「自分の子どもをインターナショナルスクールに通わせたい!」「英語力や国際感覚を身につけてほしい!」と考える方は現在増加傾向にあります。しかし、インターナショナルスクールの学費が高額なため、入学への一歩が踏み出せない方も多いと思います。そうした中で頼りになるのが、国からの補助金や助成金です。今回はインターナショナルスクールにも補助金や助成金は出るのか解説していきます。
そもそもインターナショナルスクールとはどんなところ?

インターナショナルスクールとはもともと、両親の都合などで日本に住む外国籍の子どもたちを対象に作られたスクールです。ですが、最近では日本国籍の純日本人でも入学できるスクールが増えてきています。
英語や国際感覚、多角的な視点を学ぶことができるとして、最近では日本人だけど子どもを通わせたいと考える親も増えてきています。
インターナショナルスクールの特徴を3つ挙げます。
- 授業を含めた日常生活がすべて英語で行われる
- 小学校1年生から高校3年生まである
- 入学時期が9月のスクールも多い
詳しい特徴も過去の記事で解説しているのでそちらも併せてご覧ください。
学費はいくら?

インターナショナルスクールの大きな特徴の一つとして学費が高額というものが挙げられます。
では、インターナショナルスクールにかかる学費の相場はいくらなのでしょうか?
学費の相場
一般的にインターナショナルスクールにかかる学費の相場は150〜300万円と高額です。
小学校・中学校・高校のインターナショナルスクールと日本の公立・私立学校の年間にかかる学費の総額を比べてみます。
小学校(公立) | 小学校(私立) | 小学校(インター) | |
学費総額(年間) | 約30万円 | 約150万円 | 約200万円 |
小学校では私立校がインターナショナルスクールの約1.5倍程度。公立校に至っては約7倍近くの差があります。
中学校(公立) | 中学校(私立) | 中学校(インター) | |
学費総額(年間) | 約48万円 | 約130万円 | 約200万円 |
中学校も私立校がインターナショナルスクールの約1.5倍。公立校と比べると約4倍の差があります。
高校(公立) | 高校(私立) | 高校(インター) | |
学費総額(年間) | 約46万円 | 約105万円 | 約200万円 |
高校では私立校がインターナショナルスクールの約2倍。公立校は中学校とあまり大差がなく、約4倍の差があります。
インターナショナルスクールは小学校・中学校・高校共に約200万円で、日本の公立校、私立校と比べても学費が高額なのが一目瞭然です。一般的な日本の学校に入学するよりインターに入学させる方が費用がかかるでしょう。
では高額な学費は一体どのような内訳で使われているでしょうか?
学費の内訳
インターナショナルスクールの学費の内訳は日本の学校とあまり大差ありません。
内訳 | 目安の金額 |
---|---|
志願料 | 2〜5万円 |
入学金 | 30〜50万円 |
授業料 | 100〜300万円 |
施設使用料 | 20〜50万円 |
教材費 | 20〜50万円 |
その他 | 10〜20万円 |
その他にはスクールバス代、ランチ代、保護者会費などがかかります。
他にもインターナショナルスクールでは海外へ行く機会があり、その際にかかる渡航費も決して安くはありません。また学校で行われるイベント費などもかかるため、入学を検討する際は入学要項をしっかりと読み、どの程度お金がかかるかあらかじめ把握しておきましょう。
学費が高い理由

インターナショナルスクールの学費が高い要因は3つ考えられます。
- 国の補助を受けることができない
- 優秀な人材の確保
- 少人数制の授業
一つずつ解説していきます。
国の補助を受けることができない
インターナショナルスクールには学校教育法第一条に規定されている「一条校」に認められていないケースが多いです。
そうなると、国内の制度上の学校ではなくなってしまうため、自治体からの助成金が出ません。
国立や公立、私立学校は一般的に「一条校」であるため補助金や助成金が国から出されます。しかしインターナショナルスクールはそれらのお金が出ないため、保護者が全ての費用を賄わなければいけなくなり、学費が高くなるのです。
優秀な人材の確保
インターナショナルスクールでは質の高い教育を提供しています。そのため、ネイティブスピーカーや海外経験のあるレベルの高い人材を求めているため、採用コストも高くなってしまいます。
また、海外在住の方に日本で働いてもらう場合、移住費や渡航費などの費用も必要になります。
そうした費用がかかるため、学費が高くなるのです。
少人数制の授業
インターナショナルスクールでは15〜25名前後で1クラス構成されています。日本の学校では30〜40人前後が一般的で、それと比べると約2倍近くの差があります。
少人数制のクラスということは、先生の人数も必要になってきます。確かに、生徒一人ひとりの管理がしやすく、生徒との距離を縮めることができるメリットもあります。しかし、教員の数が必要になるということはその分学費も高くなってしまうのです。
補助金などはあるの?

では、インターナショナルスクールには国からの補助金は出るのでしょうか?
上記でも述べた通り、国が規定する「一条校」に認められていないスクールの場合、自治体からの助成金は出ません。
しかしインターナショナルスクールにも「高校授業料無償化・就学支援金支給制度」は適応される場合があります。(高校のみ)
「高校授業料無償化・就学支援金支給制度」とは公立高等学校の授業料を無償化し、私立高等学校などには修学支援金を支給して授業料を減額させるという制度です。
詳しくは文部科学省の出しているこちらの記事をどうぞ
この制度では世帯収入があまり多くない家庭でも、学びたい意欲があるという家庭を対象にしています。世帯収入が一定の基準を満たしていない場合この制度は受けられません。
年収 | 給付額(年間) |
---|---|
250万円未満 | 297,000円 |
350万円未満 | 237,600円 |
590万円未満 | 178,200円 |
910万円未満 | 118,800円 |
世帯年収によって給付される額は変わりますが、給付金があれば、一般のご家庭でもインターナショナルスクールへの入学も検討できるのではないでしょうか?
また、スクールによっては、経済的に困難な状況にある生徒を対象に奨学金を支給しているところもあります。入学を検討するスクールはそう言った奨学金に関してどういう扱いになっているのか、よく調べておきましょう。
プリスクールには補助金がある?
プリスクールとは、幼稚園や保育園のように保育をするインターナショナルスクールです。
2019年10月から「幼児教育・保育の無償化」制度が始まりました。この制度によって条件を満たしている家庭では、年間で444,000円が支給されます。
条件を満たした家庭のお子さんが3~5歳児の場合は月額37,000円(所得上限なし)の補助金、住民税非課税世帯の0~2歳児のお子さんがいる場合は、月額42,000円(所得上限あり)の補助金が給付されます。
詳しい条件に関しては過去の記事をご覧ください
まとめ

プリスクールや高校でないと給付金を受け取ることができません。ではどのようにすればお金をかけずに済むか、最後に3点だけまとめます。
- 一条校に認定されているスクールに通う
- 都市部から離れたスクールに通う
- オンラインインターナショナルスクールを活用してみる
一条校に認定されていれば、自治体からの助成金が出て比較的学費が安く済みます。また一般的に都市部よりも地方のスクールの方が学費が安いです。オンラインスクールも安く通えます。日中は公立校に通わせながら、適宜オンラインを使用するという方法でも学ぶことはできるでしょう。
国からの給付金を使用できる方は是非活用してみてください。