インターナショナルスクール進学直後のつまずきを防ぐ春休みにすべき準備とは?

インターナショナルスクール
こんな人向けの記事です
  • 入学後子どもが英語の授業についていけるか正直心配
  • 友達づくり、シャイな性格でも大丈夫かな

「スクールのルールや連絡、英語で読み切れるか不安」「春休みのうちに何をやれば安心してスタートできるのか知りたい」

進学前の春休みは、期待と不安がいちばん揺れるタイミング。インターナショナルスクールは学び方も文化も連絡の流れも、日本の一般的な学校とはけっこう違います。だからこそ、入学式のその日を軽やかに迎えるには、春休みの過ごし方がカギ。ここでは、家庭で無理なく取り入れられる準備を、実例ベースでまとめます。読むだけで「今週やること」が見えて、親も子も肩の力がふっと抜けるはず。

春休みに整えるのは、まず「心」と「暮らし」の土台

新しい環境にスムーズに入るコツは、勉強の先にある日常の安定です。

英語の先取りも大事だけど、実は最初のつまずきは「朝の支度がバタバタ」「学校のルールを知らずに焦る」「緊張でお腹が痛い」みたいな生活面から起きがち。春休みのうちに親子で小さな段取りを共有し、当日の風景を具体的に描けるようにしておくと、子どもの心はぐっと落ち着きます。

ここからは、最初の一歩を軽くするためのメンタル・生活づくりの話を、見ていきます。

不安を言葉にして、安心の「逃げ道」を決めておく

子どもは心配を抱えたまま走り出すと、ちょっとした出来事で心が折れやすいもの。春休みの夜、5分でいいので「学校で不安なことベスト3」を親子で話してみてください。

たとえば「先生が早口だったら」「トイレの場所がわからなかったら」「ランチで何を選べばいいか迷ったら」。出てきた不安には、事前に合図やフレーズを用意しておくと安心です。
たとえば、わからないときの合図は手を胸に当てて目を合わせる、言葉は Could you say that again, please? と決めておく。トイレは May I go to the bathroom? でOK。こうして「困ったときの逃げ道」を決めておくだけで、初日の緊張はだいぶ和らぎます。

家族の生活リズムを「学校時計」に寄せる

進学前はどうしても夜更かし気味になりがち。入学後に朝から英語フルスロットルは、体力的にもメンタル的にも負荷が大きいです。

春休みの最後の2週間は、就寝起床を15分ずつ前倒し。朝食後に10分だけリーディング、登校時間に合わせて家を出る練習も軽くやってみる。服を前夜に並べる、バックパックを玄関に置く、ランチボックスの準備を親子で点検する。こんな小さなルーティンが、当日の慌てん坊を防いでくれます。

英語は「全部」より「入学直後に使うもの」から

インターナショナルスクールの春は、名前呼び・席替え・自己紹介・グループ活動・連絡帳や端末設定…と、会話の出番が多い季節。ここで大事なのは難単語の暗記ではなく、最初の3週間に確実に出番がある「場面フレーズ」を先に身体に入れておくこと。

音と口の準備があるだけで、子どもの顔つきが変わります。続くパートでは、サバイバルフレーズと、短くても効く音読・フォニックスのならし運転をまとめます。

入学3週間で必ず使うサバイバルフレーズ

朝のあいさつ、自己紹介、助けを求める一言、グループに入る合図。ここだけで十分スタートダッシュが切れます。
自己紹介は Hello, my name is ○○. Nice to meet you. I like … と3本セットで。

助けは Could you say that again, please? / I don’t understand. / Can you help me? の鉄板に、トイレの May I go to the bathroom? を添える。

友達への入口は Can I join you? / Let’s sit together. / That’s cool! / Me too!。
春休みは毎晩2分でOK。親が日本語で状況を言って、子どもが英語で一言返すだけ。ゲーム感覚で笑い合えたら、それがいちばんの準備です。

1日15分の音読と、フォニックスのやさしい再点検

英語の筋力は、短時間の反復でつきます。絵本は繰り返し表現が多いもの(Brown Bear… / Spot シリーズなど)を選んで、親が1ページ音読→子どもがエコーの順。

フォニックスはつまずきやすい短母音・長母音、th / r / l など、苦手だけちょっと触れる。完璧を目指さず、口が英語のリズムを思い出す程度で充分。
大事なのは「昨日より少し楽だった」という感覚。春休みのうちに英語のエンジン音を温めておけば、初日の発車がスムーズです。

学びの「場所」と「道具」を春のうちに整える

つまずきの背景には、実は環境要因が多かったりします。音読しづらい騒がしさ、宿題のプリントが迷子になる収納、端末やアプリの設定忘れ。春休みの1日を使って、学びのインフラを小さく作っておくと、進学後の「つまずきの芽」をだいぶ摘めます。次の二つは、どの家庭でもすぐ効く定番です。

家の学習スポットを「10分が続く仕様」にする

特別な学習机がなくても大丈夫。リビングの隅でOKなので、英語時間の定位置を決めましょう。椅子は足裏が床に着く高さに。絵本・ノート・筆記具はワンアクションで取り出せるカゴにまとめる。壁に「今日のフレーズ」を1枚だけ貼る。用意の面倒くささが減ると、子どもは自然と座ります。
さらに、読書灯を1つ足すだけで集中度が上がります。音読は家族の声が届く距離の方が安心。静寂より「安心できる生活音」があるほうが、幼い子には続きやすいです。

端末・アプリ・連絡の英語仕様を軽くリハーサル

多くのインターナショナルスクールでは、連絡がメールやポータル、学習アプリ経由になります。春休み中に保護者用のメールテンプレ(病欠、遅刻、問い合わせ)を英語で3通作って下書き保存。端末はOS言語を英語に、キーボードに英語配列を追加、辞書アプリをホーム1面に。
それから、Wi-Fiとプリンターを軽く点検。宿題のPDFが印刷できないのは想像以上にストレスです。準備は「当たり前のことを当たり前に回す段取り」。ここができると、入学後のミスが激減します。

学校文化とルール、春休み中に「読み方」を身につける

ハンドブックやポリシーは、当日読み込もうとすると挫折しやすいもの。春休みに親がざっと目を通し、子どもに関係が深い項目だけ噛み砕いておくと、当日の混乱がぐっと減ります。次の二つを押さえると、初週の迷いはかなり回避できます。

スクールポリシーは「我が家ルール訳」を作る

遅刻・欠席、デバイスの使い方、ランチ、制服・ドレスコード、図書の貸出、フィールドトリップの同意。ぜんぶを英語で覚える必要はありません。家族ノートに日本語で「我が家ルール版」を作るのがいちばん早い。
たとえば「朝8:10までに登校」「水筒は無地」「端末は宿題以外で使わない」「欠席連絡は7:30までにメール」など。これを玄関に貼るだけで、迷いがひとつ消えます。ルールは守るためにあるより、迷わないためにある。春のうちに「迷いの余白」をつぶしましょう。

連絡は短文英語で十分。テンプレを3本だけ用意

長文メールは不要です。短く丁寧に、必要事項だけ。
病欠連絡なら、Subject: ○○ will be absent today / Body: This is ○○’s parent. ○○ has a fever this morning and will stay home. Thank you for your understanding.
遅刻、持ち物の確認、面談の希望も同じノリで。テンプレを春休みに3本ストック。これだけで保護者の英語不安はだいぶ下がります。

春休みの「小さなトレーニング」で自信を仕込む

英語は机上より現場のほうが定着が速いもの。とはいえ大それたことは不要。週末の外出を英語ミッション化するだけで、入学直後の一歩が変わります。ここではお金も時間もかけずにできる、控えめだけど効く練習を二つ。

近所で「英語デー」を1回だけやってみる

スーパーでのやりとりを英語化。カゴの中身を見ながら What is this? / This is milk. 、レジ前で May I have a bag, please? くらいでもう十分。

外で言えた経験は、教室での自己紹介より効きます。小さな成功を、春休みのうちに1回だけでも作っておく。大事なのは回数よりも「覚えている成功体験」です。

ミニプロジェクト学習で「自分の英語」にする

家で育てている植物、好きなおもちゃ、近所のお店。テーマを1つ決めて、A4に写真と英語1文を貼るだけのミニ研究。This is my cactus. I water it every two days. みたいに短くてOK。

最後に家族の前で30秒プレゼン。これが入学直後のショー&テルの予行演習になります。英語を「テストのため」ではなく「伝えるため」に使う感覚が、ここで芽生えます。

お金と時間と体の準備も、春に「見える化」しておく

見えない不安ほど、つまずきの原因になります。年間の費用と行事、睡眠と栄養、送迎の動線。文章で一度書き出すと、当日の判断が軽くなります。春休みの一夜、家族会議でさらっと共有しておきましょう。

年間行事と費用のざっくり見取り図を作る

入学金や制服、スクールバス、給食・ランチ、課外活動、フィールドトリップ、PTA相当の寄付。ざっくりでいいので、四半期ごとの出費予想をメモに。支払い方法(口座振替・カード)も書いておくと、請求メールが来ても慌てません。行事は学期の切り替え、発表会や運動会、学期末の面談時期だけ把握で十分。予定に余白があると、緊急で宿題が出ても折れません。

睡眠・食事・体調。結局ここがいちばん効く

英語の環境は思った以上に脳の体力を使います。春休みのうちに「睡眠は何時間だと朝ご機嫌か」「朝ごはんは何なら食べやすいか」「水筒はどのサイズが一日もつか」を実験。加えて、花粉やアレルギーがある子は、保健室・担任に渡す英語メモを親が用意しておくと安心。体の安心は、心の安心に直結します。

まとめ

インターナショナルスクールの進学前、春休みにやるべきことは、派手な先取り学習ではありません。
心の逃げ道を用意する。家の暮らしを学校時計に寄せる。入学直後に使う英語だけ先に口に乗せる。家の学びスポットと連絡の段取りを作る。学校文化は「我が家ルール訳」で迷いを減らす。週末にひとつ、小さな実地練習を入れる。お金と時間と体調は「見える化」しておく。


どれも大きくはないけれど、積み重ねると初日の足取りが確実に軽くなります。春休みは、未来の自分にメモを渡す時間。親の不安が少し和らぐと、子どもはその分だけ前を向けます。最初の3週間を笑顔で過ごせたら、あとは学校が子どもを育ててくれる。今日できる小さな準備から、一緒に始めていきましょう。