「国際的な感覚を子どもに身につけてほしい!英語を早期学習させたい!」など考える親は近年増えてきています。その中でインターナショナルスクールに通わせるというプランを考えている親も多いのではないでしょうか。本記事ではインターナショナルスクールとはどういうものなのか、インターナショナルスクールのメリットやデメリット、学費はいくらかかるのかなど解説していきます。
インターナショナルスクールとは?

インターナショナルスクールとは主に外国人や親の転勤などで日本に来たばかりの日本語を喋ることができない学生を対象にしている学校です。国際的なカリキュラムや教育方針を採用し、国際的な環境で学ぶことができるため、近年では日本人だけど通わせたいと考える親も増えてきています。それに伴い外国籍の子どもだけでなく、日本人でも入学できる学校も増加しています。
インターナショナルスクールの主な特徴を3つ挙げます。
- 授業がすべて英語で行われる
- 小学校1年生から高校3年生まである
- 基本的に入学時期は9月
授業がすべて英語で行われる
授業を含めた学校生活は、基本的にすべて英語で行われます。英語を学びにいくのではなく、英語で教育を受けることができる学校です。したがって、英語で基本的なコミュニケーションをとれるということは入学条件になります。
幼稚園から高校3年生まである
インターナショナルスクールには「インターナショナルプリスクール(幼稚園相当)」「初等部(小学校相当)」「中等部(中学校相当)」「高等部(高校相当)」から入学できます。プリスクールから高等部まで一貫校として設立されている学校もあれば、それぞれの学年のみが対象となっている場合もあります。
インターナショナルスクールとプリスクールの違いは?
プリスクールとは幼児を対象とした英語教育機関のことです。インターナショナルスクールでは英語が母国語の子どもを受け入れるのに対し、プリスクールでは英語を母国語としない子どもが対象となります。インターナショナルスクールは留学生や移民の子、帰国子女など海外経験のある子どもたちが多いですが、プリスクールでは英語の習得を目的とした子どもたちが通う施設になっています。
基本的に入学時期は9月
インターナショナルスクールの入学時期は、基本的に9月とされています。
インターナショナルスクールの入学条件は、その学校へ通うために必要な英語力を持っていることです。親にも英語力を求められる場合があります。(学校とのコミュニケーションを円滑に進めるため)
その他、両親のどちらかが外国籍であることを条件にしている学校もあるのでスクールによって条件は異なります。
国籍に関しては、日本人をほとんど受け入れない学校もあれば、日本人ばかりの学校もあります。
インターナショナルスクールに通うメリット

インターナショナルスクールには、公立校にはないさまざまなメリットを得ることができます。今回は主に4つのメリットを紹介します。
- 英語力の向上
- グローバルな感性が養われる
- 海外進学をしやすい環境
- 国際水準の教育を受けることができる
英語力の向上
インターナショナルスクールでは算数(数学)・国語などの授業も含めすべて英語で行われます。もともと持っている英語力に加え日常的に英語を話すためリスニングやスピーキング能力などが向上していきます。
先ほども述べましたが英語を習いにいくのではなく、英語で習うことになるので、英会話教室や塾とは別物です。
卒業後、海外に進学または働きに出る場合でも不自由のない「使える英語」を身につけることができるのです。
グローバルな感性が養われる
インターナショナルスクールでは欧米諸国や中南米諸国、オーストラリア、アジア圏などさまざまな国籍の子どもたちと学ぶ環境を提供します。そうすることで自然と多様性や異文化を理解し、国際感覚を養うことができるのです。また、そのような環境にいることで学ぶ対象となる物事を深く追求し、多角的な考え方を身につけることができ、将来的にグローバルに活躍するための重要な土台になります。
またスクールによっては日本人生徒の数を一定の人数に制限することで、国際感覚をより豊かに育む環境を提供している場合もあります。
海外進学をしやすい環境
IB(国際バカロレア)認定を受けているインターナショナルスクールの場合、国際的に通用する大学入学資格である「国際バカロレア資格」を高校卒業と同時に取得できます。またこの資格を持つ生徒のうちインターナショナルスクール高校を卒業した8割以上が、海外の大学へ進学しています。
国際バカロレア認定証書(ディプロマ)を手に入れることで、グローバルに通用する大学認定資格を得ることができ、アメリカのハーバード大学やスタンフォード大学、カナダのトロント大学やマギル大学、イギリスのオックスフォード大学やケンブリッジ大学など世界ランキング上位の大学に進学する生徒が多いです。
このようにIB認定を受けているスクールは、海外進学を希望する親子にとって理想的なスクールなのではないでしょうか。
国際水準の教育を受けることができる
インターナショナルスクールでは科目横断型の授業が行われ、物事を深く追求し、多角的な考え方ができる人物の育成が目指されています。
また、IB認定を受けているインターナショナルスクールでは多様な文化を理解尊重し、平和な世界に貢献できるグローバルな人材育成を目的としています。
インターナショナルスクールでは、コミュニケーション能力やプレゼンテーション能力を磨くようなカリキュラムが多くなっています。授業では、ディスカッションやディベート、プレゼンテーションを取り入れ、生徒が積極的に発言する参加型の授業が行われます。このような授業を行うことで、生徒は多様性、主体性の両方を身につけることができます。
さらに、インターナショナルスクールではICT環境(情報教育)が発達しているため、情報活用能力も養うことができます。
インターナショナルスクールに通うデメリット

今までインターナショナルスクールのいいところばかりお話ししてきましたが、ここからはデメリットを3つ解説していきます。
- 学費が高い
- 義務教育を受けたことにならない場合がある
- 日本の学校へは行きずらくなる
学費が高い
インターナショナルスクールの小学校から高校までの年間における学費は非常に高額で年間150万〜200万円、場合によっては300万円を要します。
最低でも月に10万円以上が必要なので、入学を検討する際は学費についても考えたほうがいいでしょう。
また日本の私立小学校は年間約166万円、中学校は約143万円、高校になると約105万円なのでインターナショナルスクールは日本の私立学校の1.5倍〜2倍近い額になります。
義務教育を受けたことにならない場合がある
通っている、通おうと考えているインターナショナルスクールが学校教育法第1条に規定されている「一条校」以外の場合、義務教育を受けたことにならないため、公立校の編入が認められない場合があります。
また高校を卒業したとしても大学受験資格を得ることができない場合があり、日本の大学進学を希望する場合には、インターナショナルスクールの法的な位置付けをしっかり把握しておくことが必要になります。
日本の学校へは行きずらくなる
上記でも述べた通とおり「一条校」に認定されていないスクールに通うと、たとえ12年間通ったとしても日本の高校卒業資格を得ることができない場合があります。
しかしインターナショナルスクールに通う生徒の約8割が海外進学を希望するというデータがあり、海外進学するのであれば資格がなくても全く問題がありません。
インターナショナルスクールから海外の大学への進学は比較的スムーズです。最近では日本でも上智大学や筑波大学などでIB入試やAO入試が認められる場合が増えてきています!
学費はいくら?

インターナショナルスクール(一条校ではない学校の場合)は基本的に国から補助金が出ないため、学校のかかる費用は生徒の学費や日本にある外国企業から賄っています。そのため、日本の公立校や私立校よりも学費がかかってしますのです。
学費の相場
上記でも述べたとおり、一般的なインターナショナルスクールの学費の相場は150万〜300万円と一般的な日本の学校に比べて高額です。
ただ、学費も地域によって変動します。
- 東京:約246万円
- 神奈川:約286万円
- 広島:約150万円
東京・神奈川はあまり大差がなく、広島になると約100万円近く安いことがわかります。
学費の内訳
インターナショナルスクールの学費の内訳は日本の学校とあまり変わりません。補助金が出ない分の費用を賄うことになるため、高額な学費になっています。
- 受験料:約2~5万円
- 入学金:約20~50万円
- 施設使用料:約20~50万円
- 授業料:約100~300万円
- 教材費:約20~50万円
この他にもスクールバス代(数万円〜数十万円)、保護者会費(約10万円)、寄付金などのインターナショナルスクールならではの雑費もかかります。そのため入学要項をしっかりと確認する必要があります。
公立校や私立校との学費の比較
日本の公立校や私立校に通わせるのに比べて、インターナショナルスクールの学費にはどのくらいの違いがあるのでしょうか?
小学校(公立) | 小学校(私立) | 小学校(インターナショナルスクール) | 中学校(公立) | 中学校(私立) | 中学校(インターナショナルスクール) | |
学費総額(年間) | 約30万円 | 約150万円 | 約200万円 | 約48万円 | 約130万円 | 約200万円 |
上記を見てもらうと分かるように、インターナショナルスクールは小学校、中学校とも日本の学校の学費を超えています。日本の一般的な学校に通わせるのと比べると、インターナショナルスクールの学費は高価であるといえるでしょう。
学費の無償化制度はあるの?
いままでインターナショナルスクールの学費は高いということを何度も言ってきました。子どもをインターナショナルスクールに通わせたいけど学費の面で通わせることができないという親も多いのではないでしょうか?実は、場合によっては学費補助がつく場合があります。
プリスクールは補助金給付の対象?
2019年からプリスクールに通う生徒に対して補助金を給付するという制度ができました。ただ、利用するには一定の条件が必要です。
- 通うプリスクールが認可外保育施設に該当している場合
- 共働きやシングルマザーなどの保育が必要であると認められる場合
上記に該当していれば月に3万7000円、年間にすると44万4000円の給付金がもらえます。
インターナショナルスクールに通うと国際感覚や、高レベルの教育が受けられます。しかし高額な学費が必要であったり、日本の大学に進学しずらくなってしまいます。こうしたデメリットも踏まえつつスクール選びをするのがいいでしょう。