国際認定をご存知でしょうか。近年では国際認定を受けているインターナショナルスクールの開校が相次いでいます。そこで、今回は国際認定についてご紹介します。また、各認定の詳細と特徴についても徹底解説します。ぜひご覧ください。
はじめに
インターナショナルスクール施設を選ぶうえで欠かせないものとして、認定制度が存在します。調べてみてもわかりずらい認定制度。どのようなものがあるのでしょうか。
国際認定はどれが良いの?
どうやって施設を選べばよいの?
どの認証機関のスクールにすれば良い?
そんな方向けに今回は、国際認定機関を5つ紹介します。
まずはその認定機関とその特徴を一覧にまとめてみました。
認定機関名 | 認定先 | 本拠地 |
---|---|---|
IB(国際バカロレア) | カリキュラム | スイス |
ACSI(国際クリスチャン学校協会) | カリキュラム | アメリカ |
CIS (インターナショナルスクール会議) | スクール | イギリス |
WASC (西部地域 私立学校・大学協会) | スクール | アメリカ |
NEASC (ニューイングランド学校・大学協会) | スクール | アメリカ |
ケンブリッジ国際 | スクール | イギリス |
IB(国際バカロレア)

IBは、International Baccalaureate(国際バカロレア)の略称です。IBと略されることが多いです。
国際バカロレアは、1968年にスイスのジュネーブで設立された非営利団体です。教育プログラムや、大学入学資格試験も国際バカロレアと呼ばれます。当初は、様々な国の大学入試制度に対応し、1つの国の制度や内容に偏らない世界共通の大学入学資格および成績証明書を与えるプログラムとして開発されました。
国際バカロレアの教育方針として、理想の学習者像が挙げられます。これは、探究する人、知識のある人、考える人、コミュニケーションが出来る人、信念を持つ人、心を開く人、思いやりのある人、挑戦する人、バランスの取れた人、振り返りができる人の10個があります。2023年1月現在、世界159以上の国や地域で提供されています。
文部科学省は、グローバル人材育成の観点から、国際バカロレア(IB)の普及・拡大を推進しています。平成30年度に文部科学省IB教育推進コンソーシアムが立ち上がりました。国際バカロレアのプログラムとして、PYP、MYP、DP、CPがあります。
ACSI(国際クリスチャン学校協会)

ACSIはAssociation of Christian Schools lnternationalの略称です。正式な日本語名称が確認できませんでしたが、日本語に訳すと「国際クリスチャン学校協会」といったところでしょうか。
1978年に設立された、世界最大のキリスト教をベースとしたカリキュラムを提供する主要な国際組織です。教育カリキュラムについてもACSIと呼ばれることがあり、キリスト系のインターナショナルスクールが認定を取得しています。
本部はアメリカ合衆国コロラド州コロラドスプリングスにあり、北米および世界中に28の地域オフィスがあります。 100カ国以上国々の23,000以上の学校が認定校です。ACSI認定を学校に在学している場合、日本の学校への編入や入学が比較的容易です。
また、日本の大学入試の際、認定を受けている受けている学校での12年間の教育修了証書があれば、高等学校を卒業した者と同等以上の学力があると認められています。
ACSIの認定スクールも紹介していますので、ぜひご覧ください。
CIS(インターナショナルスクール会議)

CISとは、インターナショナルスクール会議(Council of International Schools)の略称です。教育カリキュラムについてもCISと呼ばれることがあります。
イギリスに本部があり、世界的な資格として有用され、CIS認定校で12年の課程を修了した18歳以上の者には、日本の高等学校を卒業した者と同等以上の学力があると認められています。
CISの特徴として、学校認定を行っています。学校の運営方法(ガバナンス)や、教育方法、カリキュラムや教職員の資格(教育免許)、会計や財務状況など学校全体を項目に従って確認し、学校そのものを認定するのです。
CISは、認定学校としてふさわしい教育を実施できているか評価し、認定する機関なのです。
CISの認定スクールも紹介していますので、ぜひご覧ください。
WASC(西部地域 学校・大学協会)

WASCは、The Western Association of Schools and Collegesの略称です。アメリカ合衆国カリフォルニア州に本部があり、幼児から12年生(高校3年)までの学校、そして大学までを認証する教育組織です。教育カリキュラムについてもWASCと呼ばれることがあります。
正式な日本語名称が確認できませんでしたが、「西部地域 学校・大学協会」といったところでしょうか。
こちらもCISと同じく学校認定組織です。WASC認定までには、多くの過程を要します。また定期的な査察や期限が決まっているため、再認定など評価を受けます。このプロセスを経ることで認定教育の基礎が固まります。そのため、信頼性が高いです。
認定校で12年の課程を修了した18歳以上の者には、高等学校を卒業した者と同等以上の学力があると認められています。
WASCの認定スクールも紹介していますので、ぜひご覧ください。
NEASC(ニューイングランド学校・大学協会)

NEASC(ニューイングランド学校・大学協会)は、New England Association of Schools and Collegesの略称です。
1885年に設立された教育認定機関です。アメリカ合衆国政府公認の非営利民間団体の1つで、ニューイングランド(コネチカット、メイン、マサチューセッツ、ニューハンプシャー、ロードアイランド、バーモント州)にある公立、私立校と世界各国の学校を認定してきました。
アメリカ合衆国では、政府が民間の非営利の認定団体を認定し、その認定団体が大学を認定(アクレディテーション)するという認定校制度が採用されています。その認定を行う組織の一つがNEASCです。日本の場合、文部科学省の認可がなければ「大学」という名称を使うことができないと学校教育法第135条第1項で定められています。
ですが、アメリカ合衆国の場合、連邦政府や州政府の認証を受けなくても、認定機関が学校を認定することによって、「大学」を意味する「University」や「College」という名称を教育機関の名前に使うことが可能なのです。
NEASCの認定過程として、学習構造、組織構造、健康・安全・セキュリティ、財務・施設・リソース、倫理的実践、下宿・寮等が評価されます。このようにして、学校そのものにNEASC標準認定がなされるのです。
世界的な資格として有用され、認定校で12年の課程を修了した18歳以上の者には、高等学校を卒業した者と同等以上の学力があると認められています。
NEASC認定スクールも紹介していますので、ぜひご覧ください。
Cambridge Assessment(ケンブリッジ国際)

ケンブリッジ国際は、イギリスにあるケンブリッジ大学の国際認定です。カリキュラムについてもケンブリッジ国際と呼ばれることがあります。世界中の学校、政府などと協力して、教育の向上を行っています。通常の認定に加えて、オンライン教育についても認定があります。
世界160以上の国と地域で提供されており、10,000以上のスクールでプログラムが実施されています。
ケンブリッジ国際認定スクールも紹介していますので、ぜひご覧ください。
ケンブリッジ国際認定についての詳細につきましては、こちらの記事をご覧ください。
どの認証機関の施設にすれば良い?
さて、国際認定機関を5つ紹介しましたが、そのうえでどの認定機関の施設を選べばよいのでしょうか。その際に、この記事の一番最初にお見せしたグラフに書いてある、認定先と本拠地が重要になってきます。
認定機関名 | 認定先 | 本拠地 |
---|---|---|
IB(国際バカロレア) | カリキュラム | スイス |
ACSI(国際クリスチャン学校協会) | カリキュラム | アメリカ |
CIS (インターナショナルスクール会議) | 学校 | イギリス |
WASC (西部地域 私立学校・大学協会) | 学校 | アメリカ |
NEASC (ニューイングランド学校・大学協会) | 学校 | アメリカ |
IB(国際バカロレア)とACSI(国際クリスチャン学校協会)がカリキュラムに対しての認証です。これは、教育内容が認められており、そのうえでスクール名が認定校としてあげられます。
なので、認証機関のカリキュラムを重視するのであれば、上の2つの中からが良いでしょう。
一方で、CIS(インターナショナルスクール会議)、WASC(西部地域 私立学校・大学協会)、NEASC
(ニューイングランド学校・大学協会)は学校に対しての認証です。
これは、教育内容はある程度裁量がスクールに委ねられており、独自のカリキュラムも認められます。
なので、スクール独自のカリキュラムを重視するのであれば、下の3つの中から選ぶのが良いでしょう。
おわりに
いかがでしたでしょうか。
今回は国際認定機関を5つ紹介しました。
それぞれ教育、認定制度に違いがありますので、スクールを選ぶ際はどの機関が認定している施設が良いか、どの施設にするかぜひ考えてみると良いでしょう。
子供たちの成長にとって大切な選択であるスクール選び。異文化の交流、多様性の理解、国際的な視野の拡充は、彼らの未来において貴重な経験となるでしょう。これからのスクールライフが、充実した学びと素晴らしい出会いに溢れ、子供たちの未来が輝くものとなることを心よりお祈りしています。