「中学受験に英語って、本当に必要?」
親御さんの間で、今この疑問が急速に広がっています。
算数・国語に全力を注ぐのが当たり前だった中学受験。
でも、近年入試に英語を導入する学校が増加し、「英語力」が新たなカギになりつつあります。
さらに、受験だけでなく中学入学後の学習や将来の進路にも大きく影響するため、今や英語は「やるかやらないか」ではなく、「どう向き合うか」を考える時代に。
この記事では、なぜ中学受験に英語力が重要視されているのか、そしてご家庭でどのように備えればよいのかを詳しくお伝えします。
そもそもなぜ?中学受験で英語力が重視され始めた背景

2010年代後半から、東京都心部や関西の私立中学を中心に「英語入試枠」が設置され始めました。
その背景には2つの大きな変化があります。
- グローバル人材の加速
- 小学校英語教育の必修化
グローバル人材の加速に伴い、大学入試改革や企業の採用基準が「英語活用力」を重視するようになり、中学・高校もそれに合わせてカリキュラムを進化させました。
また、2020年度から小学3年生以上で英語活動が必修となり、子どもたちの英語経験が全体的に底上げされたなどの背景から中学受験で英語力が重視され始めていきました。
例えば、英語入試を導入する代表的な学校例(首都圏)を以下に挙げます。
- 渋谷教育学園渋谷中学
- 広尾学園
- 三田国際学園
- 東京都市大学付属中学
これらの学校では、「英語による試験」を設けるだけでなく、入学後の探究型学習や国際交流プログラムも充実。
つまり、入試時点での英語力が、将来の学び方や環境を左右することになるのです。
英語力が受験だけでなく「未来の学び」に直結する理由

英語入試枠がある中学校では、入学後の英語教育も非常にハイレベル。
例えば、中学2年で英検準1級レベルに達するカリキュラムの学校もあります。
英語力が高い子は、留学プログラムや国際コンテストなどの機会をどんどん掴んでいきます。
逆に、英語が苦手な場合は授業についていくのが大変になるケースも少なくありません。
また、最近の先進的な学校では、英語を「科目」としてではなく「探究のツール」として使用する流れがあります。
理科の探究発表や社会のプレゼンテーションを英語で行うことも。
このスタイルに対応できる子は、表現力・思考力を英語で磨き、さらに海外大学進学の道も視野に入れることができます。
他にも、国際バカロレア(IB)や海外大学進学を目指す生徒も年々増加。
帰国子女だけでなく、国内育ちでも英語力次第でグローバルな進路を選べる時代です。
また、将来の大学入試でも英語外部試験(英検、TOEFLなど)を利用できるケースが増え、中学時代の英語力が直接プラスになります。
英語力をどう育てる?中学受験生のための実践ポイント

英語力を育てるためには、受験勉強と「使える英語」の両立がカギになります。
受験対策だけに偏ると、試験が終わった途端に英語力が止まってしまうことも。
使える英語力=思考力・表現力を一緒に育てていく意識が必要です。
親御さんが意識すべきポイントを以下に挙げます。
- 単語・文法の暗記に偏りすぎない
- リスニング・スピーキングの時間も確保
- 正解探しではなく、自分の意見を言う練習を増やす
上記の点を理解して子どもの英語力を育てることで勉強効果が上がっていくでしょう。
また、最近は、英語探究プログラムや英語ディスカッション教室など、中学受験と並行できるスクールも充実しています。
特にインターナショナルスクール系の放課後プログラムやSTEM英語を扱う教室は、受験英語+αの力を育てる場として注目されています。
もちろん「絶対に通わないといけない」というわけではありません。
ご家庭とお子さんのペースに合う形で、選択肢の一つとして検討するのが理想です。
「英語力」と聞くと、どうしてもプレッシャーを感じてしまうかもしれません。
でも、焦る必要はありません。
今できる一歩を着実に積み重ねることが、お子さんの将来を支える最良の方法です。
親御さんも、お子さんと一緒に「これからの英語」とどう向き合うかを楽しみながら模索していきましょう。
それこそが、英語力以上に大切な「学びの姿勢」を育てる第一歩です。