「日常会話のちょっとしたフレーズを知らないだけで孤立しないかな」
「入学直後に最低限の表現を覚えておけば、子どもが安心できるはず」
インターナショナルスクールに入学したばかりの時期は、子どもにとって期待と不安が入り混じる大きな挑戦です。授業や休み時間もすべて英語で進むため、慣れるまでは「言いたいことが言えない」「わかっているのに伝えられない」と悩む場面も多いでしょう。そんなときに支えになるのが、入学直後から使える簡単な英語フレーズです。長文を話す必要はありません。ほんの一言でも口から出せれば、自信につながり、笑顔で学校生活をスタートできます。
この記事では、子どもがインター入学直後に覚えておくべきフレーズを場面ごとに整理し、親が家庭でサポートできる工夫も合わせて紹介します。
学校生活の基本で使うフレーズ

入学直後にまず必要なのは、学校で日常的に繰り返される「基本の会話」です。挨拶や自己紹介、先生にお願いするときの表現は、子どもが毎日使うものばかり。逆にこれを知らないと、ちょっとした場面で立ち止まってしまい、不安が積み重なります。小さな成功体験を積み重ねるために、まずはこの段階のフレーズをしっかり押さえることが安心につながります。
挨拶や自己紹介で役立つフレーズ
インターナショナルスクールに入った初日、多くの子どもが経験するのが「自己紹介タイム」です。緊張して言葉が出ないと、その場で気持ちが縮こまってしまうことも。だからこそ、最初に出てくる挨拶フレーズは心の武器になります。
- Hello, my name is ○○.(こんにちは、私は○○です)
- Nice to meet you.(会えてうれしいです)
- I am from Japan.(私は日本から来ました)
- I like soccer/drawing/music.(私はサッカー/絵を描くこと/音楽が好きです)
自己紹介で「I like…」を入れると、会話が自然に広がります。たとえば「I like soccer.」と言えば「Me too!」と返してくれる子が必ずいます。共通点をきっかけに友達関係が始まるのは世界共通です。
さらに、これらは親子で練習しやすいフレーズです。朝ごはんのときに「今日の自己紹介はどう言う?」と聞いてあげるだけで、子どもは安心して学校に向かえるでしょう。
先生にお願いするときのフレーズ
先生に何かを頼むときに言葉が出てこないと、子どもは「困っているのに我慢する」ことになります。これが積み重なると学校への苦手意識につながるので、最低限のお願いフレーズは必須です。
- May I go to the bathroom?(トイレに行ってもいいですか?)
- Could you say that again, please?(もう一度言っていただけますか?)
- I don’t understand.(わかりません)
- Can you help me?(手伝ってくれますか?)
「I don’t understand.」は特に大事です。これを言えると、先生は「理解していない」と気づき、ゆっくり話したり、絵やジェスチャーで説明してくれます。言えないと、ただ黙ってしまい、先生には伝わらないのです。
親御さんが家庭でできる工夫としては、わざと英語で話してみて「I don’t understand.」と子どもに返してもらう練習もおすすめです。遊び感覚でできると、自然に身につきます。
友達との会話で役立つフレーズ

インターナショナルスクールでの生活を楽しくする最大のカギは「友達作り」です。入学直後はどうしても緊張してしまい、周りの子が楽しそうに話していても輪に入りにくいもの。でも、短い一言を知っているだけで、その壁は驚くほど低くなります。
友達を誘うときのフレーズ
友達を作るために一番使いやすいのは「一緒にやろう」と誘う表現です。勇気を出して声をかけられるかどうかが、その後の学校生活を大きく左右します。
- Do you want to play together?(一緒に遊ばない?)
- Can I join you?(混ぜてもいい?)
- Let’s sit together.(一緒に座ろう)
- Do you like Pokemon?(ポケモン好き?)
「Can I join you?」は万能フレーズで、遊びだけでなくグループワークの場面でも大活躍します。相手が「Sure!」と笑顔で返してくれるだけで、子どもの安心度はぐんと高まります。
親としては、こうした誘いの言葉を「友達に声をかけられない性格だから…」と諦めず、短い英語の一言を武器にしてあげることが大切です。
相手に答えるときのフレーズ
友達に声をかけられても、返事ができなければ会話は続きません。Yes/Noだけだと距離が縮まりにくいですが、ちょっと感情を乗せた返事を覚えておくと、ぐっと自然な会話になります。
- That’s cool!(いいね!)
- Really?(本当に?)
- Sounds fun!(楽しそう!)
- Me too!(私も!)
これらは短くても会話を広げる効果が絶大です。たとえば「I like Pokemon.」と言われたら、「Me too!」と返すだけで会話が成立します。親子で「質問して返事をする」練習を繰り返しておくと、学校でもすぐに役立ちます。
トラブルや困った場面で使えるフレーズ

どんなに楽しい学校でも、トラブルや困りごとは必ずあります。体調が悪くなることもあれば、友達とちょっとした言い合いになることも。そんなときに「助けを求める言葉」や「気持ちを伝える表現」を知っているだけで、安心感がまるで違います。
困ったときのSOSフレーズ
- I feel sick.(気分が悪いです)
- I lost my pencil.(鉛筆をなくしました)
- I dropped my lunch.(お弁当を落としました)
- Can you call my teacher?(先生を呼んでくれますか?)
特に「I feel sick.」は体調不良を訴える大切なフレーズ。これを言えないと我慢してしまい、後で体調が悪化することもあります。親が事前に「しんどいときはこの一言を言ってね」と伝えておくだけで安心です。
相手に気持ちを伝えるフレーズ
トラブルを回避するには、自分の気持ちをきちんと伝えることも大切です。
- Stop, please.(やめてください)
- I don’t like that.(それは好きじゃない)
- That’s mine.(それは私のです)
短くても、自分を守るための表現はとても重要です。親子でロールプレイしながら練習しておくと、実際の場面でも自然に口から出てきます。
授業や学習でよく使うフレーズ

インターナショナルスクールの授業は、日本の学校と違ってディスカッションや発表の機会が多いのが特徴です。積極的に参加するには、基本のフレーズを知っていることが不可欠です。
授業中の基本フレーズ
- May I answer?(答えてもいいですか?)
- I think…(私は…だと思います)
- In my opinion…(私の意見では…)
- I have a question.(質問があります)
「I think…」はどんな場面でも使える便利な言葉。たとえ文が短くても、自分の考えを言えること自体が評価されます。
グループ活動で使えるフレーズ
- Let’s work together.(一緒にやろう)
- What do you think?(どう思う?)
- I agree.(賛成です)
- I don’t agree.(賛成できません)
グループワークでは「意見を聞く」フレーズが重要です。「What do you think?」を言えるだけで、会話の主導権を握ることができます。
家庭でできるサポート

子どもが学校で覚えるだけでなく、家庭でサポートすることで英語フレーズは定着します。
家庭で実践できる工夫
- 朝の挨拶を英語にする(Good morning!)
- 食事のときに簡単な英語を混ぜる(I like rice!)
- 遊びの中で「貸して」「どうぞ」を英語に置き換える
- 毎日1フレーズを親子で復唱する
親も一緒に学ぶ姿勢を見せると、子どもは安心して「失敗しても大丈夫」と思えます。これは家庭ならではの強みです。
まとめ

インターナショナルスクールに入学した直後の子どもにとって、英語フレーズは「安心して学校生活を始めるための鍵」です。挨拶や自己紹介、友達を誘う言葉、困ったときのSOS、授業での一言。どれも長文ではなく、短くシンプルで十分。
親御さんが家庭で一緒に練習してあげれば、子どもは「英語を話すこと」への抵抗を感じにくくなります。大切なのは完璧な英語ではなく、勇気を出して声に出すこと。入学直後の不安を和らげるために、今日から親子で少しずつ声に出して練習してみてください。