インターナショナルスクールの地震対策は大丈夫?避難訓練・引き渡し・緊急連絡を解説!

こんな人向けの記事です
  • 授業中に大地震が起きたら、子どもはどこへ避難するの?
  • 電車が止まって迎えに行けない場合、学校で預かってもらえる?

「スクールバスに乗っている途中で地震が起きたらどうなる?」

「日本語が分からない家族でも、災害情報を受け取れる?」

日本は地震が多く、インターナショナルスクールを選ぶ際にも、校舎の耐震性や避難訓練が気になる保護者は多いでしょう。

しかし、学校の地震対策は「避難訓練を実施しているか」だけでは判断できません。

大地震が発生すると、鉄道や道路が止まり、保護者が数時間から翌日まで学校へ迎えに行けない可能性があります。電話やインターネットがつながりにくくなり、スクールバスも通常どおり運行できるとは限りません。

そのため確認したいのは、地震が起きた瞬間の行動だけでなく、

  • 子どもをどこで待機させるのか
  • 何日分の水や食料を備蓄しているか
  • 誰に子どもを引き渡すのか
  • 通信が使えない場合にどう判断するのか
  • 校外学習やバス移動中はどう対応するのか

という発災後の運用です。

この記事では、インターナショナルスクールの地震対策を比較する視点と、家庭で準備しておきたいことを解説します。

学校の地震対策を5つに分けて確認する

インターナショナルスクールの防災体制は、次の5つに分けると比較しやすくなります。

確認する対策主な内容
施設の安全耐震性、家具の固定、避難経路
発災直後の行動身の守り方、点呼、負傷者対応
長時間の待機水・食料・毛布・衛生用品の備蓄
保護者への連絡メール、アプリ、Webサイト、災害用伝言
引き渡し迎えに来られる人、本人確認、最終待機場所

校舎が新しいことは安心材料の一つですが、建物が安全でも、引き渡し方法や備蓄が曖昧では十分とはいえません。

反対に、古い校舎であっても、耐震診断や補強、定期訓練、明確な緊急対応計画が整えられている場合があります。

見学時には築年数だけでなく、耐震基準、家具・照明の固定、ガラス飛散防止、避難経路、非常電源などを確認しましょう。

地震が起きた瞬間、子どもはどう行動する?

揺れている最中は、慌てて屋外へ飛び出すのではなく、落下物やガラスから身を守ることが優先されます。

名古屋国際学園では、地震時に身を低くして頭を守り、ガラスや窓、ドアから離れるよう指導しています。体育館では外壁側へ移動するなど、場所に応じた対応も示されています。

一般的な校内の流れは次のとおりです。

  1. 揺れている間は頭と身体を守る
  2. 揺れが収まった後、教職員が周囲を確認する
  3. 必要に応じて避難場所へ移動する
  4. クラス・学年ごとに点呼する
  5. けが人や行方不明者を確認する
  6. 校舎の安全性と周辺状況を判断する
  7. 保護者への情報発信を開始する

「揺れが収まったら校庭へ避難」と一律に決まっているわけではありません。

火災、津波、建物損傷、落下物、周辺道路の混雑などによって、校内待機の方が安全な場合もあります。

The British School in Tokyoでは、建物倒壊や火災などの危険がない限り、児童生徒を校舎内に待機させる方針です。麻布台ヒルズ校では周辺道路の方が危険になる可能性を考慮し、昭和キャンパスでは同地が地域の避難場所となるため、校外や校庭の混雑も想定しています。

つまり、「外へ避難する学校の方が安全」とは限らず、校舎と地域の条件に合った判断基準があるかが重要です。

子どもは保護者が来るまで学校で待機する

大規模地震では、多くの学校が子どもだけを帰宅させず、保護者または事前に認められた大人が迎えに来るまで校内で預かる方針を取ります。

BSTでは、大地震発生時に児童生徒を学校で待機させ、必要であれば一晩または数日間預かるとしています。学校には、食料、水、毛布、衛生用品などを含む約72時間分の備えがあります。

ここで保護者が注意したいのは、地震が起きたらすぐ学校へ走ることが、必ずしも正しいとは限らない点です。

大きな揺れの直後は、次の危険があります。

  • 建物や看板の落下
  • 火災
  • ガラスの飛散
  • 道路の渋滞
  • 帰宅困難者による混雑
  • 余震
  • 鉄道・地下鉄の停止

学校側が子どもの安全を確保している場合、保護者は自分自身の安全を確認し、学校からの指示を待つことが大切です。

実際に東日本大震災を経験した保護者の投稿でも、交通が止まる中、学校が保護者の到着まで子どもを預かり続けた経験が語られています。すぐに迎えへ行けないことへの不安は大きいものの、子どもを単独で帰宅させない運用への安心感も見られます。

引き渡しは「誰でも迎えに行けばよい」わけではない

大地震の混乱時には、子どもを誰へ引き渡すかが重要です。

学校によっては、保護者以外の大人へ引き渡すために、事前登録や災害発生後の書面承認を求めます。

BSTでは、保護者以外の大人へ子どもを引き渡す場合、地震発生後に保護者からの承認が必要です。また、中高生であっても、保護者の許可なく一人で下校させない方針を示しています。

幼児部では、迎えに来た人の氏名と子どもの氏名を確認してから引き渡す学校もあります。

入学後は、次の項目を確認しておきましょう。

  • 保護者以外に迎えへ行ける人
  • 代理人を登録する方法
  • 登録できる人数
  • 本人確認に必要なもの
  • 兄弟をまとめて引き取れるか
  • 中高生の単独下校が認められる条件
  • 保護者と連絡がつかない場合の判断

祖父母や知人を代理人にする場合、その人が学校まで安全に移動できる距離に住んでいるかも重要です。

遠方の親族だけを緊急連絡先に登録しても、実際の引き取りには対応できない可能性があります。

スクールバス運行中に地震が起きたら?

インターナショナルスクールでは広い地域から生徒が通うため、スクールバス利用者も少なくありません。

しかし、大地震発生後は道路の損傷や渋滞が予想されるため、通常のバス運行が停止される可能性があります。

BSTでは、重大な地震時にキャンパス間のスクールバスを運行せず、部活動や学校行事も中止するとしています。校外学習中の生徒は、引率教職員とともに安全な場所で待機する方針です。

学校へは、次の場面ごとの対応を聞いておきましょう。

  • 登校前に大地震が起きた場合
  • 登校バスに乗車中の場合
  • 下校バスの出発前の場合
  • 下校バスの走行中の場合
  • バス停へ保護者が来られない場合
  • 道路が通行できない場合

特に確認したいのは、「最寄りの安全な場所へ移動する」のか、「学校へ戻る」のか、「通常のバス停まで進む」のかです。

バス会社へ任せきりではなく、学校が運転手、添乗員、保護者との連絡方法を定めているかを比較しましょう。

学校によって違う避難訓練と危機管理体制

主要校の公開情報を見ると、同じ地震対策でも取り組み方に違いがあります。

学校公開情報から確認できる特徴
BST保護者向け地震マニュアル、72時間分の備蓄、数日間の校内待機を想定
NIS地震・火災・ロックダウンの全校訓練、危機管理チームと指揮系統を整備
Nishimachi地震・避難・ロックダウンなどの訓練を各学期に少なくとも1回実施
Zoe International School地震・火災・津波を想定した訓練を年2回以上実施

NISでは、地震や火災、ロックダウンを想定した全校訓練を半年ごとに実施しています。また、Crisis Management TeamとIncident Command Systemを設け、緊急時の担当と意思決定系統を明確にしています。

比較の視点

訓練の回数が多ければ、必ず安全とは限りません。

編集部が注目したいのは、次のような「訓練後の運用」です。

  • 訓練後に問題点を検証しているか
  • 保護者も引き渡し訓練へ参加するか
  • 新入生や新任教員へ個別説明があるか
  • 英語が十分でない子どもにも理解できるか
  • 障害や持病がある子どもの避難計画があるか
  • 校外学習・バス走行中も訓練対象になっているか
  • 通信が使えない状況まで想定しているか

校庭へ避難して終わる訓練ではなく、点呼、負傷者対応、保護者連絡、引き渡しまで確認できる学校の方が、実際の災害に近い準備といえます。

連絡が来ないときは電話をかけ続けるべき?

大地震直後は、電話回線が混雑する可能性があります。

学校によっては、保護者からの電話を控え、メール、Webサイト、SNS、学校アプリなどを確認するよう求めています。

BSTは、電話ではなくWebサイト、メール、SNSなどで情報を確認するよう保護者へ案内しています。通信手段がすべて使えない場合も、学校は子どもを安全な場所で預かり続ける方針です。

NISも、電話連絡網、メール、学校Webサイト、SNSなど複数の方法で情報を発信するとしています。

確認しておきたい連絡手段は次のとおりです。

  • 学校公式アプリ
  • 緊急メール
  • SMS
  • 学校Webサイト
  • 保護者ポータル
  • 公式SNS
  • 災害用伝言ダイヤル
  • 大使館や自治体からの情報

連絡方法が多いだけではなく、どれを最優先の正式情報とするかを確認しましょう。

メールとSNSで異なる内容が出た場合、どちらに従うのかが決まっていると安心です。

多言語で災害情報を受け取れるかも重要

インターナショナルスクールには、日本語を十分に読めない保護者や子どももいます。

気象庁は、英語、中国語、韓国語、スペイン語など複数言語で、地震・津波・気象情報を提供しています。災害時に役立つ多言語のアプリやWebサイトも案内されています。

学校から英語で連絡が来ても、自治体の避難所情報や交通規制は日本語中心になる場合があります。

家庭では、学校の情報だけに頼らず、

  • 気象庁の多言語情報
  • NHK WORLD-JAPAN
  • 自治体の防災アプリ
  • 大使館からの緊急通知
  • 災害用伝言サービス

を利用できる状態にしておきましょう。

直近の動きから考える学校防災

内閣府は2025年3月、南海トラフ巨大地震の新たな被害想定を公表しました。想定は将来の発生日を予測するものではありませんが、関東から九州まで広い地域で強い揺れや津波の被害が生じる可能性を改めて示しています。

学校防災も、地震が起きた瞬間の避難だけでなく、交通停止、通信障害、長時間の校内待機、保護者が迎えに来られない事態へ重点が移っています。

特に遠距離通学が多いインターナショナルスクールでは、自宅と学校が別の自治体にあり、被害状況や避難情報が異なる可能性があります。

学校所在地だけでなく、次の3つの地図を家庭で確認しておきましょう。

  1. 自宅周辺のハザードマップ
  2. 学校周辺と学校指定避難場所の地図
  3. 自宅から学校までの徒歩ルート

普段は電車や自動車で通っていても、災害後は徒歩で迎えに行く可能性があります。

口コミ・評判から見える保護者の悩み

地震時の学校対応について、保護者からは次のような不安が見られます。

  • 電車が止まったら何時間で迎えに行けるか分からない
  • すぐ迎えに行かないと、子どもが不安になるのではないか
  • 学校から連絡が来ないと状況を判断できない
  • 代理人登録をしていない
  • 兄弟が別々の学校に通っている
  • 自宅と学校のどちらへ避難すべきか分からない
  • スクールバス走行中の対応が見えない

実際の保護者の体験談でも、学校が子どもを預かると分かっていても、数十キロ離れた職場から迎えに行けないことへの不安が語られています。一方で、無理に帰宅させず学校で待機させる方が、余震や交通混乱の中では安全だという意見も見られます。

口コミから分かるのは、備蓄量だけでは保護者の不安は解消されないということです。

「迎えに行けない間、誰が子どもと過ごし、どう情報を受け取れるか」まで説明できる学校が求められています。

家庭で作る地震対応シート

家庭では、学校のEmergency Policyを読んだうえで、家族用の対応シートを作りましょう。

記載する内容

  • 学校の正式な緊急情報ページ
  • 学校アプリとログイン方法
  • 学校指定の避難場所
  • 子どもの引き渡し場所
  • 登録済みの代理人
  • 保護者それぞれの職場からの徒歩ルート
  • 兄弟を迎える順番
  • 連絡が取れない場合の集合場所
  • 災害用伝言ダイヤルの使い方
  • 子どもの持病・薬・アレルギー
  • 家族が使用する多言語防災情報

消防庁は、家庭でも最低3日分程度の水と食料を備蓄し、定期的に期限を確認するよう案内しています。また、災害時の連絡方法や避難経路を家族で話し合うことも推奨しています。

子どもと確認すること

  • 揺れている間に頭を守る
  • 勝手に学校から帰らない
  • 先生の指示に従う
  • 保護者がすぐ来なくても学校で待つ
  • 知らない人と一緒に帰らない
  • バス内では運転手や添乗員の指示に従う
  • 不安や体調不良を大人へ伝える

低年齢の子どもには、「必ず迎えに行くが、すぐには行けないこともある」と具体的に伝えておくとよいでしょう。

編集部の一言|「すぐ迎えに行く計画」だけでは不十分

学校の地震対策を調べると、保護者は「何分で学校へ迎えに行けるか」を考えがちです。

しかし、大規模地震では、急いで移動すること自体が危険になる可能性があります。

編集部としては、次の2つを分けて考えることをおすすめします。

  • 迎えに行ける場合の計画
  • 迎えに行けない場合の計画

後者を確認するには、学校へ次のように質問してみましょう。

How long can the school care for students if parents are unable to reach the campus?

保護者が学校へ到着できない場合、どのくらいの期間、生徒を預かれますか?

How much emergency food and water is stored on campus?

校内には、どのくらいの非常食と水を備蓄していますか?

Who is authorised to collect my child after a major earthquake?

大地震の後、誰が子どもを引き取ることを認められていますか?

What happens if an earthquake occurs while students are on the school bus?

スクールバスの乗車中に地震が起きた場合、どのように対応しますか?

訓練の回数や校舎の新しさだけでなく、保護者が迎えに来られない最悪の状況まで説明できるかが、学校の防災力を比較するポイントです。

よくある質問

地震が起きたら、すぐ学校へ迎えに行くべきですか?

学校の指示と周辺の安全状況を確認してください。

大きな余震、火災、交通混乱がある場合は、すぐ移動する方が危険なことがあります。学校が子どもを安全に待機させている場合は、指定された連絡手段で状況を確認しましょう。

保護者と連絡が取れない場合、子どもは一人で帰宅しますか?

多くの学校では、重大な災害時に子どもを単独で帰宅させず、保護者または認められた代理人へ引き渡します。

ただし、中高生の扱いは学校規定によって異なるため確認が必要です。

学校は地域の避難所になりますか?

すべてのインターナショナルスクールが、自治体指定の避難所になるわけではありません。

学校が子どもを避難させる場所と、地域住民が利用する指定避難所は別の場合があります。学校名だけで判断せず、自治体の防災マップを確認しましょう。

子どもに非常用バッグを持たせる必要はありますか?

学校が一括して備蓄する場合と、家庭に個人用Emergency Kitを用意させる場合があります。

必要な物、保管場所、薬の扱い、食品アレルギーへの対応を学校へ確認してください。

おわりに

インターナショナルスクールの地震対策は、避難訓練の有無だけでは判断できません。

学校選びでは、次の項目を確認しましょう。

  • 校舎や設備の耐震・転倒防止対策
  • 地震時の点呼と避難場所
  • 水・食料・毛布などの備蓄期間
  • 保護者への緊急連絡方法
  • 通信できない場合の基本方針
  • 子どもの引き渡し条件
  • 代理人登録の方法
  • スクールバス・校外学習中の対応
  • 持病や障害がある子どもの避難支援
  • 訓練後の検証と改善方法

大規模地震では、保護者がすぐ学校へ行けない可能性があります。

「学校へ迎えに行く方法」だけでなく、「迎えに行けない間も子どもが安全に過ごせるか」を確認することが大切です。

学校のEmergency Policyを家庭で共有し、連絡先、代理人、徒歩ルート、集合場所を子どもと一緒に確認しておきましょう。

皆さんのスクール選びと防災準備の参考になれば幸いです!