「英語漬けの環境で子どもに勉強させてあげたい!」「多様性や国際感覚を身につけて欲しい!」と考えて、インターナショナルスクールへの入学を検討する方も近年増加傾向にあります。
そこで、今回はインターナショナルスクールの特徴やメリット・デメリットを中心に解説していきます。
インターナショナルスクールとは?

そもそもインターナショナルスクールとはどのようなところなのでしょうか?
インターナショナルスクールとはもともと、日本に住んでいる外国籍の子どものために作られたスクールです。
ですが、最近ではインターナショナルスクールでは国際的なカリキュラムや教育方針を採用し、多角的な環境で学ぶことができるとして、日本人だけど通わせたいと考える親も増えてきています。
それに伴い外国籍の子どもだけでなく、日本人でも入学できる学校も増加しています。
インターナショナルスクールの特徴
インターナショナルスクールにはどのような特徴があるのでしょうか?
大きな特徴を3つ挙げます。
- 日常生活が英語
- さまざまな国籍の子どもたちがいる
- 高額な学費
インターナショナルスクールでは授業を含めた日常生活の全てが英語で話されます。
幼少期の頃から、「使える英語」に触れることで、英語力だけでなくコミュニケーション能力も養うことができます。
また、インターナショナルスクールには欧米諸国やアジア諸国、オーストラリアなどさまざまな国から子どもが集まります。
そのため、多様性の感性や国際感覚を身につけることができます。そのような感性を幼少期のうちから身につけることで、グローバルな人材として成長が期待できるでしょう。
学費が高額なのも、インターナショナルスクールの大きな特徴の一つです。
一般的に学費の相場は150万円〜300万円と言われています。
小学校・中学校・高校ともにインターナショナルスクールの学費が日本の公立校・私立校を上回っています。
そのため、インターナショナルスクールへの入学を検討する際は学費がいくらかかるのかも要チェックポイントです。
インターナショナルスクールのメリット

では次にインターナショナルスクールに通うメリットについて解説していきます。
- 圧倒的な英語力を身につけることができる
- 多様性や国際感覚を身につけることができる
- 海外進学をしやすい環境
- さまざまな課外活動がある
- 主体性が身につく
それぞれ解説していきます。
圧倒的な英語力を身につけることができる
インターナショナルスクールでは算数(数学)・国語などの授業も含めすべて英語で行われます。もともと持っている英語力に加え日常的に英語を話すためリスニングやスピーキング能力などが向上していきます。
英語を習いにいくのではなく、英語で習うことになるので、英会話教室や塾とは別物です。
卒業後、海外に進学または働きに出る場合でも不自由のない「使える英語」を身につけることができるのです。
多様性や国際感覚を身につけることができる
上記でも述べた通り、インターナショナルスクールは、多国籍の生徒が集まり、さまざまな文化や価値観が集まる環境です。この多文化環境で学ぶことで、子どもたちは異なる文化や価値観を理解し、尊重する力を自然と身につけます。
そして異なる文化などの背景を持つ友だちとの交流を通じて、異文化理解が深まり、多様な視点から物事を考える力が養われます。
また、インターナショナルスクールでは、多文化イベントや行事が頻繁に行われます。
これにより、子どもたちは異なる文化の祭りや伝統に触れる機会が多くなるのです。例えば、ハロウィンやイースター祭など、スクールによって内容は変わりますが、各国の文化を体験することで、文化的な多様性への理解が深まります。
海外進学をしやすい環境
IB(国際バカロレア)認定を受けているインターナショナルスクールの場合、国際的に通用する大学入学資格である「国際バカロレア資格」を高校卒業と同時に取得できます。またこの資格を持つ生徒のうちインターナショナルスクール高校を卒業した8割以上が、海外の大学へ進学しています。
国際バカロレア認定証書(ディプロマ)を手に入れることで、グローバルに通用する大学認定資格を得ることができ、アメリカのハーバード大学やスタンフォード大学、カナダのトロント大学やマギル大学、イギリスのオックスフォード大学やケンブリッジ大学など世界ランキング上位の大学に進学する生徒が多いです。
このようにIB認定を受けているスクールは、海外進学を希望する親子にとって理想的なスクールなのではないでしょうか。
さまざまな課外活動がある

インターナショナルスクールではさまざまな課外活動があるため、学業以外の分野も養うことができるのです。例えば、スポーツやアート、音楽や異文化交流などがあります。
スポーツ活動ではサッカー、バスケットボール、バレーボール、テニス、水泳など、多様なスポーツが行われています。これらの活動を通じて、子どもたちは体力を向上させるだけでなく、チームワークやフェアプレイの精神を学びます。
他にも、音楽やアートのプログラムも充実しており、子どもたちは楽器の演奏や合唱、絵画や彫刻などの創作活動に取り組むことがあります。これにより、創造力や表現力が養われるだけでなく、自己表現の方法を学びます。
また、インターナショナルスクールでは、多国籍の生徒が集まるため、自然と異文化交流が盛んに行われます。文化祭や国際デーなどのイベントを通じて、さまざまな国の文化や伝統に触れることができます。これにより、異なる文化を尊重し、理解する力が養われていきます。
このようにさまざまな課外活動があることで、子どもたちは多彩な才能を伸ばすことができるのです。
主体性が身につく
インターナショナルスクールでは、筆記試験に加え、プレゼンテーションやプロジェクトの評価も重視されます。生徒は自分のアイデアを具体化し、他の人に伝えるスキルを養います。これに伴い、主体的に考え行動する力が育たれます。
例えば、学期末のプロジェクトでは、テーマ選定から発表までの全過程を自分で管理しなければいけないスクールもあり、これにより、責任感と自主性が自然と身につくのです。
また、インターナショナルスクールでは、クリティカルシンキング(批判的思考)の育成にも力を入れています。
授業では、生徒が自分の意見を述べ、他の友達の意見を聞いて議論する機会が多くあります。
例えば、ディベートやグループディスカッションを通じて、自分の意見を論理的にまとめ、友だちと協力して問題を解決するスキルを学びます。そうすることで、生徒は論理的な思考力と協力する能力を身につけることができるようになるのです。
インターナショナルスクールのデメリット

最後に、インターナショナルスクールに通う際に気をつけるべきこと、デメリットなどを紹介します。
- 入学時にある程度の英語力が求められる
- 日本の学校に進学しづらくなる
- 義務教育を受けたことにならない場合がある
- 学費が高い
- 日本の文化が身につかない
それぞれ解説していきます。
入学時にある程度の英語力が求められる
インターナショナルスクールは上記でも述べた通り、授業を含めた日常生活全てが英語で話されます。そのため、入学してから英語を学ぼうとすると、周りの生徒から遅れを取ったり、授業についていけなくなってしまいます。
したがって、インターナショナルスクールへ入学をするためにはある程度の英語力があった方がいいです。
また、円滑なコミュニケーションを図るために、スクール側から親の英語力を求められる場合もあります。
日本の学校に進学しづらくなる
インターナショナルスクールのほとんどは学校教育法一条に求められている「一条校」ではありません。
通うスクールが一条校以外の場合、義務教育を受けたことにならないため、公立校の編入が認められなくなってしまうのです。
また、インターナショナルスクールでは、国際バカロレア(IB)やケンブリッジ国際教育などの国際的なカリキュラムが採用されています。
これらは日本の教育システムと大きく異なり、日本の学校のカリキュラムに沿った内容を学ぶことができません。その結果、日本の高校や大学に進学する際に必要な学力や知識が不足してしまう場合があるのです。そのため、受験対策が十分にできない可能性があります。
義務教育を受けたことにならない場合がある

上記でも述べた通り、通おうと考えているインターナショナルスクールが「一条校」以外の場合、義務教育を受けたことにならないため、公立校への編入が認められない場合があります。
将来的に子どもを日本の学校へ進学させたい場合には、義務教育を終えるまでに一条校として認定されている日本の学校へ転校しなければいけません。
海外進学を目指す場合は一条校でなくても関係ないので、一条校かどうかを気にする必要はありません。
またインターナショナル高校を卒業したとしても大学受験資格を得ることができない場合があり、日本の大学進学を希望する場合には、インターナショナルスクールの法的な位置付けをしっかり把握しておくことが必要になります。
学費が高い
上記でも述べましたが、インターナショナルスクールといえば学費が高額なのがネックなところです。
では一般的な日本の学校と比べてどのくらいの違いがあるのでしょうか?
小学校(公立) | 小学校(私立) | 小学校(インター) | 中学校(公立) | 中学校(私立) | 中学校(インター) | |
学費総額(年間) | 約30万円 | 約150万円 | 約200万円 | 約48万円 | 約130万円 | 約200万円 |
上記の表を見てもらうとインターナショナルスクールは小学校・中学校共に約200万円近くかかることがわかります。加えて、私立学校の約1.5倍近くかかり、公立学校と比べると4倍以上学費が違います。
したがって、インターナショナルスクールに通わせるにはある程度の経済力が必要なのです。
日本の文化が身につかない
インターナショナルスクールに通うことで、グローバルな視点や多文化理解が深まる一方で、日本の文化を十分に学ぶ機会が少ないというデメリットもあります。
多くのインターナショナルスクールでは、日本の伝統行事や文化的なイベントが十分に取り入れられていません。例えば、節分、ひな祭り、端午の節句など、日本の四季折々の行事を体験する機会が少なく、これにより子どもたちは日本の伝統や文化を深く理解することが難しくなってしまう場合があります。
また、上記でも述べましたがインターナショナルスクールでは国際的なカリキュラムを取り入れているため、日本の教育システムとは異なる内容を学びます。このため、日本の教育制度や受験制度に適応するための準備が足りなくなってしまうことがあります。
特に、日本の大学入試を考える場合、日本の教育カリキュラムに合わせた補習が必要になることが多いです。