インターナショナルスクールの保護者面談で必ず聞きたい10の質問

インターナショナルスクール
こんな人向けの記事です
  • インターナショナルスクールの面談で何聞けばいいんだろう?
  • いろんな学校を比較したいんだけど比較のために覚えておくことはなんだろう?

「英語はそこまで得意じゃないけど、インターナショナルスクールの保護者面談ってちゃんと聞き出せるかな」「うちの子のこと、どこまで話せばよくて、何を質問すれば入学後のギャップを減らせるんだろう」

そんなモヤモヤを抱えたまま当日を迎えるのは、やっぱり不安ですよね。ここでは、初めての保護者面談でも落ち着いて臨めるように、面談の意味や雰囲気、準備の仕方、当日の質問の組み立て、答えの見極め、面談後の動きまでを、実際の会話の温度に近い言葉でまとめました。

面談の意味

保護者面談は、学校に評価される場ではありません。

家庭が大事にしている価値観や、子どもの今の様子を先生に渡し、学校が大切にしている考え方を受け取り、入学後の毎日を一緒に設計していくための対話です。パンフレットやサイトで読める情報は多いのに、教室で実際どう動いているかは分かりづらい。だからこそ、面談では「制度名」より「場面」を確かめます。たとえば、英語が苦手な子へのフォローがあると聞いたら、誰が・いつ・どんな合図で助けるのか。教員が一人で抱えず、学年チームで支える仕組みがあるのか。そこに手触りが出てくると、入学後の想像が一気に現実に近づきます。

面談の流れと雰囲気を先に知っておく

多くの学校では、あいさつ→学校の考え方の共有→こちらからの質問→今後の段取りという順番で進みます。時間は30〜60分が目安。

英語が心配なら、事前に日本語資料の有無や通訳サポートを聞いておいて大丈夫です。うまく話そうと肩に力を入れるより、家での様子を素直に言葉にするほうが、学校側は具体的に提案しやすくなります。

事前準備のコアは三行メモ

準備の深さは、当日の満足度とほぼ比例します。立派な資料は要りません。スマホのメモに三行で十分。子どもの今、家庭の希望、健康や配慮事項を短くまとめます。これだけで、先生の回答が具体になり、質問の密度が上がります。

子どもの今を三行で

好きな活動、つまずきやすい場面、生活のリズム。たとえば「工作が好きで初対面では様子見」「音で集中が切れやすい」「寝る時間は21時で朝はゆっくり」。教室でうまくいく条件のヒントを先に渡す、という発想です。

家庭の希望を一言で

「英語は初めてなので安心して挑戦できる場を」「自分の考えを説明する練習を増やしたい」など、方向性だけでも十分。ここが曖昧だと、当日の会話が制度の説明で終わりがちです。

下調べのコツ

学校サイトで教育方針、評価の考え方、行事、連絡手段、サポート窓口をさらっと確認し、重複質問を減らします。「ここまでは読みました。今日は具体のところを聞かせてください」と伝えるだけで、話は深いところに入りやすくなります。

必ず聞きたい10の質問

面談の核は、学校の考え方が日常にどう落ちているかの確認です。制度名だけ並ぶ説明は、あとで振り返ると曖昧に感じます。ここでは、最初の面談で全体像をつかむための質問を10点に絞りました。数は多く見えますが、持ち時間に合わせて優先順位をつければ十分に回せます。

質問を使うときのちょっとしたコツ

先に三行メモを共有してから質問に入ると、相手も文脈を持って答えやすくなります。専門語が出てきたら、その場で「ひとことで言うと何ですか」と聞いてOK。場面の例をお願いすると、運用の実態が見えます。

  1. 年間と学期ごとの目標が、授業や宿題、ふりかえりにどうつながっているか。
  2. 英語が初めて、またはレベル差がある場合のフォローを誰がいつ担当し、どのタイミングで通常授業に自然に戻すのか。
  3. 評価はテスト中心か、ルーブリック(評価のものさし)やプロジェクト中心か。
  4. 一日の流れの中で、発表やグループ活動と個別作業のバランスをどう整えているか。
  5. 担任・教科担当・学年チームの役割分担と、授業を見合う文化が機能しているか。
  6. 学習の遅れや得意が見えたとき、個別の学習計画(ILPなど)を誰と作り、いつ見直すか。
  7. 日本語や算数の基礎を、英語環境の中でどう切らさず積み上げるか。家庭との分担はどこまでか。
  8. 友だち関係で行き違いが起きたときの初動と、保護者が相談しやすい窓口の場所と連絡の手順。
  9. アレルギー・医務対応・通学の安全・昼食管理など、毎日の運びの具体例。
  10. 次の学年や進路の接続で重視する観点と、子どもの変化の見取り方、家庭への伝え方。

答えの見極めポイント

同じ制度でも、運び方で体感は大きく変わります。ここで見るのは、目標→授業→評価→ふりかえりの循環が回っているか、そして個人技ではなくチームで学び続ける仕組みがあるか、の二つ。どちらも、具体的な場面の例が出てくるかどうかで分かります。

授業と評価のつながりを確かめる

「学期末に発表があります」と言われたら、準備の過程はどんなふうに刻んでいるのか、苦手な子への手当ては何か、評価基準はいつ共有されるのか、発表後のふりかえりで何を見ているのか、まで聞いてみます。完成品だけでなく途中の道筋が語られれば、設計図と現場がつながっているサインです。

チームで支える仕組みがあるか

授業を見合う時間、週次の学年ミーティング、外部研修の共有、保護者の声を次学期の改善につなげる回路。こうした仕組みが語られると、先生が交代しても文化が続く期待が持てます。熱意だけに依存していないことは、子どもの安心にも直結します。

生活と心の安全が現実的に運んでいるか

アレルギー対応の具体や、体調不良の初動、通学バスの乗降手順、校門の受け渡しの動線まで説明できる学校は、非常時にも迷いにくい。友だち関係のトラブルでは、誰の話をどの順に聞くか、合意をどう作るか、保護者が相談しやすい窓口がどこにあるか。ここがクリアだと、日常の小さな不安が軽くなります。

カリキュラム別の確かめ方

同じインターナショナルスクールでも、採用しているカリキュラムはさまざま。ラベルで良し悪しを決めるのではなく、日常の授業にどう現れているかを面談で確かめます。

IB(国際バカロレア)のポイント

IBは探究と自己ふりかえりを大事にする教育です。週のふりかえりの型があるか、調べ学習が発表だけで終わらず、次の行動につながっているかを聞くと、運用の濃さが見えます。

アメリカ式のポイント

選択の幅があり、プロジェクトの割合が大きめなことが多いです。課題の締切や評価の重みづけ、チーム活動での役割の持たせ方を尋ねると、子どもの得意が生きる場面が想像しやすくなります。

イギリス式のポイント

段階的な目標と基礎の積み上げが明確。単元の前後で何をできるようにするのか、家庭での復習の位置づけ、到達が難しい時の橋のかけ方を具体に聞いてみましょう。

最近は、英語環境を整えながら日本語や算数を切らさずに支えるハイブリッド設計も増えています。選択肢の一つとして、家庭の希望と重ね合わせて比較していけば十分です。

英語や発達の不安があるとき

英語が初めて、集中に波がある、集団が苦手。どれも珍しい話ではありません。大事なのは、うまくいく条件を学校と一緒に探す姿勢です。角を立てずに核心へ届く言い方をいくつか置いておきます。

英語が初めての場合

「英語はこれからです。最初の二週間で孤立しないための声かけや席の配置、補習と通常授業の行き来のルールを教えてください。家庭でも同じ流れをまねしたいので」
補習が教室の時間と自然に行き来できるかを見ます。

凸凹や集中の波がある場合

「指示は視覚的だと入りやすいタイプです。座席、合図、短い休憩の取り方など、これまで効果があった工夫をうかがえますか。家でも合わせます」
教室の具体策が語られれば、日常の支えが見えてきます。

連絡と家庭連携

連絡アプリやポータルで写真や週報が届くと安心ですが、更新が多すぎると双方の負担になります。目的と頻度の合意があると、日々の迷いが減ります。保護者が相談しやすい窓口、返答までの目安、緊急時の連絡経路。ここが整っている学校は、日常の小さなトラブルにも落ち着いて対応できます。情報は「多いほど良い」ではなく「役に立つ量かどうか」。家庭側も、必要な情報を受け取りやすい状態を一緒に作っていけると、関係は長く健やかに続きます。

面談当日のふるまい

緊張して言葉が出ないときは、順番を決めておくと安心です。背景→お願い→理由、の三拍子で短く伝えます。
「新しい環境で緊張しがちです。初日の導入の流れを教えてください。家でも同じ合図を使いたいので」
「家庭での支え方を合わせたいので、宿題の意図と目安時間を知りたいです。週のふりかえりの型があれば教えてください」
こうした一言があるだけで、話はぐっと実用的になります。先生の経験に敬意を払いながら、場面の例をお願いする。これが、長くいい関係を作る近道です。

面談後の三ステップ

当日中に、記憶が新しいうちにメモを残します。難しく考えず、事実・印象・残った質問の三つに分ければ十分です。事実は時間割やサポートの枠組みなど変わらない情報、印象は先生や子どもたちの表情、校舎の空気、残った質問は次回の確認メモ。複数校を検討する場合は、学びの深さ、生活の安心、コミュニケーションのしやすさ、通学動線、費用感の五つを基準に家族会議で落ち着いて比べると、納得のいく結論に近づきます。最近は見学や体験授業の形式もいろいろあるので、面談で得た感触と合わせて選べばOK。強く背中を押されるより、家庭のペースで決めることが一番の安心になります。

まとめ

インターナショナルスクールの保護者面談の核心は、子どものらしさと学校のらしさをお互いに渡し合い、同じ方向へ歩き出す合図を交わすこと。

完璧な準備は要りません。三行メモと、今日の10の質問のうち今の不安に効くものを数個。これだけでも、当日の会話は十分に豊かになります。英語が不安でも、二言語対応や通訳の支えは珍しくありません。落ち着いて、あなたの言葉で。子どもの表情が少しでも明るくなる学校に、しなやかに出会えますように。