ハロウインターナショナルスクール安比(岩手)を解説!

こんな人向けの記事です
  • ハロウ安比って名前は聞くけど、年間1000万円って本当にそんなにかかるの?
  • 全寮制ってどういう生活なの?岩手の山の中に子どもを預けて大丈夫なの?

「ハロウスクールって英国の超名門校でしょ?日本のハロウって本家と同じクオリティなの?」 「奨学金があるって聞いたけど、どのくらいの金額でどんな条件なの?」

こういった疑問を持っている方に向けて、今回はハロウインターナショナルスクール安比ジャパン(Harrow International School Appi Japan、通称ハロウ安比)を徹底解説します。

ハロウ安比は2022年8月、岩手県八幡平市の安比高原に開校した全寮制インターナショナルスクールです。1572年にエリザベス1世の勅許を受けて設立された英国ハロウスクールのブランドを冠し、アジアでは初の「ハロウインターナショナルスクール」として日本に誕生しました。学費は年間授業料だけで約850〜930万円と、国内インターでも最上位に位置する価格帯。それでも世界中から生徒が集まるのには、それだけの理由があります。

この記事では、ハロウ安比の学費の実態・全寮制の生活・英国式ケンブリッジカリキュラムの内容・毎学期70以上の課外活動・2024年に始まったAレベルプログラム・奨学金制度・保護者の声・ラグビースクールジャパンなど他の全寮制インターとの比較まで、すべてまとめました。


ハロウインターナショナルスクール安比ってどんな学校?

ハロウ安比を理解するうえで最初に押さえておきたいのが、「ハロウスクール(Harrow School)とは何か」という背景です。

ハロウスクールは1572年、英国ロンドンのハロウ・オン・ザ・ヒルに設立された男子全寮制のパブリックスクールです。450年以上の歴史を持ち、ウィンストン・チャーチルを含む8人の英国首相を輩出。イートン・カレッジなどとともに「ザ・ナイン(The Nine)」と呼ばれる最高ランクの9校のひとつに数えられています。ハロウ安比はそのハロウスクールのブランドと教育哲学を継承するAISL(Asia International School Limited)が運営する海外校であり、アジアで初、日本で唯一のハロウインターナショナルスクールです。

こうした背景を踏まえると、ハロウ安比が持つ「英国名門校の伝統を日本の大自然の中で受ける」という価値提案が鮮明になります。

基本情報まとめ

項目内容
正式名称Harrow International School Appi Japan(ハロウインターナショナルスクール安比ジャパン)
所在地岩手県八幡平市安比高原(安比高原スキーリゾート内)
開校2022年8月29日
対象Year 7〜Year 13(11歳〜18歳)
収容定員最大920名
寮制100%全寮制
カリキュラム英国式ケンブリッジカリキュラム(IGCSE→Aレベル)
認定AISL(Asia International School Limited)グループ
運営株式会社岩手ホテルアンドリゾートとの連携
公式サイトhttps://www.harrowappi.jp

学費はいくら?年間費用の全体像と奨学金制度

ハロウ安比の学費は、国内のインターナショナルスクールの中でも最上位に位置します。正直に書きます。年間の授業料だけで見ると、Year 7〜8が849万円、Year 9〜11が882万円、Year 12〜13(シックス・フォーム)が927万円です(2022/23年度の公開情報)。これに加えて寮費が別途かかるため、年間トータルでは約1,000万円前後という水準になります。

入学時にかかる初期費用として、入学検定料22,000円(返金不可)・入学金772,000円(返金不可)・入学保証金425,000円(卒業時に全額返金)が必要です。日本人・日本在住者の手付金は44万円、留学生(海外在住)の手付金は88万円と区別されています。

費用に含まれるもの・含まれないもの

年間授業料には「平常授業の学費全て(教科書・授業関連教材を含む)」が含まれています。さらに、スキーや山岳活動の個人用の保険・日本での学生ビザ取得費用と外国人生徒へのビザ申請サポートも含まれます。バス・制服・文房具などの個人用品は別途費用が発生します。

奨学金制度:Aレベル2年間全額(約2,000万円相当)が毎年複数名に

ハロウ安比には強力な奨学金制度があります。AISLハロウ奨学金は、シックス・フォーム(Year 12〜13)のAレベルコース2年間の授業料・寮費・受験料を全額負担する制度です。2024年度は9名の奨学生が選ばれており、2年間の総額で計算すると1人あたり約2,000万円相当になります。1,300名以上の応募の中から選考されるため競争率は高いですが、「学費が壁になって諦めていた優秀な生徒」への扉を開く制度として評価されています。

また、IGCSEの成績が優秀な在校生向けのアカデミック奨学金制度も設けられており、入学後の頑張りによっても学費サポートを受ける道が用意されています。


カリキュラムの特徴──英国式一貫教育とケンブリッジ資格の構造

ハロウ安比のカリキュラムは英国のナショナルカリキュラムをベースに、ケンブリッジ国際認定の体系に沿って設計されています。Year 7からスタートし、Year 11でIGCSE(国際中等教育修了証書)、Year 13でAレベル(A-Level、英国大学入学資格)の修了を目指す一貫した構造です。

この構造が重要なのは、IBとは別の「英国式の世界標準資格」という出口が用意されているからです。Aレベルはオックスフォード・ケンブリッジ・ハーバードをはじめとする世界のトップ大学が入学基準として採用しており、特に英国・欧州・オーストラリアの大学進学に強い資格です。IBとAレベルは「世界標準の2大資格」ともいわれており、どちらを選ぶかで進学先の幅が変わります。

カリキュラムの構成を各学年段階で見ていきましょう。

プレップ段階(Year 7〜9):基礎と探究の3年間

Year 7〜9は「プレップステージ」と位置づけられ、英語・数学・理科・人文科学・言語・芸術・体育といった幅広い教科を英語で学びます。ハロウ安比独自の特徴として、日本語や日本文化を取り入れた学習内容が組み込まれている点があります。安比高原という「日本の大自然の中の学校」という立地を活かした環境教育も、この段階から展開されます。

授業外には個別化されたアカデミックサポートが提供されており、特に英語と数学については低学年の生徒が追加サポートを受けられる体制があります。デジタル教育も積極的に取り入れており、保護者は世界中どこからでも教師とデジタル保護者面談を実施できます。

シニアステージ(Year 10〜11):IGCSEへの2年間

Year 10〜11ではIGCSEコースに移行します。IGCSEはケンブリッジ大学の評価機関が管理する国際標準の資格で、世界160カ国以上の大学・機関に認められています。複数の教科でIGCSEを取得することで、大学進学の幅が一気に広がります。

この段階でIGCSEの成績が優秀な生徒は、アカデミック奨学金の対象にもなります。「やればやるほど報われる仕組み」が在校中に機能しているのは、生徒のモチベーション維持にとって重要です。

シックス・フォーム(Year 12〜13):2024年開始のAレベルコース

2024年秋に新たに開始された「シックス・フォーム」は、ハロウ安比の進化を示す最重要トピックです。Year 12〜13の2年間でAレベルを履修するこのコースにより、ハロウ安比は「中等教育だけ提供する学校」から「英国式の大学前教育まで一貫して提供できる学校」へと成長しました。卒業生はオックスフォード・ケンブリッジ・ハーバードなどの海外難関大学への出願資格を得ることができます。


課外活動の充実──毎学期70以上のプログラムと安比の大自然

ハロウ安比を語るうえで欠かせないのが、課外活動の圧倒的な充実度です。毎学期提供されるプログラムは70以上。ハロウスクール本体が「全人教育」を重視し、「学力だけでなく冒険心・リーダーシップ・チームワーク」を育てるという教育哲学が、ここに色濃く反映されています。

安比高原というロケーションが課外活動に与えるインパクトは他のインターとは比べ物になりません。国内最大級のスキーリゾート・36ホールのゴルフ場・18面のテニスコートがキャンパスと連結しており、これらが正規の課外活動プログラムとして利用可能です。

スポーツプログラム:競技レベルの環境が日常に

スキー・スノーボード・ゴルフ・テニス・マウンテンバイク・サッカー・ラグビーなど幅広いスポーツが選択できます。競技レベルのトレーニングに加えてハウス対抗戦や学校代表チームの活動もあり、スポーツを通じてリーダーシップと協調性を養います。

「スキーが正規カリキュラムの一部」というのはハロウ安比が持つ最も強烈な個性のひとつで、都市部のインターでは絶対に得られない体験です。冬は毎日のように学校のすぐ外のゲレンデで滑ることができます。

自然を活かした学習:天文学・ホタル観察・山岳活動

全寮制の学校だから実現できる「夜の学習」も特徴的です。天文学の授業では満天の星空の下で本物の夜空を見ながら学ぶことを想定しており、生物学の授業では夜の川辺でホタルを観察するプログラムが組まれています。安比高原の光害のない星空と豊かな自然が、授業そのものの教材になっているという体験は、都市部のインターには代替不可能な価値です。


最新トピック:2024年シックス・フォーム開始と奨学金倍増

2024年秋:シックス・フォーム(Aレベルコース)開始

ハロウ安比が2024年に踏み出した最大の一歩が、シックス・フォームの開設です。2022年の開校時にはYear 7〜9のみの受け入れでしたが、段階的に学年を拡大し、2024年についにAレベルまで提供できる体制が整いました。これによりハロウ安比は「入学から大学進学準備まで完結できる学校」として、海外名門大学を目指す生徒を真剣に支援できる段階に入りました。

AISLハロウ奨学金:2024年度は例年の2倍の9名が選出

2024年のAISLハロウ奨学金では、例年の倍にあたる9名の奨学生が選ばれました。1,300名超の応募の中から選ばれた9名は、ハロウ安比を含むAISLグループの各校でAレベルの学費・寮費・受験料の全額(2年間で約2,000万円相当)を受け取ります。「奨学生の数を倍にする」という意思決定は、AISL全体がハロウ教育の門戸を広げようとしている姿勢の表れです。


口コミ・評判──保護者や卒業生の声から見えるリアル

開校から3年程度のため、長期的な口コミはまだ蓄積中ですが、保護者や見学者・教育ジャーナリストの声から見えるハロウ安比のリアルな評価を整理します。

ポジティブな声

「環境が別格」という声は圧倒的です。スキーリゾートの中の全寮制学校という非日常的な環境で、子どもが「24時間英語と大自然の中にいる」という集中環境はどこのインターにも代替できないという評価が多く聞かれます。

「教育哲学の一貫性が高い」という声もあります。ハロウスクール本体の「冒険心・リーダーシップ・全人教育」という哲学が、安比でも課外活動を通じてしっかり実践されているという印象を、見学会参加者から聞くことができます。毎学期70以上という課外活動の数は、「学業だけのインター」ではないハロウのアイデンティティを体現しています。

「英国式Aレベルという資格の強さ」を選んだ理由として挙げる保護者もいます。IBではなくAレベルという英国式資格を日本で取れる学校は極めて少なく、英国・欧州・オーストラリアの大学を狙う家庭にとってはハロウ安比は現実的に数少ない選択肢のひとつです。

慎重に見る声もある

「年間学費が約1,000万円という水準はやはり多くの家庭には現実的ではない」という声は正直なところです。どれだけ教育内容が優れていても、経済的なハードルが最初の壁になります。奨学金制度が整備されてきているとはいえ、一般家庭が気軽に検討できる学校ではないという現実があります。

「岩手の山中という立地が保護者にとって心理的なハードルになる」という声もあります。子どもを東京や大阪から遠く離れた山の中の全寮制学校に預けるという選択には、日本の保護者文化との摩擦がある部分もあります。「面会や緊急時の対応がどうなるか」という点を懸念する保護者の声は複数見られます。


編集部の一言:ハロウ安比は「日本で英国式教育を極める、覚悟ある家庭のためのボーディングスクール」

ハロウ安比をほかの日本のインターと同じ基準で比較するのは適切ではありません。通学制のインターとは根本的に異なる「全寮制ボーディングスクール」という形態は、「学校に通わせる」のではなく「学校で育てる」という発想の転換を求めます。

競合校として比較されやすい関東・東北エリアの全寮制インターとしては、茨城のラグビースクールジャパン(Rugby School Japan)があります。どちらも英国系・全寮制・大自然の中というコンセプトは共通していますが、ハロウ安比が450年の名門ハロウスクールの直系ブランドを持ち、Aレベル(ケンブリッジ式)という英国式資格に特化している点が明確な差別化軸です。

「英国のトップ大学やオックスブリッジを本気で狙いたい」「子どもに英国式教育の本物を経験させたい」「全寮制の自立環境でリーダーシップを育てたい」という3つの条件が重なる家庭にとって、日本国内でハロウ安比の代替となる学校は事実上存在しません。


おわりに

今回はハロウインターナショナルスクール安比(岩手)について、学費の実態・全寮制の生活・英国式ケンブリッジカリキュラムの構造・毎学期70以上の課外活動・2024年開始のAレベルプログラム・AISLハロウ奨学金・保護者の声・他校との比較まで一気にまとめました。

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皆さんのスクール選びの参考になれば幸いです!