「先生はどこまで子どもの力を見てくれてるの?」「海外式の評価方法って、日本の成績とどう違うの?」
こんな疑問を持っている保護者の方、多いですよね。
インターナショナルスクールに通うと、勉強や評価の仕組みがこれまでとまったく違うことに驚くことがあります。
そこで登場するのがCLA(Curriculum Learning Assessment:学習成果評価)という考え方。
少し難しそうに聞こえますが、ひとことで言えば「子どもがどんな力をどんな過程で身につけたのか」を丁寧に見ていく仕組みのことです。
この記事では、インターナショナルスクールに通う・通わせたい保護者が知っておきたいCLAの基本と、学校でどのように使われているのかをお伝えします。
インターナショナルスクールにおけるCLAとは何か

インターナショナルスクールでは、「テストの点数」だけでは子どもの学びを評価しません。
成績の代わりに重視されているのがCLA。英語ではCurriculum Learning Assessmentと呼ばれ、直訳すると「学習課程の評価」という意味になります。
このCLAの目的は、子どもが「何を知っているか」ではなく、「どう考え、どう学んでいるか」を把握すること。つまり、結果よりもプロセスを大切にする考え方です。
たとえば、英語のスピーチ課題でうまく話せなかったとしても、リサーチの過程で自分の意見を整理し、言葉を選び、最後までやりきった姿勢があれば、その努力はきちんと評価されます。
子どもたちは、学ぶ過程の中で自分の力で成長することを求められます。
先生はその変化を観察し、日常のやりとりの中でメモを取り、ポートフォリオ(成果記録)としてまとめていきます。
こうして可視化されたデータが、学期末のCLAレポートに反映されるのです。
CLAの基本的な評価ポイント
・知識の理解度よりも「思考の深さ」
・テストではなく「探究・議論・発表」などの過程
・他者との協働や自己表現も評価対象
・単なる結果ではなく「成長の軌跡」を重視
このように、CLAは「学ぶことそのものが評価になる」という仕組みなんです。
日本の成績評価との違い

インターナショナルスクールのCLAを理解する上で、多くの保護者がつまずくのが日本の評価との違い。
日本の学校では、点数や偏差値が明確に示されるため、保護者も子どもの学力を数値で把握しやすいですよね。
一方で、インター校では「テストで100点」よりも、「問題をどう解くか」「自分の考えをどう説明するか」といった部分が重視されます。
日本では「正しい答えを出せる子」が評価されやすいですが、CLAでは「自分の考えを持ち、それを根拠づけられる子」が高く評価されます。
これは単なる文化の違いではなく、教育理念そのものの違いです。
インターナショナルスクールの教育では、子どもを「世界の一員」として育てることを大切にしています。
つまり、将来どんな国に行っても、自分の考えを持ち、他者と協働して課題を解決できる力。
CLAは、その土台を評価するためのツールなんです。
CLAが重視する4つの視点
・探究力:疑問を自ら立てて調べる力
・思考力:情報を整理し、自分の意見を構築する力
・表現力:言葉・プレゼン・文章などで伝える力
・協働性:他者の考えを受け入れながら学ぶ姿勢
点数では測れない部分こそが、これからの社会で求められるスキルだと、インターナショナルスクールは考えています。
CLAレポートで分かる子どもの今

CLAの一番の魅力は、数字に表れにくい「子どもの今の姿」が見えること。
学期末や学年末に配布されるCLAレポートには、先生からの具体的なコメントが丁寧に書かれています。
たとえば、「自分の意見を発言する場面が増えました」「友だちの意見を聞いてから考えをまとめる姿勢が見られます」など。
このレポートは、親にとっても大切なコミュニケーションツールです。
数字だけでは分からなかった成長のプロセスが、言葉で伝わることで、子どもの努力や小さな変化に気づけるようになります。
「こんなことまで見てくれていたんだ」と感じる保護者の方も多いようです。
CLAは、子どもの未来を一緒に見つめる鏡のような存在でもあります。
CLAレポートの見方のポイント
・点数より「コメントの文脈」を読む
・前回からの変化や成長を意識して見る
・子どもと一緒に読んで、感じたことを話し合う
このプロセスが、家庭学習や親子の対話にもつながっていきます。
インターナショナルスクールのCLAが育てる力

CLAは単なる評価方法ではなく、子どもたちが生きる力を育むための仕組みでもあります。
学びの過程を見つめることで、子どもは「やらされる勉強」から「自分で学ぶ」へとシフトしていきます。
その中で、子どもたちの心の中には小さな自信が積み重なっていきます。
たとえば、失敗したときに「次はこうしてみよう」と考えられるようになること。
あるいは、友だちの意見を聞いて「そういう考え方もあるんだ」と受け止められるようになること。
これらすべてが、CLAが見ている「成長の証」です。
そして、こうした力は、国際社会に出たときに最も必要とされる力でもあります。
英語が話せることよりも、自分の考えを持ち、それを相手に伝えられること。
その姿勢を小さいうちから育てていくのが、インターナショナルスクールのCLAの役割なんです。
まとめ

インターナショナルスクールのCLA(学習成果評価)は、テストでは見えない「学びの深さ」を映し出す鏡のようなもの。
点数や順位ではなく、子どもが自分らしく成長していく姿を見つめるための仕組みです。
保護者にとって大切なのは、評価の仕組みを理解することよりも、子どもと一緒に受け止めること。
先生のコメントを読んで、「こんなところが成長してるね」「この部分、頑張ってたよね」と声をかけるだけでも、子どもは安心します。
最近では、日本国内でもCLAのようなプロセス重視の評価を取り入れる学校が増えてきました。
それだけ、世界の教育の潮流が「結果よりも過程」を重んじる方向へと変わっているということ。
インターナショナルスクールのCLAは、単なる教育評価ではなく、
子どもを信じ、学びの旅を一緒に歩むためのものなんです。
それを知っておくだけで、きっと学校との距離がぐっと近くなるはずです。




