「英語脳を育ててあげたい!」「幼児のうちから英語に親しんでほしい!」と考える親御さんは多いのではないでしょうか。実は、幼児期は言葉をスポンジのように吸収できる時期で、英語の発音も驚くほど自然に身につけやすいと言われています。
しかし、ただ机に向かって勉強させるのでは幼児には負担が大きいですよね。大切なのは楽しく遊びながら、生活の中で英語に触れられる機会を作ってあげることです。
この記事では、幼児が英語に興味を持つように促す環境づくりの工夫や遊びながら学ぶ方法、そして親が英語を話せなくてもできるサポートについて紹介します。早期から英語に触れるメリットを活かしつつ、誰にでもできる実践法を一緒に見ていきましょう。
幼児の英語学習を自然に促す環境作り

まずは、日常生活の中に自然と英語が存在する環境づくりから始めましょう。
幼児は周りの音や言葉を聞いて言語を覚えていきます。同じように、家庭で英語の「音」が流れている環境を作れば、子どもは意識しなくても英語の響きを耳から吸収していきます。
例えば、朝の支度中や遊んでいる時間に英語の歌や子ども向け英語アニメをBGMとして流してみるのもいいでしょう。意味が全部わからなくても、繰り返し聞くうちにフレーズやリズムに慣れ親しみ、自然と口ずさむようになります。「勉強しなさい」と構える必要はなく、英語の音が日常の一部になるような雰囲気づくりを意識してみてください。
また、カラフルな文字のパズルや英語の絵カードなどのおもちゃで遊ぶことで、子どもは楽しみながら英語の文字や単語に触れることができます。例えば、アルファベットのパズルをリビングに置いておけば、遊びの中で「Aはどれかな?」「これがAppleのAだね」といった声かけをするチャンスになります。英語の要素があるおもちゃをいくつか取り入れるだけでも、「英語って楽しい」「かっこいい」というポジティブな印象を持たせることにつながります。
全部のおもちゃを英語仕様に揃える必要はありません。普段のお気に入りのおもちゃに一つ二つ英語のしかけがあるものを混ぜるくらいで十分効果があります。英語が流れる絵本やカードで遊べば、遊んでいる間に耳から英語が入って一石二鳥ですね。
英語の絵本もぜひ身近に置いてみましょう。幼児向けの絵本はイラストが豊富で物語もシンプルなので、言葉がわからなくても絵を見て楽しめます。お気に入りの絵本のキャラクターや動物の名前を英語で教えてあげると、「これ英語でなんていうの?」と子どもから興味を示すこともあります。また、子どもがもともと大好きなアニメや遊びと英語を結びつけてあげる方法も効果的です。例えば、普段見ているアニメを時々英語音声に切り替えて一緒に見てみると、子どもは物語を楽しみながら英語の表現を吸収できます。
「しまじろう」やディズニーのアニメなど子どもが知っている作品で試してみると抵抗が少ないでしょう。好きなものを通じて「英語も一緒に楽しめた!」という成功体験を積むことで、英語への興味がぐんと高まります。
遊びながら英語を学ぶ方法

幼児が英語を好きになるためには、遊びの中で学ぶことが一番です。子どもは「おもしろい!」「やってみたい!」という気持ちがあると、驚くほどどんどん吸収していきます。
逆に退屈だと感じると集中できないものです。英語そのものを教え込もうとするのではなく、遊びやアクティビティの中に英語をちょっと取り入れてみましょう。そうすることで、子どもにとって英語の習得は「遊んでいたらいつの間にかできるようになった」という感覚になり、抵抗感がなくなります。
例えば、歌やダンスは楽しく英語に親しむ絶好の方法です。幼児は体を動かすことや音楽が大好きですよね。英語の童謡(例えば「Head, Shoulders, Knees and Toes」や「If You’re Happy and You Know It」など)を親子で一緒に歌って踊ってみましょう。歌詞の意味がわからなくても大丈夫です。リズムに乗って体を動かすうちに、自然と単語の発音や意味のニュアンスを感じ取っていきます。手遊び歌を通じて「head(あたま)」「knees(ひざ)」のように体の部位の英語を覚えたり、動作と単語を結びつけたりすることもできます。テレビやネットで配信されている子ども向け英語番組(NHK Eテレの「えいごであそぼ」など)を活用して、一緒に歌ってみるのも良いでしょう。「できたね!」と拍手すれば子どもも嬉しくなり、何度も繰り返したがるはずです。
簡単なゲームを通して英語に触れることも効果的です。例えば、絵と単語の書かれたカードを使って神経衰弱をすると、「SUN(太陽)」「MOON(月)」といった言葉を遊びの中で覚えられます。親子でカードをめくりながら「これは何かな?」「おっ、バナナの絵と”BANANA”がマッチしたね!」というように声をかけると、ゲーム自体が盛り上がるだけでなく自然と英語の発音練習にもなります。ほかにも、積み木遊びの中で色の名前を英語で言ってみたり、かくれんぼで見つけたときに「Found you!(みーつけた!)」と言ってみたり、日常の遊びに一言英語を混ぜるだけでも立派な英語遊びになります。タブレットやスマホの子ども向け英語ゲームアプリを一緒にやってみるのも、ルールさえ決めれば有効な手段です。ゲームや遊びの中に英語を取り入れることで、子どもは「英語=楽しい時間」と感じてくれるでしょう。
遊び方の工夫次第で、英語は特別な勉強ではなくただの楽しい遊びになります。ここでポイントなのは、お子さん一人ひとりの興味や個性に合わせることです。子どもによって好きな遊び方は様々ですよね。
映像を見るのが好きな子もいれば、体を動かす遊びのほうが集中できる子もいます。本やお絵かきが好きな子もいるでしょう。その子の「好き」に寄り添って、英語に触れる機会をデザインしてみてください。例えば、乗り物が大好きなら乗り物図鑑を英語で一緒に眺めてみる、シール遊びが好きなら英語の色や形を言いながらシール貼りをする、といった具合です。子どもが夢中になれる要素と英語を結びつければ、「もっとやりたい!」「また英語で遊びたい!」という前向きな気持ちが育ちます。遊び終わった後に「楽しかったね!」と言ってあげることで、「英語で遊ぶと楽しい」という印象をしっかり心に残してあげましょう。
親が英語を話せなくてもできるサポート

「自分は英語が得意じゃないけど、子どもには英語を好きになってほしい」と思っている保護者の方もご安心ください。親が英語を流暢に話せなくても、子どもの英語学習をサポートする方法はたくさんあります。実際、家庭での関わりがあるかないかで、子どもの英語に対する自信や意欲は大きく変わってきます。学校や教室で英語を習うだけでなく、家庭で親が関わってあげるほど子どもは英語にポジティブな気持ちを持ちやすくなると言われています。
難しいことを教え込む必要はありません。大事なのは、親も一緒に英語に興味を持って寄り添ってあげる姿勢です。
まずは、日常の中でできる簡単なことから始めてみましょう。たとえば挨拶や声かけをちょっと英語にしてみることです。朝起きたら「Good morning!(おはよう)」、寝る前には「Good night!(おやすみ)」と言ってみるだけでも立派な英語の時間になります。子どもが何か上手にできたときは「Good job!(よくできたね)」や「Great!(すごいね)」といった簡単な英語でほめてあげるのも良いでしょう。
最初は少し照れくさいかもしれませんが、笑顔で伝えれば子どもは意味が分からなくても「ほめられた!」と感じ取ってくれます。繰り返すうちに「Good job は よくできたって意味なんだな」と子どもも覚えていきますし、英語をポジティブな言葉として受け止めてくれるようになります。
また、親子で一緒に英語に触れる時間を持つことも大切です。例えば英語の絵本を読み聞かせる時間を作ってみましょう。発音に自信がなくても大丈夫です。最近は音声ペンやCD付きの英語絵本も多く出版されているので、そういったものを活用すればネイティブの発音を一緒に聞きながら物語を楽しむことができます。
子どもと一緒に音に合わせて単語をまねしてみたり、「今のどういう意味かな?」と日本語で話し合ったりすれば、親も一緒に学べて一石二鳥です。
親子で「今度は英語でやってみようか!」と盛り上がれば、子どもは英語を特別な課題ではなく遊びの延長として捉えてくれるでしょう。何より、親が英語を楽しんでいる姿を見せることが子どもにとって大きな励みになります。
お父さんお母さんが「英語っておもしろいね」「もっと知りたいね」と前向きに取り組めば、子どももそれに倣って英語に興味を示しやすくなるのです。
もし英語でうまく話せなくても、失敗しても構いません。親が「一緒にやってみよう!」という姿勢を見せるだけで、子どもにとっては十分なサポートになります。子どもは大好きなお父さんお母さんと関わる時間が何より嬉しく、安心できるものです。その安心感の中で英語に触れるからこそ、「英語って楽しい」「もっとやってみたい」という前向きな気持ちが育ちます。完璧な発音や文法よりも、親子で楽しく英語に触れる経験そのものを大切にしてくださいね。