「幼少期から英語を学ばせてあげたい!」「国際的な環境で多様性を身につけて欲しい!」と考えにインターナショナルプリスクールへの入学を検討する方は近年増加傾向にあります。
そこで今回はインターナショナルプリスクールのメリット・デメリットを中心として解説していきます。
インターナショナルプリスクールとは?

そもそもインターナショナルプリスクールとはどのようなところなのでしょうか?
インターナショナルプリスクールとは一般的に英語保育を行う保育施設を意味します。その後のインターナショナルスクールに通う子どもも多く、インターナショナルスクールに入学する前の保育施設ともいえます。
もともと、インターナショナルプリスクールは日本に住む外国籍の子どもや、海外から日本に来たばかりの帰国子女の子どもを対象に作られた施設です。
しかし、最近では純日本人だけど子どもを入学させたいと考える方も多く、スクールに日本人がいるのも珍しくありません。
現在は小学校に入る前の子どもに対して英語教育を行う保育施設と認識しておけば大丈夫でしょう。
インターナショナルプリスクールの特徴
では具体的にどのような特徴がるのでしょうか?
プリスクールの特徴を3つ挙げます。
- 日常生活の全てが英語で話される
- 欧米圏の保育システムを採用
- 高額な学費
インターナショナルプリスクールの大きな特徴の一つに、授業を含めた日常生活のすべてが英語で行われるというものが挙げられます。
順応性の高い幼少期のうちから英語に触れておくことで、英語を素早く身につけることができます。
日常の全てに英語が使われるという経験は、英会話塾や日本の学校などでは味わえない貴重な経験になるでしょう。
また、インターナショナルプリスクールでは欧米圏の保育システムを採用しています。日本のような一方通行のレクチャー型の講義ではなく、野菜の種まきや美術館見学を行うなど、生徒も一緒に参加して学ぶ体験型の授業がメインです。
そのような講義を行うことで「多角的な視点」を養うことができ、「知的好奇心」も満たすことができます。
高額な学費を要するというのもプリスクールならではの特徴です。
一般的な私立幼稚園の年間学費総額が約31万円に対して、インターナショナルプリスクールの年間学費相場は約80万円〜240万円と高額です。
また、認可外の保育園の年間学費相場は約43万円なので、インターナショナルプリスクールは日本の幼稚園・保育園と比べても学費が高いことがわかります。
インターナショナルプリスクールに通うメリット

では次にインターナショナルプリスクールに通うメリットについて解説します。
- 幼少期から英語を学べる
- 国際感覚や多様性を身につけることができる
- 知的好奇心を養うことができる
- コミュニケーション能力が育つ
- ICT教育を受けることができる
それぞれ解説していきます。
幼少期から英語を学べる
上記でも述べた通り、インターナショナルプリスクールでは日常会話はすべて英語で話されます。
一般的な日本の英語教育は小学校3年生ごろから始まります。一方インターナショナルプリスクールでは2歳ごろからの学習も可能なため、日本の子どもたちと比べて英語を早く身につけることができるでしょう。
そして、日常的に英語に触れることで、発音やリスニングのスキルが向上し、バイリンガルとしての基礎が作られます。
また、生後6ヶ月から6歳までの子どもを「ゴールデンエイジ」と呼び、この期間は言語を身につけるのに最適な期間です。
そのため、そのような英語習得効果の高い時期から英語に触れておくことで、英語を身につけるのには苦労しないでしょう。、
国際感覚や多様性を身につけることができる
インターナショナルプリスクールに通うことで国際感覚を身につけることができるでしょう。
日本に住んでいると、日本以外の文化や習慣に触れることは少ないです。
ですが、上記でも述べた通りプリスクールにはさまざまな国籍の子どもたちが集まります。幼いうちから、人種や国籍の隔てなく関わることで、異文化への理解を持ち、多様性の感性が身につくでしょう。
また、さまざまな文化と触れ合うことで、差別や偏見も持たなくなりグローバルな人材育成にもつながります。
知的好奇心を養うことができる

インターナショナルプリスクールでは、知的好奇心や探究心などを養う教育をしているところが多いです。
各スクールによって違いはありますが、大きく分けると内容は以下の通りです。
- 多角的な視点を養う
- 国際感覚を持った子どもに育てる
- 知的好奇心を満たす
- 子どもの自主性や自立性を重んじる
これらの内容をもとにアート、音楽、演劇などの教育をすることで、子どもたちの興味関心を引き出し、思考力を育てます。また、グループディスカッションやグループワークを行うことにより、コミュニケーション能力など、社会で必要な能力も養っていきます。
コミュニケーション能力が育つ
インターナショナルプリスクールでは、グループ活動や共同作業が頻繁に行われます。これにより、子どもたちは他の子どもと協力して課題を解決する方法を学びます。
例えば、アートプロジェクトや演劇の練習を通じて、リーダーシップやフォロワーシップ(他の人を支援する能力)が養われます。これらの経験は、子どもたちの社会性やコミュニケーション能力を養います。
ICT教育を受けることができる
インターナショナルプリスクールでは、ICT教育(デジタル機器などを使用する教育)が充実しています。
そのため、子どもたちは幼少期からタブレットやコンピューターを使用し、基本的な操作方法やデジタルツールの使い方を学びます。
これにより、デジタルリテラシー(デジタル機器を理解し活用する能力)が早期に身につき、将来的な学習や生活においても有利になります。
インターナショナルプリスクールに通うデメリット

最後にインターナショナルプリスクールに通うデメリット・気をつけるべきポイントについてご紹介します。
- 学費が高い
- ダブルリミテッドになる恐れがある
- 卒業後に学んだ英語を忘れてしまう場合がある
- 日本ならではの文化を習得できない場合がある
- 長期休みが長い
それぞれ解説していきます。
学費が高い
最初にも述べた通り、インターナショナルプリスクールは学費が高いことも知っておかなければいけません。
幼稚園・保育園とはどの程度の差があるのかみていきましょう。
幼稚園(公立) | 幼稚園(私立) | 保育園(認可外) | プリスクール | |
年間学費総額 | 約17万円 | 約31万円 | 約43万円 | 約80~240万円 |
プリスクールの学費が日本の幼稚園・保育園と比べても圧倒的に高いことがわかります。
また、そのほかにも野外活動費やスクールバス代、寄付金などが求められる場合もあります。
ダブルリミテッドになる恐れがある
ゴールデンエイジの子どもが英語と日本語を中途半端に習うことによって「ダブルリミテッド」という状態になる可能性があります。
「ダブルリミテッド」とは二つの言語を話すことはできるが、どちらの言語も年齢相応のレベルに到達していないことを指します。
ただ、家庭内や長期休みで日本語をしっかりと使うことや日本語の読み聞かせをしてあげるなどすればこのような状態になることは珍しいでしょう。
卒業後に学んだ英語を忘れてしまう場合がある
日本の英語教育は小学校3,4年生から始まります。また卒業後、プリスクールのように英語漬けの環境を作るのは難しいです。
そのためプリスクール卒業後、せっかく身につけた英語を忘れてしまうかもしれません。そうしたことを回避するためにはどうすればいいでしょうか。
- 英会話スクールに通わせる
- インターナショナルスクールへ進学させる
英会話スクールに入れることによって、英語を学ぶ機会を確実に設けるということは大事なことです。ただし、それだけでは不十分のため、常日頃から英語を話すなど、英語を忘れない工夫をすることが大事です。
また、インターナショナルスクールへ進学させれば、プリスクールと変わらない環境で学習することができるため、英語力の維持だけではなく、より発展した英語を学ぶことができ、英語力向上にもつながります。
日本ならではの文化を習得できない場合がある
多くのインターナショナルプリスクールでは、国際的なカリキュラムが中心となっているため、日本の伝統行事や文化的なイベントが十分に取り入れられていません。
例えば、節分やひな祭り、端午の節句などの四季折々の行事を体験する機会が少なくなってしまいます。そのため、子どもたちは日本の伝統や文化を深く理解することが難しくなります。
インターナショナルプリスクールに通う子どもが日本の文化をしっかりと学ぶためには、家庭での教育が重要になります。親が積極的に日本の文化や伝統行事を伝えていくことが大事です。
長期休みが長い

インターナショナルプリスクールでは、夏休みや冬休みなどの長期休暇が長いのが一般的です。
そのため、長期休み中は親が子どもに使う時間が増えてしまい、その期間が長いのです。
特に共働きの家庭では、子どもの預け先を確保するために追加の費用がかかってしまうことも多いです。さらに、長期間の休みを有効に過ごすための計画を立てることも親にとって大きな負担となる場合があり、悩まれている方が多いのが現状です。
上記でも述べた通り、インターナショナルプリスクールには多くのメリットがありますが、費用の高さや日本文化の理解不足になってしまうなどのデメリットも存在します。これらの点を考慮し、子どもにとって最適な教育環境を選ぶことが重要です。