「入学するのにどっちが難しいの?うちの子は日本国籍だけど入れるの?」「カリキュラムや取れる資格に違いがあるなら、どっちを選ぶべきか知りたい」
インターナショナルスクールを検討し始めると、日本国内の学校だけじゃなくて海外のインターも気になってくるのは自然な流れですよね。でも調べると情報が多すぎて、結局どっちが何がいいのかわからなくなる、というパターンもあるあるです。
この記事では、日本のインターと海外のインターを学費・カリキュラム・入学資格・進路という4つの軸で比較していきます。
まず整理しよう、日本のインターと海外のインターって何が違うの?

日本のインターと海外のインターを比較しようとしたとき、そもそも何を比べているのかをきちんと整理しておかないと話がぐちゃぐちゃになります。日本のインターというのは、日本国内にあるインターナショナルスクールのことです。英語で授業を行い、外国のカリキュラムを採用している学校ですが、物理的には日本にある学校です。一方で海外のインターとは、文字通り海外に存在するインターナショナルスクールで、シンガポール・タイ・マレーシア・アメリカ・イギリスなど、親が赴任や移住する先の国で子どもを通わせる学校のことを指すのが一般的です。
この2つは、同じインターナショナルスクールという名前がついていますが、置かれている環境がまったく異なります。日本のインターに通う場合、子どもは学校では英語漬けでも、家に帰れば日本語の生活です。海外のインターに通う場合は、学校でも家の外でも現地の言語や英語に囲まれた生活が続きます。この言語環境の違いは、英語の習得速度にも、日本語力の維持にも大きく影響してきます。どちらがいいという話ではなく、子どもを取り巻く環境全体がセットで変わるという点を最初に理解しておくことが大切です。
日本のインターが増えている背景
近年、日本国内でインターナショナルスクールが急増しています。2019年ごろから毎年新しいインターが開校しており、プリスクールと呼ばれる未就学児向けの英語保育施設まで含めると全国で500校を超えるとも言われています。背景にあるのは、グローバル教育への保護者のニーズ上昇と、子どもに英語環境を与えたいという意識の高まりです。かつては帰国子女や外国籍の子どもがメインだった日本のインターも、今では純粋な日本人家庭が子どもを通わせるケースが増えており、学校の性質も多様化しています。海外のインターが気になっているという保護者も、まず日本国内に同等の選択肢がないかを確認しておくことは十分に意味があります。
一方で、海外のインターは日本のインターよりも歴史が長く、外交官や多国籍企業の駐在員ファミリーが世界中を移動しながら子どもに一貫した教育を受けさせるために発展してきた仕組みです。シンガポールやマレーシアのように教育水準が高く、かつ英語が通じる環境の国では、日本人ファミリーが積極的に海外インターを選ぶケースも増えています。
学費はどっちが高い?数字で見る現実

インターナショナルスクールを検討するとき、真っ先に気になるのが学費ですよね。結論から言うと、日本のインターの学費は決して安くありません。国内インターの授業料は年間150万円〜300万円が一般的な相場で、これに入学金(20万〜50万円)、施設使用料、教材費、スクールバス代などが加わると、年間トータルで250万〜400万円になるケースが多いです。小学校から高校まで12年間通わせた場合の総額は、3,000万〜4,800万円規模になる計算で、これは日本の公立校に通わせた場合の総額(約500万円)と比較すると6〜10倍近い差になります。
では海外のインターはどうかというと、国と都市によって幅が非常に大きいです。シンガポールの有名インターは年間300万〜500万円規模で、日本のインターより高いケースもあります。一方でタイやマレーシアの中堅インターなら年間80万〜150万円で通えるところも珍しくなく、日本のインターより大幅に安い場合もあります。つまり、海外インターが一概に高いわけでも安いわけでもなく、国・都市・学校の格によって相当ばらつきがあるというのが実情です。
見落としがちな、日本のインターの隠れコスト
日本のインターで注意が必要なのが、授業料以外にかかるコストの多さです。学校によっては年度初めに数十万円単位の寄付金を求められるケースがあり、保護者のイベント参加費や制服代(制服がある学校の場合)、海外への修学旅行費なども別途かかります。また、インターの保護者コミュニティは高所得者層が多いため、子どものお誕生日パーティーや保護者同士の交際費が想定外にかさむという声もリアルにあります。学費の公式数字だけ見て判断すると、実際にかかる総費用を過小評価しがちです。
海外インターの場合、学費以外に現地の家賃・生活費・日本語補習校の費用などが加わります。特に物価の高いシンガポールや香港で生活する場合は、子どもの教育費だけで家計が圧迫される前に、生活費全体をシミュレーションしておく必要があります。会社からの駐在員手当や学費補助が出る家庭は比較的余裕がありますが、自己負担で海外移住を選ぶ場合は相当の資金計画が必要です。
カリキュラムの違いを知っておくと学校選びが変わる

日本のインターと海外のインターのカリキュラムを比べると、実は採用されているプログラム自体には大きな差はないことがわかります。IB(国際バカロレア)、ケンブリッジ式(IGCSE・Aレベル)、アメリカ式(AP・コモンコア)といった国際的なカリキュラムは、日本のインターでも海外のインターでも同じものが使われています。IBディプロマプログラムを例にとると、日本のIB認定校で取得しても、シンガポールのIB認定校で取得しても、資格としての価値はまったく同じです。
ただし、カリキュラムの中身が同じでも、実際の教育環境には大きな違いがあります。日本のインターでは、教員の質や教材の充実度に学校間でかなりのばらつきがあります。特に日本では上級レベルのAレベルやIBDPを教えられる外国人教員の確保が難しく、質の高いカリキュラムを安定的に提供できている学校とそうでない学校の差が開いています。一方、海外の老舗インターには世界中から優秀な教員が集まりやすく、カリキュラムの実施水準が安定している傾向があります。
言語環境がカリキュラムの効果に直結する
カリキュラムと切り離せないのが、言語環境の問題です。日本のインターでどれだけ英語漬けの授業を受けても、放課後は日本語の生活に戻ります。これは日本語力を維持できるメリットである反面、英語のインプット量が海外インターに通う子どもと比べると圧倒的に少なくなるというデメリットでもあります。海外のインターでは、学校の授業だけでなく、放課後に友達と遊ぶときも、買い物に行くときも、英語または現地語が飛び交う環境があります。この24時間の言語環境の差が、数年単位で英語力に差をつけることがあります。
ただし、日本語の維持という観点では日本のインターの方が圧倒的に有利です。海外インターに通う子どもが日本語力を維持するためには、家庭での日本語教育や日本語補習校への通学が別途必要になります。子どもの将来的な生活拠点をどこに置くか、日本に戻る可能性がどのくらいあるかによって、どちらの言語環境を選ぶべきかが変わってきます。
📋 日本のインターと海外のインター、違いを整理するチェックリスト
- 学費は日本のインターで年間250〜400万円(総額)が目安、海外は国によって80万〜500万円と幅が大きい
- 採用カリキュラム(IB・ケンブリッジ・AP)は日本も海外も同じものが使われる
- 日本のインターは放課後が日本語生活、海外インターは24時間英語・現地語環境
- 日本語力の維持は日本のインターの方が圧倒的に有利
- 教員の質と安定性は海外の老舗インターの方が高い傾向がある
- 入学資格の条件は、日本の一部インターは日本国籍だけでは制限があるケースも
- 海外インターは生活費・移住コストが別途発生する
入学資格の違い、日本国籍だとどうなる?

インターナショナルスクールへの入学資格は、学校によって大きく異なります。まず日本国内のインターから見てみると、学校は大きく3タイプに分かれます。英語圏の国が自国民のために設立した学校(アメリカンスクール・ブリティッシュスクールなど)では、入学資格が外国籍または帰国子女に限られており、日本国籍のみの子どもが入学するのは非常に難しいケースがあります。一方、日本人家庭の英語教育ニーズに応えるために設立された比較的新しいインターでは、英語力の基準を満たせば日本国籍でも入学できる学校が多く、こちらは日本人が通う選択肢として現実的です。
海外のインターは、基本的にどの国籍の子どもでも英語力と学費の支払い能力があれば入学できる学校がほとんどです。国籍による制限は海外インターの方が緩やかなことが多く、その意味では日本国籍の子どもに対してフラットな入学機会があるといえます。ただし人気校は競争率が高く、特にシンガポールや香港の有名インターはウェイティングリストが数年単位になるケースもあります。早めに動くことが鉄則です。
英語力の基準はどちらが厳しい?
入学時に求められる英語力の基準も、日本のインターと海外のインターで違いがあります。日本の老舗インターの場合、英語が家庭内言語として使われていることを条件にしている学校もあり、英語力ゼロの状態での入学は事実上難しいケースが多いです。新興のインターはESLやEALと呼ばれる英語補習クラスを設けており、英語力が不十分な状態でも入学できる学校も増えています。入学前にその学校がどのサポート体制を持っているかを確認することが重要です。
海外のインターも同様に、学校によってESLサポートの充実度は異なります。子どもが小さいほど言語の吸収が早く、3〜6歳での入学なら英語ゼロでも1〜2年で日常会話をこなせるようになるケースが多いです。一方で10代での転入は言語の壁が厚くなるため、より丁寧なサポートが必要です。子どもの年齢と現在の英語力を正直に評価したうえで、無理のない入学タイミングを選ぶことが大切です。
進路の違いが一番大事かもしれない

学費やカリキュラムの違いを踏まえたうえで、最終的に一番大事なのは進路の話です。日本のインターに通った場合と海外のインターに通った場合で、卒業後の進路の選択肢がどう変わるかを整理しておきましょう。
日本のインターを卒業した場合、進路は主に3パターンに分かれます。海外の大学に進学するルート、日本国内でIB入試枠などを使って大学に進学するルート、そして高卒認定試験を経て日本の一般大学を受験するルートです。IBディプロマを取得していれば早慶・ICU・上智などへのIB入試ルートが開かれており、日本に残る選択肢がある程度確保されています。ただし学校が一条校でない場合は、日本の高校卒業資格が自動的には付与されない点に注意が必要で、この制度的な問題を事前に把握しておくことが重要です。
海外インター卒業後に日本に戻る場合のリアル
海外のインターを卒業して日本に戻り、日本の大学を受験するという選択をする家庭は一定数います。IBディプロマを取得していれば日本の大学入学資格は認められており、早慶などのIB入試枠への出願も可能です。ただし海外インターに長年通った子どもは、日本語の読み書き能力が弱い場合が多く、日本語での小論文や面接に苦労するケースもあります。海外インターに通わせながら日本の大学も選択肢として残しておきたい場合は、日本語補習校への通学や家庭内での日本語教育を意識的に続けることが欠かせません。
海外インターから海外の大学へそのまま進学するルートは、言語環境の連続性という意味では最もスムーズです。IBスコアや標準化テスト(SATやA-Levelなど)を使って世界の大学に出願するルートは、海外インターに長年通った子どもにとって最も自然な流れです。ただし世界の名門校への合格競争は年々激しくなっており、IBスコアだけでなく課外活動の実績や推薦状、エッセイの質など総合的な評価が求められます。インター卒業後の進路を明確にイメージして、逆算して学校選びをすることが、遠回りをしないための一番の近道です。




