「英検とTOEFL、CEFRってどういう関係なのか整理したい」
「子どもの英語力をどう見ればいいのか迷っている」最近、こう感じている親はかなり多いと思います。英語教育に関する情報を調べていると、CEFRという言葉を目にする機会が増えていますが、説明を読んでもピンとこないまま、なんとなく難しそうという印象だけが残りがちです。
この記事では、英語試験の指標として使われるCEFRとは何なのか、英検やTOEFLとはどう違うのかを、整理していきます。
CEFRとは??

まずは、CEFRそのものを難しく考えすぎないことが大切です。英語教育の現場では、CEFRは試験ではなく共通のものさしとして扱われています。
CEFRは英語力の共通指標
CEFRは、ヨーロッパを中心に作られた言語能力の指標で、英語だけでなく、複数の言語に共通して使える基準です。英語をどれくらい使えるかを、A1からC2までの6段階で表します。
A1はごく基本的なやりとりができる段階、C2は高度で専門的な内容まで扱える段階とされています。この段階分けによって、試験や国が違っても、英語力を同じ尺度で見られるようになります。
点数ではなくできることを見る考え方
CEFRの特徴は、点数よりも何ができるかに注目している点です。例えば、簡単な自己紹介ができる、短い文章を理解できる、といった実際の使用場面が基準になります。
英語教育の現場では、この考え方が重要視されています。テストの点数が良くても、実際に使えないことがあるという問題意識が背景にあります。
なぜCEFRが英語教育で重視されるようになったのか

CEFRが注目されるようになった背景には、英語教育全体の考え方の変化があります。
英語を使う力への関心が高まった
以前は、英語力は文法や単語をどれだけ知っているかで評価されがちでした。しかし、国際化が進む中で、英語を使って何ができるかが重視されるようになりました。
文部科学省の方針でも、英語の4技能をバランスよく育てることが掲げられています。CEFRは、この4技能を総合的に見る考え方と相性が良い指標です。
試験ごとの差を埋める役割
英検、TOEFL、IELTSなど、英語試験にはそれぞれ特徴があります。そのため、点数だけでは比較が難しいという課題がありました。
CEFRは、こうした試験の結果を共通の枠組みで捉え直す役割を果たしています。英検何級がTOEFLのどのくらいに相当するのか、といった比較がしやすくなります。
CEFRのレベル構成を整理する

CEFRは6つのレベルに分かれていますが、細かく覚える必要はありません。大まかなイメージを持つだけでも十分です。
A1からA2は基礎段階
A1とA2は、英語に慣れてきた段階です。簡単な表現や短い会話が中心で、身近な話題が扱えます。英語学習の入り口にあたるレベルです。
B1からB2は実用段階
B1になると、日常的な話題についてある程度やりとりができるようになります。B2では、もう少し複雑な内容も理解でき、意見を伝える力が育ってきます。
C1からC2は高度段階
C1以上は、専門的な内容や抽象的な話題にも対応できるレベルです。留学や専門分野での使用が想定される段階になります。
英検はCEFRとどう違うのか

ここで、多くの家庭が気になる英検との違いを整理します。英検はCEFRとは役割が異なります。
英検は日本独自の試験
英検は、日本の英語学習者向けに設計された資格試験です。級という形でレベルが分かれており、進学や受験で評価されることも多いです。
一方で、英検そのものはCEFRではありません。ただし、各級がCEFRのどのレベルに相当するかは目安として示されています。
評価の軸が違う
英検は合否や級の取得が目的になります。一方、CEFRは合格不合格を決めるものではなく、現在地を把握するための指標です。
そのため、英検に受かることと、CEFRのレベルが上がることは、必ずしも同じ意味にはなりません。
TOEFLはCEFRとどう違うのか?

TOEFLもまた、CEFRと混同されやすい試験の一つです。
TOEFLは留学向けの英語試験
TOEFLは、主に海外の大学で学ぶための英語力を測る試験です。学術的な内容が多く、聞く、読む、話す、書くの4技能が問われます。
スコア制で評価され、合格不合格というより、必要な点数を満たしているかが重視されます。
CEFRはTOEFLを包む枠組み
TOEFLのスコアも、CEFRのどのレベルに相当するかが示されています。CEFRは、TOEFLを含む複数の試験を整理するための共通言語のような存在です。
CEFR・英検・TOEFLはどう使い分ければいいのか

ここまで整理してくると、CEFRと英検、TOEFLは役割がまったく違うことが見えてきます。大切なのは、どれが優れているかではなく、何のために使うのかを切り分けることです。
CEFRは英語力の現在地を知るための指標
CEFRは、試験ではなく英語力を捉えるための共通言語です。A2やB1といった表記は、英語を使ってどんなことができるかを大まかに示しています。
そのため、CEFR自体を目標にするというより、今どのあたりにいるのかを把握するためのものと考えると分かりやすいです。成績表の点数のような感覚ではなく、地図上の現在地に近いイメージです。
英検は日本の教育制度と相性がいい
英検は、日本の学校教育や受験制度と強く結びついています。級という形で達成感があり、評価にも使われやすい点が特徴です。
CEFRのレベルと対応づけられてはいますが、英検の目的はあくまで資格取得です。そのため、英語力全体の把握というより、日本の学習の中で成果を形にする役割が大きいと言えます。
TOEFLは特定の目的に向けた試験
TOEFLは、留学や海外進学など、明確なゴールを持つ人向けの試験です。学術的な英語を扱うため、日常英語とは性質が異なります。
子どもの英語教育の初期段階で必ずしも意識する必要はありませんが、将来の進路によっては関係してくる可能性がある試験です。
子どもの英語教育でCEFRをどう使うのか?

CEFRは、親が英語教育を考えるときの視点を整理してくれる存在でもあります。ただし、使い方を間違えると、逆に混乱することもあります。
CEFRは目標ではなく参考軸
CEFRのレベルを目標として設定すると、数字や記号に引っ張られやすくなります。教育現場では、CEFRは成長の方向性を確認するための参考軸として使われることが多いです。
子どもの英語力が今どの段階にあり、次にどんな力が育ちそうかを考えるための材料として捉えると、無理がありません。
年齢や学習環境によって意味合いが変わる
同じA2という表記でも、小学生と高校生では意味合いが違います。CEFRは年齢を考慮した指標ではないため、年齢や学習背景と合わせて見る必要があります。
そのため、CEFRだけを切り取って判断するのではなく、日々の学習内容や英語への向き合い方と合わせて考えることが大切です。
CEFRを知ることで見えてくる注意点

CEFRを理解すると、英語教育に対する見方が少し変わってきます。同時に、気をつけたい点も見えてきます。
試験結果だけで判断しない
英検やTOEFLの結果は分かりやすい指標ですが、それだけで英語力の全体像を判断するのは難しいです。CEFRは、その限界を補うための考え方でもあります。
点数や級だけを追いかけると、実際に使える英語とのズレが生じることがあります。
レベルの上下に一喜一憂しない
CEFRのレベルは、短期間で大きく動くものではありません。英語力は積み重ねで育つため、変化が見えにくい時期もあります。
教育現場では、レベルの変化より、どんな経験を積んでいるかが重視されます。
CEFR、英語教育、英検、TOEFLに関するよくある疑問

最後に、親からよく聞かれる疑問を整理します。
CEFRは試験を受けないと分からない?
CEFR自体は試験ではありません。試験結果をCEFRに当てはめて参考にすることが一般的です。
英検を受ける意味はなくなる?
そんなことはありません。英検は、日本の教育環境では今後も重要な役割を持ちます。
TOEFLはいつ意識すればいい?
留学や海外進学を具体的に考え始めた段階で十分です。
CEFRを知ることは英語教育の整理につながる

CEFRは、新しい英語試験ではありません。英語力をどう捉えるかという考え方を整理するための枠組みです。
英検やTOEFLは、それぞれ目的に応じた試験であり、CEFRはそれらを横断して理解するための共通の指標です。この関係を理解するだけでも、英語教育に対する迷いはかなり減ります。
子どもの英語教育を考えるとき、CEFRを絶対的な基準にする必要はありません。ただ、英語力を点数や級だけで判断しない視点を持つことは、大きな意味があります。




