簡単な英語日記やQ&Aで“ことばにする”力を育てる

「今日の朝ごはんは何だった?」
「どんな気分だった?」
こんな日常のやりとりを英語で少しずつ始めるだけでも、自分の意見を英語で言うベースになります。

→ “I ate curry. It was good!” のように、短くても「伝えよう」とする意識が大事です。

国語力の応用が効く

英語でも、日本語の論理的な読解力や文章構成力が役立ちます。
・文の構造を読み取る
・接続語を意識する
・要点をまとめて伝える
といった力は、英語入試にもそのまま応用できます。

英語受験校を選ぶときに見ておきたいポイント

英語があるかどうかだけでなく、「英語をどう使って学ばせているか」が学校選びでは非常に重要です。

  • カリキュラムをチェック
  • 教員体制・言語環境もチェック
  • 帰国子女枠だけじゃない、“国内生”の受け皿としての英語入試

それぞれ解説します。

カリキュラムをチェック

  • 探究学習やプレゼンが英語で行われるか
  • 英語でディスカッションを行う授業があるか
  • 国際系コース/バイリンガル教育の設計がされているか

こうしたカリキュラムは、“英語を学ぶ”から“英語で考える”への移行を意識しています。


教員体制・言語環境もチェック

  • ネイティブ教員の人数
  • 授業内での言語使用割合(オールイングリッシュ or 一部英語)
  • 英語に日常的にふれられる空気感があるか

「英語がある」と言っても、その中身は学校によってさまざま。
入試の難易度よりも、“その後の学び方”を意識した選び方が大切です。


帰国子女枠だけじゃない、“国内生”の受け皿としての英語入試

英語受験=帰国子女向けと思われがちですが、
実際には「英語に力を入れたい国内生」向けの入試枠としても広がりを見せています。

最近では、英語環境を整えたスクールや、インターナショナルのエッセンスを取り入れた私立校など、
幅広い選択肢の中から自分の子に合った進路を選べる時代になってきました。

英語入試=“ハードル”ではなく“可能性の広がり”として考える

英語が受験科目になると、「今から対策して間に合うのか」「他教科とのバランスは?」と、不安に感じるのも当然です。

でも実際の入試で問われているのは、完璧な英語力よりも、“ことばを使って考える力”です。

日々の読書、対話、感想文。
これまで育ててきた国語力をベースにすれば、英語でも十分に対応可能ですし、
焦らず日常の中で「伝える体験」を増やすことが、何よりの準備になります。

最近では、英語にふれる機会を増やせる学びの場や、国際視点を取り入れた私立校も増えています。
中学受験における“英語”を、可能性のひとつとして、前向きに捉えてみてはいかがでしょうか。