「子どもに幼い頃から英語を学ばせてあげたい!」「多様性や国際感覚を身につけてほしい!」と考えて、インターナショナルスクールへの入学を検討する方は近年増加傾向にあります。
ですが、インターナショナルスクールがどんな施設なのか、どのような教育を行っているのかわからない方も多いと思います。
そこで今回はインターナショナルスクールの特徴や、通わせるべき理由、メリットなどを含めて解説していきます。
インターナショナルスクールとは?

インターナショナルスクールとは主に外国人や親の転勤などで日本に来たばかりの日本語を喋ることができない学生を対象にしている学校です。
国際的なカリキュラムや教育方針を採用し、国際的な環境で学ぶことができるため、近年では日本人だけど通わせたいと考える親も増えてきています。それに伴い外国籍の子どもだけでなく、日本人でも入学できる学校も増加しています。
インターナショナルスクールの特徴
では具体的にはインターナショナルスクールにどのような特徴があるのでしょうか?
インターナショナルスクールの主な特徴を5つ挙げます。
- 授業がすべて英語で行われる
- 学費が高い
- 国際的なカリキュラムを採用
- さまざまな国籍の子どもたちがいる
- 少人数制で配慮しやすい
それぞれ解説していきます。
授業がすべて英語で行われる
インターナショナルスクールの最大の特徴は、基本的に日常生活がすべて英語で行われるという点でしょう。日常生活で話される言葉がすべて英語のため語学力が身につくというのは最大のメリットです。
ただ、逆にいうと日本語を使うことができないため、ある程度の英語力(基本的なコミュニケーションができる程度)がないと入学が厳しくなります。
また、学校とのコミュニケーションを円滑に進めるため、子どもだけでなく親にも英語力を求めるスクールもあります。各スクールの入学要項をしっかりチェックしておきましょう。
学費が高い
インターナショナルスクールといえば学費が高額なのがネックなところです。
では一般的な日本の学校と比べてどのくらいの違いがあるのでしょうか?
小学校(公立) | 小学校(私立) | 小学校(インター) | 中学校(公立) | 中学校(私立) | 中学校(インター) | |
学費総額(年間) | 約30万円 | 約150万円 | 約200万円 | 約48万円 | 約130万円 | 約200万円 |
上記の表を見てもらうとインターナショナルスクールは小学校・中学校共に約200万円近くかかることがわかります。加えて、私立学校の約1.5倍近くかかり、公立学校と比べると4倍以上学費が違います。
したがって、インターナショナルスクールに通わせるにはある程度の経済力が必
国際的なカリキュラムを採用
インターナショナルスクールでは科目横断型の授業が行われ、物事を深く追求し、多角的な考え方ができる人物の育成が目指されています。
また、国際バカロレア認定(国際的に通用する大学入学資格)を受けているインターナショナルスクールでは多様な文化を理解尊重し、平和な世界に貢献できるグローバルな人材育成を目的としています。
そのため、インターナショナルスクールでは、コミュニケーション能力やプレゼンテーション能力を磨くようなカリキュラムが多くなっています。授業では、ディスカッションやディベート、プレゼンテーションを取り入れ、生徒が積極的に発言する参加型の授業が行われます。このような授業を行うことで、生徒は多様性、主体性の両方を身につけることができます。
さらに、インターナショナルスクールではICT環境(情報教育)が発達しているため、情報活用能力も養うことができます。
さまざまな国籍の子どもたちがいる
インターナショナルスクールでは欧米諸国や中南米諸国、オーストラリア、アジア圏などさまざまな国籍の子どもたちと学ぶ環境を提供します。そうすることで自然と多様性や異文化を理解し、国際感覚を養うことができるのです。
また、そのような環境にいることで学ぶ対象となる物事を深く追求し、多角的な考え方を身につけることができ、将来的にグローバルに活躍するための重要な土台になります。
またスクールによっては日本人生徒の数を一定の人数に制限することで、国際感覚をより豊かに育む環境を提供している場合もあります。
少人数制で配慮しやすい
一般的な学校の1クラスにおける生徒数は30〜40人でしょう。一方インターナショナルスクールの1クラスにおける生徒数は10人〜15人と日本の学校に比べて約半分の人数です。
そのような制度にすることで、教師は各生徒に対してきめ細やかな指導が可能となり、個々の学習ニーズに応じた教育をすることができます。
また、個別指導の機会も多く、学習面でのサポートが充実しているのが特徴です。
メリット

次にインターナショナルスクールへ入学するメリットについて解説します。
- 圧倒的な英語力を身につけることができる
- 多様性や国際感覚を身につけることができる
- 海外進学をしやすい環境
- ハイレベルの教育を受けることができる
それぞれ解説します。
圧倒的な英語力を身につけることができる
インターナショナルスクールでは算数(数学)・国語などの授業も含めすべて英語で行われます。もともと持っている英語力に加え日常的に英語を話すためリスニングやスピーキング能力などが向上していきます。
英語を習いにいくのではなく、英語で習うことになるので、英会話教室や塾とは別物です。
卒業後、海外に進学または働きに出る場合でも不自由のない「使える英語」を身につけることができるのです。
多様性や国際感覚を身につけることができる
インターナショナルスクールでは、多国籍の生徒が集まり、異なる文化背景を持つ子どもたちと共に学ぶ環境が整っています。この多文化環境は、子どもたちにとって大きなメリットとなります。異なる価値観や習慣に触れることで、子どもたちは多様性を尊重し、異文化理解を深めることができます。
また、外国の友だちを作ることで、子どもたちは異なる視点から物事を考える力を養います。これは、将来のグローバル社会での活躍に不可欠なスキルです。
海外進学をしやすい環境
IB(国際バカロレア)認定を受けているインターナショナルスクールの場合、国際的に通用する大学入学資格である「国際バカロレア資格」を高校卒業と同時に取得できます。またこの資格を持つ生徒のうちインターナショナルスクール高校を卒業した8割以上が、海外の大学へ進学しています。
国際バカロレア認定証書(ディプロマ)を手に入れることで、グローバルに通用する大学認定資格を得ることができ、アメリカのハーバード大学やスタンフォード大学、カナダのトロント大学やマギル大学、イギリスのオックスフォード大学やケンブリッジ大学など世界ランキング上位の大学に進学する生徒が多いです。
ハイレベルの教育を受けることができる
インターナショナルスクールは、グローバルスタンダードに基づいた高い水準で教育を行っています。そのため、国際的に認められた教育プログラムを採用しており、子どもたちは質の高い学びの環境で教育を受けることができるのです。
例えば、国際バカロレア(IB)やアメリカのカリキュラム、イギリスのカリキュラムなど、多様な選択肢があります。これらのカリキュラムで学習することにより、子どもたちは世界中のどこでも通用する知識とスキルを身につけることができます。
さらに、インターナショナルスクールでは多様な科目が用意されており、子どもたちは自分の興味や関心に応じて幅広い分野を学ぶことができます。科学や数学、文学、アート、スポーツなど、学びの選択肢が豊富にあるため、子どもたちの好奇心を刺激し、成長させるでしょう。
通わせるべき5つの理由

インターナショナルスクールへ子どもを通わせるべき5つの理由を最後に紹介します。
- グローバルな視野を育てる教育環境
- 多様な学びのアプローチ
- 社会性やコミュニケーション能力の向上
- 批判的思考と創造性の育成
- 豊富な課外活動
それぞれ解説します。
グローバルな視野を育てる教育環境
インターナショナルスクールは、さまざまな国の生徒や教師が集まる多文化環境です。このような環境は、子どもたちに異なる文化や価値観に対する理解を深めさせ、多様性を尊重する姿勢を養います。また、異なる文化背景を持つ友だちとの交流を通じて、子どもたちは異なる視点から物事を考える力を育てます。
このような経験は、将来のグローバル社会での活躍に不可欠なスキルです。異文化理解と共感力を身につけることで、子どもたちは異なる背景を持つ人々とのコミュニケーションを円滑に行うことができるようになるでしょう。
多様な学びのアプローチ
インターナショナルスクールでは、さまざまな学びのアプローチが採用されています。個々の学習スタイルに合わせた教育方法や、プロジェクトベースの学習、探究学習などがその一例です。これらにより、子どもたちは自分に合っている学習方法を見つけ、主体的に学ぶ姿勢を養うことができます。
プロジェクトベースの学習では、子どもたちは実際の問題に取り組み、解決策を考えるプロセスを通じて、実践的なスキルを身につけます。また、探究学習では、自分の興味を追求し、自らリサーチを行うことで、深い理解と応用力が養われます。
社会性やコミュニケーション能力の向上
インターナショナルスクールでは、さまざまな国の生徒や教師が集まる環境で日常的に交流する機会があります。この環境で育つことで、子どもたちは社会性やコミュニケーション能力を自然に身につけることができます。
例えば、クラス内でのグループディスカッションや共同プロジェクトを通じて、子どもたちは相手の意見を尊重し、自分の意見をわかりやすく伝える力を養います。こうした力は、将来の職場や社会でのコミュニケーションが円滑に行えるようにするために役立つでしょう。
批判的思考と創造性の育成
インターナショナルスクールでは、批判的思考と創造性を養う教育が重視されています。プロジェクトベースの学習やディスカッションを通じて、子どもたちは自ら考え、問題を解決する力を養います。これにより、単に知識を詰め込むのではなく、実際に応用できるスキルを身につけることができます。
また、批判的思考を養うことで、情報を分析し、評価する能力が向上します。これらが育成されていくと、複雑な問題に対しても冷静に対処できる力が身につきます。
豊富な課外活動
インターナショナルスクールでは、学業以外にも豊富な課外活動があります。スポーツ、アート、音楽、演劇、科学クラブなど、多岐にわたる活動が用意されており、子どもたちは自分の興味や才能を伸ばす機会を持つことができます。
これらの課外活動を通じて、子どもたちはリーダーシップやチームワーク、問題解決能力を身につけることができます。例えば、スポーツチームでの活動を通じて、仲間と協力して目標を達成する喜びや、アートクラブでの創作活動を通じて、創造性や表現力を高めることができます。これらにより、子どもたちはバランスの取れた人格形成を図ることができます。