「小学生子どもに多様性や国際感覚を持ってほしい!」「小さいコミュニティや枠組みにとらわれず大きな視点を持ってほしい!」と考え、小学生のお子さんにグローバル教育をされる方は近年増加傾向にあります。
ただ、そうした国際感覚を身につけるためにはどうすればいいのかわからない方も多いです。
そこで今回は、小学生の子どもが国際感覚を持つにはどうすればいいか、メリットや注意点についても解説していきます。
現在の小学校の英語教育

従来の英語教育では、単語や文法を覚えることが中心でした。そのため、コミュニケーション能力やスピーキング能力、リスニング能力を養うことができず、「使える英語」を学ぶことができませんでした。
そうした課題を解決するために、2020年度の学習指導要領改正によって、小学校の英語教育が大幅に変化しました。
変化の大きな特徴として、小学3年生以上の英語の授業が必修化されました。2020年以前では、小学5年生以上が対象だった英語教育ですが、早いうちから英語に触れておくために現在では3年生からに前倒しされました。
具体的には小学3年生で、一コマ45分、年間で35コマ(週に1回程度)が実地されるようになりました。
とは言っても、小学3~4年生では、英語を本格的に学ぶことが目的ではなく、英語というものに触れてみる、いわば本格的に学ぶ前の予行練習のような授業が行われます。
例えばイラストやクイズのカードを用いて異本的な単語を学んだり、発音の練習をしたりします。
他にも、あいさつや基本的なコミュニケーションを学ぶなど、従来のレクチャー型(教師が一方的に話す)の授業ではなく、実際にコミュニケーションをとったりする体験型の授業が行われます。
ただし、3~4年生の英語の授業は導入的な要素が多いため、成績には反映されません。5年生以降からは英語が科目として成績に反映されます。
英語教育改革の背景については過去の記事で書いてますのでそちらも合わせてご覧ください。
・【2024年度最新版】小学生に効果的な英語の勉強方法とは??
メリット

小学生が国際感覚を身につけるメリットについて解説していきます。
- 異文化理解とコミュニケーション能力の向上
- 表現力と創造力の育成
- 世界観の拡大
- 将来のキャリアに有利
それぞれ解説していきます。
異文化理解とコミュニケーション能力の向上
国際感覚を身につけることで、子どもたちは他文化に対する理解と尊重を深めることができます。
例えば、異なる国の言語や習慣、食文化に触れることで、他の人の視点を理解し、偏見や差別を減らすことができます。これは、グローバル社会において非常に重要なスキルです。
また、異文化コミュニケーションの経験は、子どもたちの社交性や柔軟性を高め、自信を持って他者と交流する力を養います。
表現力と創造力の育成
異なる文化に触れることで、子どもたちは新しい視点やアイデアを得ることができます。これにより、自己表現力や創造力が向上します。
例えば、英語などの外国語を学ぶことで、自分の考えを多様な方法で表現する力がつきます。また、異なる文化の芸術や文学に触れることで、創造的な思考が刺激され、新しいアイデアを生み出す能力が高まります。
世界観の拡大
国際感覚を身につけることで、子どもたちは広い視野を持つようになります。世界各国のさまざまな問題や課題に対して関心を持ち、自分たちの生活や社会と照らし合わせて考える力がつきます。
これにより、グローバルな視点で物事を考えることができるようになり、多様性を受け入れる寛容さが養われます。
将来のキャリアに有利
現代の社会では、国際感覚を持つことが将来のキャリア形成において大きなアドバンテージとなります。
多国籍企業や国際機関で働く機会が増える中で、異文化理解や多言語能力は重要なスキルです。小
学生のうちから国際感覚を身につけておくことで、将来の選択肢が広がり、さまざまな分野で活躍できる可能性が高まります。
注意点

子どもたちがより良い形で国際感覚を身につけるために注意すべきことがいくつかあります。
- 言語学習の負担を軽減する
- 偏見を防ぐ
- バランスを取れた教育を行う
それぞれ解説していきます。
言語学習の負担を軽減する
国際感覚を身につけるためには、外国語の学習が欠かせません。しかし、過度な負担をかけることは逆効果です。
特に小学生の場合、楽しみながら学ぶことが重要です。無理に詰め込み式の教育を行うのではなく、ゲームや歌、絵本などを活用して自然に言語に触れさせる方法がおすすめです。
偏見を防ぐ
異文化を学ぶ際に注意しなければならないのは、偏見やステレオタイプを持たないことです。
異なる文化について学ぶことは重要ですが、その際に偏った情報やネガティブなイメージを与えないようにする必要があります。例えば、ある国の文化を紹介する際には、その国の多様性や豊かさを伝えるようにしましょう。
バランスを取れた教育を行う
国際感覚を身につけることに重点を置くあまり、他の重要な学習をおろそかにしないように注意が必要です。バランスの取れた教育が求められます。
例えば、算数や理科、国語の学習も同様に大切であり、全体的な学習のバランスを考えることが重要です。
身につける方法

ではどのようにして国際感覚を身につければいいでしょうか?
- 異文化交流の機会を増やす
- サブスクなどの活用
- インターナショナルスクールへ入学する
それぞれ解説していきます。
異文化交流の機会を増やす
異文化に触れる機会を増やすことも国際感覚を身につけるためには重要です。
例えば、外国の子どもたちと友人関係になることで、日常的に異文化に触れることができます。
また、地域コミュニティで国際交流イベントなどが開催されている場合、そうしたイベントに参加することで、子どもたちは直接異文化に触れ、理解を深めることができます。
他にもオンライン英会話などのツールを使って異文化交流をすることは有効的です。
留学やホームステイなどの活用
留学やホームステイを通じて、実際に異文化の中で生活する経験をすることは、非常に有効です。
短期の留学プログラムやホームステイを利用することで、子どもたちは異文化を肌で感じることができます。これにより、言語だけでなく、文化そのものを理解する力が身につきます。
実際に、留学経験が子どもたちの国際感覚を大きく向上させることがわかっており、留学できる環境にいるのであれば留学をすることをお勧めします。
インターナショナルスクールへ入学する

小学生のうちから国際的な教育を子どもに受けさせたいと考える方は、インターナショナルスクールへの入学がおすすめです。
インターナショナルスクールとはもともと、日本に住んでいる外国籍の子どものために作られたスクールです。
ですが最近では、国際的なカリキュラムや教育方針を採用し、多角的な環境で学ぶことができるため、日本人だけど通わせたいと考える方も増えてきています。
それに伴い外国籍の子どもだけでなく、日本人でも入学できる学校も増加しています。
インターナショナルスクールでは授業を含む日常生活はすべて英語で話されます。「使える英語」に触れることで、スピーキング能力やリスニング能力を養い、英語力を大幅に向上させることができるでしょう。
また、インターナショナルスクールにはアジア諸国、欧米諸国、オーストラリアなどさまざまな国から子どもたちがやってきます。
幼少期の頃から、さまざまな国の子どもと関わることができるため、多様性の感性や多角的な視点、国際感覚などを身につけることができます。
子どもに本気で国際教育を受けさせたいのであれば、インターナショナルスクールへの入学を検討してみるのもいいでしょう。