英検とTOEFLどっちを目指す?目的別のおすすめルート

基礎知識
こんな人向けの記事です
  • 英検とTOEFLってどっちを受けたらいいんだろう
  • 周りはTOEFLを勧めてくるけど、英検でも十分なのかな

「海外に行くかまだ決めてないから、どちらを選ぶのが正解かわからない」「伸ばしたい力があるけど、どの試験が合っているのか迷う」
こんなふうに感じながら、検定選びで立ち止まる学生は意外と多いんです。英検もTOEFLも英語の試験ではあるものの、求められる力も向いているタイプもまったく違います。どちらを選ぶべきかは、英語力のレベルよりもこれからどこを目指すかによって変わってきます。試験の選び方ひとつで、学習の方向性が整い、自分の進む道が見えやすくなることもあります。

英検かTOEFLで迷う理由と、それぞれの魅力

英語を勉強していると、どこかで検定を受けたほうがいいのかなと思う瞬間がありますよね。周囲の影響もあるし、進路を具体的に考えるほど試験選びが気になってくる。英検は身近で受けやすい一方、TOEFLは海外進学のスタンダードとして知られ、どちらも魅力があります。

でもその分、自分がどちらに向いているのか判断しづらいのも事実です。英語の力は人によって伸び方も得意分野も違うからこそ、試験との相性が大事になってきます。ここではまず、なぜ迷いやすいのか、その背景を整理していきます。

国内進学と海外進学で必要な力が異なる

日本の大学を目指す場合と、海外大学を視野に入れている場合では、求められる英語の力が大きく違います。

国内の一般入試・総合型選抜の場合、英検の評価は非常に高く、準1級や1級を持っていると加点・英語免除などに直結する学校も増えてきました。
一方、海外大学ではTOEFLがほぼ標準で、合否や奨学金の判断にも使われます。
つまり、あなたの“進路の方向”によって、どちらが合うかが変わるということです。

進路がまだ決まっていない場合は、逆に迷いやすいのも当然。
だからこそ、試験そのものの性質を知ることが大事になってきます。

試験スタイルが大きく違う

英検は合否制で、段階式にレベルが上がっていきます。
対してTOEFLはスコア制で、できた部分・弱い部分が数字で細かく可視化されます。

この「合否」と「スコア」という仕組みの違いが、実は試験選びの難しさの理由のひとつです。

・挑戦→合格→次の級へ
という階段を上りたい人は英検に向いていて、

・自分の実力を細かく知りたい
・目標スコアに向けて積み上げたい
というタイプはTOEFLが合います。

試験の方向性がここまで違うと、どっちが良い悪いではなく、人によって合うものが違うという考え方が自然です。

英語学習の目的を整理する

結局のところ、英検とTOEFLの選び方は
「何のために英語を伸ばしたいのか」 によって9割が決まります。

・国内受験を有利にしたい
・海外進学の道を広げたい
・英語力全体を底上げしたい
・将来の可能性を広げたい

目的によって、必要な英語のレベルも、伸ばすべき技能も変わります。

試験選びは“自分を知る作業”でもあります。
方向が定まると、迷いがすっと軽くなるものです。

英検の特徴と向いている人

英検は、多くの学生にとって一番身近な英語検定だと思います。学校で受験を勧められることも多く、問題形式に馴染みのある人も少なくありません。受けられる会場が多いので挑戦しやすく、合否がはっきりしているため、目標も立てやすいのが特徴です。海外の試験と比べると負担が小さく、段階的にレベルアップしやすい点も、学生から選ばれやすい理由のひとつ。ここからは、英検がどんなタイプの人に向いているのかを整理していきます。

合否式でステップアップしやすい

英検は「合格したら次の級へ進む」というシンプルさが魅力です。
達成感が得やすく、勉強のモチベーションが続きやすい形になっています。

特に、

・段階を踏んで力をつけたい
・小さなゴールがあるほうが頑張れる
・試験に慣れながら成長したい

こういうタイプの学生には、英検の仕組みが自然に合います。

準2級→2級→準1級…と、ひとつずつクリアしていく過程は、自分の成長を実感しやすく、学習の負担も分散しやすいです。

日本の受験に強い評価がある

英検が持つ一番の強みは、国内の学校での“評価の高さ”です。

・高校入試で優遇
・大学入試(一般・総合型)で加点や免除
・出願要件に使える場合もある

特に大学入試では、準1級以上を持っていると評価されやすく、書類審査の印象も良くなります。

「国内の進路を考えながら英語力も伸ばしたい」という学生には、英検は非常にコスパが良い選択肢と言えます。
受験の場面で“使える資格”としての強みは、TOEFLよりも圧倒的に大きいです。

基礎〜応用の語彙力を固めやすい

英検の問題は、日本の学生が理解しやすい語彙・文法の流れで作られています。
そのため、英語の基礎を積み上げながら、少しずつ難しい文章へ進むことができます。

・語彙を段階的に増やしたい
・文法の抜けをなくしたい
・リーディングを強くしたい

こういった目的なら、英検はとても効率良く力をつけられます。

問題のクセが少なく、学習の方向性が明確なため、対策の見通しも立てやすいです。
英語の基礎力をしっかり育てたい学生にとっては、最初の入り口として非常に向いています。

TOEFLの特徴と向いている人

TOEFLは、英検よりも本格的なアカデミック英語が求められる試験です。海外大学の出願基準として広く使われており、世界中の学生が挑戦するグローバルな検定という印象が強いかもしれません。

英語で講義を受けたり、自分の意見を論理的に話す力が問われるため、日常英会話よりも深い理解が必要になります。負荷は大きいものの、しっかり取り組めば英語力そのものが着実に伸びる試験でもあります。ここでは、TOEFLに向いているタイプを丁寧にまとめていきます。

完全スコア型で伸びが見えやすい

TOEFLは英検と違い、合否ではなく0〜120点のスコアで評価されます。
Reading・Listening・Speaking・Writingの4技能がそれぞれ30点満点で、どの技能が得意で、どこが弱いのかが一目でわかります。

努力がスコアに反映されやすいので、

・伸びを数字で確認したい
・客観的に自分のレベルを知りたい
・目標スコアを決めて勉強したい

こういったタイプには相性がとても良いです。

一方で、結果が数値としてはっきり出るため、プレッシャーを感じやすい人には少し負担が大きくなることもあります。

アカデミック英語に強く海外進学向き

TOEFLが世界で評価されている理由は、大学の講義やレポートにそのまま通じる内容が多いことです。

リーディングでは生物や心理学などの大学レベルの文章が出たり、スピーキングでは「講義内容をまとめて自分の意見を述べる」ような問題も出ます。

つまり、英語を“学ぶため”ではなく、“英語で学ぶため”の力を測っている試験なんです。

・海外の大学を考えている
・留学準備として本格的な英語力をつけたい
・論理的な英語を扱えるようになりたい

こういった目的なら、TOEFLは非常に価値があります。

高い4技能がバランスよく求められる

TOEFLの難しさは、どの技能も手を抜けないところです。

Readingで理解した内容をSpeakingでまとめたり、Listeningで聞いた情報をWritingの論述に組み込んだり、技能同士が連動しているため、英語力の底上げが必須になります。

特に負荷が高いのは以下のポイントです:

・単語が大学レベルで難しい
・リスニングは速度が速く情報量も多い
・スピーキングは制限時間が短い
・ライティングは論理構成が必須

こうした理由から、英語学習が得意で「もっと上を目指したい」というタイプには向いていますが、英語に苦手意識が強い人には少しハードルが高めです。

TOEFLは本気で英語力を伸ばす人のための試験と言ってもいいかもしれません。

目的別・どちらを選ぶべきか

英検とTOEFLの違いが見えてくると、自然と「自分はどっち?」と考え始めると思います。
どちらの試験も価値があるので、優劣ではなく相性が基準になります。
ここからは、目的ごとにどちらを選ぶのが近道なのかを整理していきます。
はっきり進路が決まっていない場合でも、今の気持ちに近いところから考えるだけで、迷いが少し軽くなるはずです。

国内受験・総合型選抜を意識する場合

国内の高校・大学受験を少しでも考えているなら、英検が圧倒的に使いやすいです。
とくに準1級以上は評価されやすく、英語科目の免除や換算点アップにつながる学校も増えています。

・日本の学校での評価が安定している
・段階的に受けられるから無理がない
・勉強の積み重ねが受験に直結する

こうしたメリットは、TOEFLにはありません。
国内進路が少しでも視野にあるなら、英検を軸にした方が安心です。

海外大学・交換留学を目指す場合

海外大学を本気で考えるなら、TOEFLは避けて通れません。
出願ではTOEFLのスコアを求められることが多く、目安としては61〜100点ほどが必要になります。
国や大学によって基準は違いますが、英語で授業を受けるための“最低ライン”として扱われています。

・講義レベルの英語に触れられる
・スピーキング・ライティングが鍛えられる
・世界で評価されるスコアになる

海外で学びたい気持ちが少しでもあるなら、TOEFLの経験は確実に役に立ちます。

英語力全体を底上げしたい場合

「進路はまだ決めていないけれど、英語力を伸ばしたい」という人も少なくありません。
そんなときは、どちらか一方に絞る必要もなく、段階的にルートを作るのも良い方法です。

おすすめは、
「英検で基礎力を固め → TOEF Lで本格的な4技能へ」
という流れです。

英検は語彙・文法・読解の土台づくりに向いている一方、TOEFLは“英語を道具として使う力”を育ててくれます。
この2つは競合ではなく、伸ばせる力が違うという意味で、むしろ相性が良い組み合わせです。

自分に合う検定を選ぶためのまとめ

英検とTOEFLは、どちらも英語力を測る試験ですが、求められる力も得られる経験も大きく違います。
だからこそ、どちらが正解ではなく、自分の目的に合うほうが正解です。

進路が国内中心なら英検のほうが活かしやすく、海外志向ならTOEFLが必須。
もし進路がまだ曖昧なら、英語力をどう育てたいか、どんな場面で使いたいかを少しだけ想像してみてください。
その方向に合わせて選ぶと、試験選びがぐっと楽になります。

どちらを選んでも、英語力そのものは確実に伸びていきます。
検定は「英語を使える未来」への入口。
自分に合うルートを選んで、無理のないペースで進んでみてください。