インターナショナルスクールを退学・退校するには?手続き・通知期限・必要書類を解説!

こんな人向けの記事です
  • インターナショナルスクールを辞めたいけれど、最初に誰へ伝えればいい?
  • 退学届を提出すれば、すぐに退校できる?

「成績証明書や在籍証明書は、いつ頼めば間に合う?」

「日本の公立学校へ戻る場合は、どのような手続きが必要?」

転勤、学費の負担、子どもと学校との相性、進路変更などを理由に、インターナショナルスクールからの転校を検討する家庭もあります。

しかし、インターナショナルスクールの退学は、担任へ意思を伝えるだけでは完了しません。

正式なWithdrawal Formの提出、学費の精算、学校から借りている物の返却、成績証明書の取得、スクールバスや給食の解約など、複数の手続きが必要です。

さらに、日本の公立小・中学校へ移る場合は、インターナショナルスクールの法的な位置づけによって、転入できる学年や必要な手続きが変わる可能性があります。

先に結論をお伝えすると、退学を考え始めたら、次の2つを同時に進めることが重要です。

  1. 現在の学校を退学するための手続き
  2. 次の学校へ入学するための手続き

この記事では、退学を決めてから最終登校日までの流れと、必要書類、学校ごとの違い、家庭で準備すべきことを解説します。

インターナショナルスクールの退学手続きは6段階

一般的な退学手続きは、次の順番で進みます。

手続き主な内容
1.転校先の確認入学可否、学年、入学日を確認する
2.退学規定の確認通知期限、返金、支払義務を確認する
3.正式な退学通知Withdrawal Formなどを提出する
4.学費・サービスの精算授業料、バス、給食などを確認する
5.貸与品の返却端末、書籍、制服、鍵などを返す
6.学校記録の取得成績表、在籍証明書などを受け取る

退学届の提出だけで、すべての手続きが自動的に完了するとは限りません。

学校によっては、退学の意思を伝えるWithdrawal Formとは別に、学校内の各部署を回って確認を受けるCheckout Formを提出する必要があります。

退学を伝える前に転校先を確認する

原則として、現在の学校へ正式な退学通知を出す前に、転校先の入学可能性を確認しておきましょう。

特にインターナショナルスクールでは、希望する学年に空きがなかったり、入学試験や英語力審査に通らなかったりする可能性があります。

退学通知を提出した後に転校先へ入れないことが分かっても、現在の学校の座席が別の志願者へ割り当てられている場合があります。

最低限、次の点を確認してください。

  • 希望学年に空きがあるか
  • 入学可能日はいつか
  • 英語力・学力審査があるか
  • 現在の学年がそのまま認められるか
  • どの学校記録が必要か
  • 現在の学校から直接送る書類があるか

インターナショナルスクールチョイスには転校先を探す流れを解説した記事がありますが、本記事ではその前後に必要となる、現在の学校からの退学処理に焦点を当てています。転校先の出願では、直近2〜3年分の成績表、在籍証明書、推薦状などを求められることがあります。

退学通知はいつまでに出す?

学校によっては、退学希望日の数週間から1学期以上前までに、正式な書面通知を求めています。

通知期限を過ぎると、最終登校日以降の学費を支払わなければならない可能性があります。

学校によって異なる通知ルール

学校公開されている主な手続き
NIS退学予定日の1か月以上前にオンラインWithdrawal Form、2週間以上前にCheckout Form
BST1学期分以上前に書面通知。期限を満たさない場合は1学期分の学費が必要
ASIJ最終登校予定日を書面で通知。返金には学期ごとの期限がある
YISオンラインでWithdrawal Noticeを提出し、学校の案内に沿って精算・返却・書類申請を進める

名古屋国際学園では、年度途中と年度末の退学で基本的な流れは同じです。退学予定日の1か月以上前にオンラインフォームを提出し、2週間以上前にはCheckout Formを提出するよう定めています。

The British School in Tokyoでは、退学予定日の1学期分以上前にAdmissions Officerへ書面通知を行う必要があり、期限を満たさない場合は、通知の代わりとして1学期分の学費を支払う規定があります。

比較の際は、「いつ学校を辞めるか」だけでなく、いつまでに、誰へ、どの形式で伝えるかを確認しましょう。

担任へ口頭で相談した日ではなく、学校が正式なWithdrawal Formを受け取った日が通知日として扱われる可能性があります。

Withdrawal Formに記載する内容

学校指定のフォームには、一般的に次の内容を記載します。

  • 子どもの氏名
  • 現在の学年・クラス
  • 保護者の氏名・連絡先
  • 最終登校予定日
  • 退学理由
  • 転校予定先
  • 転居先の国・地域
  • 学校記録の送付先
  • 兄弟姉妹の退学有無

学校から指定フォームが案内されていない場合は、Admissions OfficeまたはSchool Officeへ次のように問い合わせます。

We are considering withdrawing our child from the school. Could you please let us know the formal withdrawal procedure and notice period?

子どもの退学を検討しています。正式な退学手続きと通知期限を教えていただけますか?

正式に退学を申し出る場合は、次のように書けます。

We would like to formally notify the school that our child, Haru Tanaka in Grade 5, will withdraw from the school. His final day of attendance will be June 20.

Grade 5のHaru Tanakaが退学することを正式にお知らせします。最終登校日は6月20日の予定です。

退学届の後に必要なCheckoutとは?

Checkoutは、学校内に残っている手続きや貸与品を確認し、退学処理を完了させる作業です。

確認される項目には、次のようなものがあります。

  • 図書館の本
  • 学校貸与のパソコン・タブレット
  • 充電器や付属品
  • スポーツ用品・ユニフォーム
  • ロッカーキー
  • 美術・音楽などの教材
  • 未提出課題
  • 未払いの学費
  • バス・給食・課外活動の料金

YISの退学フォームでは、送信後にAdmissions Teamが、学校所有物の返却、未払い費用の精算、学校記録の請求など、残りの手続きを案内するとしています。

NISでも、成績表やTranscriptを受け取るためにはCheckout Formを完了する必要があります。生徒は最終登校日の約1週間前から、図書館の本やスポーツユニフォームなどを返却し、必要な確認を受けられます。

編集部の一言

退学手続きで見落としやすいのは、Withdrawal FormよりもCheckoutです。

保護者が退学届を提出していても、子どもが図書館の本を返していなかったり、端末の付属品が不足していたりすると、最終日に書類を受け取れない場合があります。

最終登校日の前日にまとめて返そうとせず、1〜2週間前から学校用品を家庭内で確認しましょう。

退学時に受け取っておきたい必要書類

次の学校への入学や将来の進学に備えて、以下の書類を確認しましょう。

成績表・Transcript

小学生ではReport Card、中高生ではTranscriptと呼ばれることが一般的です。

Transcriptには、履修した科目、成績、取得単位などが記載されます。

ただし、学期途中で退学すると、その学期の正式な成績が記載されない可能性があります。

NISでは、中高等部の正式な成績表は学期終了後に発行されます。学期途中で退学する場合、Transcriptに記載されるのは前学期または前年度までの科目・単位となる場合があります。

転校先が最新の学習状況を求める場合は、次の書類を依頼できるか確認しましょう。

  • Progress Report
  • Interim Report
  • Unofficial Transcript
  • Teacher Comment
  • Current Course List

公式Transcriptは、学期が終わる前には完成しないことがあります。途中転校では、正式成績証明書と暫定的な学習記録を分けて準備することが重要です。

在籍証明書

在籍証明書は、子どもがいつからいつまで、どの学年に在籍していたかを示す書類です。

次の学校への出願、ビザ申請、会社の教育費補助、自治体の手続きなどで求められることがあります。

YISでは、在籍証明書の発行に最大1スクールウィークかかる場合があり、退学家庭については最終登校日または学費精算後まで発行できない可能性があると案内しています。

推薦状・学校指定フォーム

転校先が現在の担任、校長、カウンセラーによる推薦状を求める場合があります。

保護者へ書類を渡すのではなく、現在の学校から転校先へ直接送信する形式も少なくありません。

NISでは、転校先指定の推薦フォームをAcademic Officeへ事前に提出し、必要な連絡先を伝えれば、転校先のAdmissions Officeへ直接送付できます。

そのほかの書類

  • 出席記録
  • MAPなど標準テストの結果
  • 予防接種記録
  • 健康診断・医療情報
  • IEP・個別支援計画
  • EAL・英語支援の記録
  • 在籍中に使用したカリキュラム情報
  • 履修科目のCourse Description

高校生は、科目名だけでは転校先が単位を正しく換算できない場合があります。

数学、理科、外国語などの履修内容を説明できるCourse DescriptionやSyllabusも保存しておくと、学年配置や単位認定の判断に役立ちます。

未払い費用があると学校記録を受け取れない?

学校によっては、学費や各種料金が未納の場合、成績表やTranscriptなどの発行を保留する規定があります。

ASIJは、支払いが滞っている場合、登校だけでなく、成績、Transcript、在籍・成績記録の発行を制限する可能性を明記しています。

BSTにも、学費未納時には学校記録やReportの発行を制限できる規定があります。

退学前には、授業料だけでなく、次の未払いがないか確認しましょう。

  • スクールバス代
  • 給食費
  • 課外活動費
  • 校外学習費
  • 図書館の紛失費
  • 端末の修理・交換費
  • 返却されていない貸与品

転校先の出願期限が迫っている場合、書類の発行が止まると入学審査に影響します。請求書に不明点があっても放置せず、Accounting Officeと早めに整理してください。

日本の公立小・中学校へ戻る場合の注意点

インターナショナルスクールから日本の公立学校へ転校する場合は、最初に住所地の教育委員会へ相談しましょう。

日本国籍のみを持つ子どもが、一条校として認められていないインターナショナルスクールへ通っていても、法律上の就学義務を履行したことにはなりません。文部科学省は、一条校ではないインターの小学部修了後や中学部在籍中に、日本の中学校へ移る場合、制度上そのまま入学・編入できないことがあると説明しています。

自治体によって案内や個別対応が異なるため、「退学してから公立校へ申し込む」のではなく、退学日を確定する前に教育委員会へ相談してください。

世田谷区では、インターナショナルスクールから区立小・中学校への転学を希望する場合、事前に学務課で手続きを行うよう案内しています。特に公立中学校への転入は、小学校の卒業資格との関係があるため注意が必要です。

一方、自治体によっては、インターナショナルスクールで取得できる在籍証明書や成績証明書を、任意資料として提出するよう案内しています。

最近は退学手続きもオンライン化している

現在は、保護者ポータルや専用フォームから退学通知を提出する学校が増えています。

YISではオンラインのWithdrawal Noticeを提出した後、Admissions Teamが残りの手続きを案内します。NISでも、オンラインWithdrawal Formと紙のCheckout Formを組み合わせた手続きが採用されています。

ただし、オンライン化されているからといって、退学手続きが即日で完了するわけではありません。

  • 正式な退学通知
  • 学費の精算
  • 学校所有物の返却
  • 各担当者の確認
  • 成績確定
  • 書類発行

これらは別々に処理されます。

オンラインで提出した日と、すべての退学処理が完了する日は異なると考え、余裕を持って進めましょう。

口コミ・評判から見える保護者の悩み

転校や海外赴任を経験した家庭の体験談では、次のような悩みが見られます。

  • 英文の成績証明書を依頼したが、完成まで予想以上に時間がかかった
  • 学期途中のため、最新学期の正式な成績を発行してもらえなかった
  • 転校先指定の推薦状を、現在の先生へいつ頼むべきか迷った
  • 子どもへ転校を伝える前に、学校へ相談してよいか悩んだ
  • 転校先と現在の学校で学年・単位の考え方が違った

英文書類の作成に慣れていない学校へ依頼した家庭では、書き直しなどが発生し、出国直前まで準備に時間がかかったという体験談もあります。

また、NISでは、家庭が子どもへ伝える前に退学手続きを始めたい場合、Withdrawal Formの内容を保護者と一部の学校関係者だけで共有する相談もできると案内しています。

退学は事務手続きであると同時に、子どもにとって友人、先生、生活環境との別れでもあります。

書類を急ぐあまり、子どもへの説明や引き継ぎが後回しにならないよう注意しましょう。

家庭でできる「退学ファイル」の作り方

退学を決めたら、紙またはクラウド上に「退学ファイル」を作るのがおすすめです。

保存するもの

  • 入学時の契約書
  • Fee Schedule
  • Withdrawal Policy
  • 退学フォームの送信記録
  • 学校とのメール
  • 最終登校日の確認
  • 学費の精算書
  • 貸与品返却の記録
  • 成績表・Transcript
  • 在籍証明書
  • 出席記録
  • 推薦状の依頼状況
  • 転校先への送信記録

最終登校日の2か月前を目安に確認すること

  • 転校先の空き状況
  • 退学通知期限
  • 返金・支払義務
  • 必要書類の一覧
  • 推薦状の作成期間

1か月前に行うこと

  • 正式なWithdrawal Formの提出
  • 成績証明書・在籍証明書の申請
  • スクールバス・給食などの解約確認
  • 転校先と書類の送付方法を確認

2週間前に行うこと

  • Checkout Formの提出
  • 図書館の本や端末の確認
  • 未払い費用の精算
  • 子どもの作品・データの保存
  • 先生やクラスへの挨拶方法を相談

最終登校日に確認すること

  • すべての貸与品を返却したか
  • 受け取る書類に不足がないか
  • 後日発行される書類は何か
  • 学校ポータルへいつまでログインできるか
  • 学校記録が転校先へ送付されたか

よくある質問

担任へ伝えれば正式な退学通知になりますか?

学校によって異なりますが、担任への口頭・メール連絡だけでは正式な通知として扱われない可能性があります。

Admissions OfficeまたはSchool Officeへ、指定のWithdrawal Formを提出してください。

退学理由は詳しく書く必要がありますか?

転勤、転居、進路変更、家庭の事情など、簡潔な理由で構わない場合が一般的です。

子どもと学校とのトラブルが理由の場合は、退学フォームとは別に校長や担当部署と話すことも検討しましょう。

学期途中でも正式な成績証明書を発行できますか?

発行できる内容は学校によって異なります。

学期が終わっていない場合、正式な成績ではなく、Progress Reportや前学期までのTranscriptになる可能性があります。

退学後でも成績証明書を請求できますか?

請求できる学校はありますが、発行期間や費用が定められている場合があります。

Saint Maur International Schoolでは、卒業・退学後の高校Transcriptについて、希望期限の10営業日以上前の申請と発行手数料を案内しています。

必要な書類は、可能な限り在学中に複数部取得し、データでも保存しておきましょう。

おわりに

インターナショナルスクールの退学手続きは、Withdrawal Formを提出するだけでは終わりません。

必要な流れは次のとおりです。

  1. 転校先の入学条件を確認する
  2. 現在の学校の通知期限を調べる
  3. 正式な退学フォームを提出する
  4. 学費やサービス料金を精算する
  5. 学校から借りている物を返却する
  6. 成績表・在籍証明書などを取得する
  7. 転校先へ学校記録が届いたことを確認する

特に注意したいのは、通知期限、学期途中の成績、未払い費用、日本の公立学校へ移る場合の制度です。

「退学届を出したから完了」と考えず、子どもの学校記録が次の学校へ正しく引き継がれるところまで確認しましょう。

余裕を持って準備することが、学習の空白や書類不足を防ぎ、子どもが新しい学校生活へ移りやすくなることにつながります。

皆さんのスクール選びと転校準備の参考になれば幸いです!