「学費が年間400万円台と聞いたけど、入学金やその他の費用込みだと実際いくらかかるの?」 「モンテッソーリからIBまで一貫してるって聞いたけど、各学年でどんな教育を受けるの?」
こういった疑問を持っている方に向けて、今回はサンモール・インターナショナルスクール(Saint Maur International School)を徹底解説します。
サンモールは1872年に横浜山手に設立された、日本およびアジアに現存する最古のインターナショナルスクールです。150年以上の歴史の中で、モンテッソーリ教育・国際初等カリキュラム(IPC)・IGCSE・IBディプロマという4段階のカリキュラムを幼稚部から高校まで一貫して提供してきました。2024年度のIBスコアランキングで日本国内2位を達成し、進学率100%・45点満点を毎年ほぼ輩出という圧倒的な実績を持っています。
この記事では、サンモールの正確な学費(2024/25年度)・モンテッソーリからIBDPへの一貫カリキュラムの全体像・国内IB校としての実績の意味・Adult Enrichment Programという保護者向けの独自制度・最新のトピック・保護者の声・YISとの比較まで、一気にまとめました。
サンモール・インターナショナルスクールってどんな学校?
サンモールを語るうえで外せないのが「アジア最古のインターナショナルスクール」という歴史です。1872年、明治維新からまだ4年という時代に、フランスのカトリック修道会「ダーム・ド・サンモール(Dames de Saint Maur)」の修道女たちが横浜山手に設立しました。
日本が近代国家としての基盤を作り始めた時代に開校し、150年以上にわたって横浜の国際コミュニティの教育を支えてきた歴史は、どの新設校にも代替できないものです。学校名の「サンモール(Saint Maur)」はフランス語で「聖マウルス(St. Maurus)」を意味し、カトリックの伝統を根底に持ちながら現在は宗教・国籍を問わずすべての子どもを受け入れています。
基本情報まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式名称 | Saint Maur International School(サンモール・インターナショナルスクール) |
| 所在地 | 神奈川県横浜市中区山手町83 |
| 設立 | 1872年(アジア最古のインターナショナルスクール) |
| 対象 | 2歳半〜Grade 12(18歳)まで |
| 在籍生徒数 | 約450〜483名 |
| 在籍国籍 | 40カ国以上 |
| 師生比 | 7:1 |
| カリキュラム | モンテッソーリ→IPC→IGCSE→IBDP(+AP・SAT) |
| 国際認定 | IB(DP)認定校・CIS・NEASC |
| フランス語学校 | キャンパス内にエコール・フランセーズあり(2007年開設) |
| アクセス | 横浜高速鉄道みなとみらい線「元町・中華街」駅より徒歩約10分 |
| 公式サイト | https://www.stmaur.ac.jp |
注目すべき点がいくつかあります。まず師生比7:1という手厚いサポート体制。457名の生徒に対して65名以上の教職員が対応する計算になります。次にキャンパス内にフランス語学校「エコール・フランセーズ」が併設されていること。フランス語を話す家庭の子どもが英語環境のインターに通いながらもフランス語教育を並行して受けられるという仕組みは、横浜在住のフランス語圏の家庭にとって重要な選択肢になっています。
また小澤征爾(指揮者)の夫人・入江美樹(女優・モデル)がサンモールの卒業生という話も、学校の独特な存在感を示す逸話のひとつです。
学費はいくら?2024/25年度の正確な数字と費用の構造
サンモールの学費については「年間260万円前後」という情報が広まっていますが、これは授業料(Tuition)単体の数字です。実際に入学時にかかるトータルの費用はそれより高くなります。2024/25年度の入学時費用(授業料+入学金・施設費等の初年度費用)の合計は学年別に以下のようになっています。
2024/25年度・入学時費用合計(公開情報より)
| 学年 | 入学時費用の目安 |
|---|---|
| モンテッソーリ(2.5〜4歳)フルデイ | 約364万9,000円 |
| モンテッソーリ 5歳(Preschool 1st year) | 約383万3,000円 |
| Grade 1〜5(小学部) | 約413万5,000円 |
| Grade 6〜9(ミドルスクール) | 約420万2,000円 |
| Grade 10〜11(ハイスクール) | 約421万3,000円 |
| Grade 12(ハイスクール最終学年) | 約437万6,000円 |
特筆すべきは「全学年でTuition(授業料)が同じ」という珍しい設計です。学年が上がっても授業料そのものは変わらず、入学時の諸費用や施設費の構成が学年によって異なる形になっています。isch-mediaの中島氏(インター受験カウンセラー)が「全学年、Tuitionは同じというのは珍しい」と言及しているほど、他のインターとは異なる設計です。
2年目以降は入学金などの初年度のみの費用がなくなるため、継続在学の場合はこれより低い年間費用になります。スクールランチやスクールバス代は別途かかります。
カリキュラムの特徴──150年の蓄積が生んだ4段階の一貫教育
サンモールのカリキュラムの最大の特徴は「モンテッソーリ→IPC→IGCSE→IB」という4つの異なるが互いに連動した教育プログラムが、2歳半から18歳まで途切れなく続く設計です。
「何を採用しているか」が重要なのではなく、「なぜその順番でその教育が続くのか」というコンセプトが一貫しているのがサンモールの強みです。サンモールは日本でモンテッソーリ教育を最初に導入した学校であり、IPCを日本で初めて取り入れた学校でもあります。「パイオニア」としての長年の試行錯誤が、現在のカリキュラム設計に反映されています。
幼児部(モンテッソーリ・2歳半〜5歳):自律した学習者を育てる
サンモールの幼児部(Preschool・Kindergarten)はモンテッソーリ教育を採用しています。異なる年齢の子どもが一つの教室で学ぶ混合年齢クラス制で、2歳半〜5歳の子どもたちが同じ空間で互いから学び合います。子どもが自分のペースで教具と関わり、内なる動機から学ぶというモンテッソーリの哲学は、後の探究型学習(IPC・IB)へのスムーズな移行を下地として作ります。
日本でモンテッソーリ教育を最初に取り入れた学校という事実は、単なる歴史の話ではありません。50年以上にわたってモンテッソーリの実践を積み重ねてきた蓄積が、教員のノウハウとして校内に残っているという意味があります。
初等部(IPC・Grade 1〜5):探究が日常の小学校教育
小学部(Grade 1〜5)ではIPC(International Primary Curriculum・国際初等カリキュラム)を採用しています。歴史・科学・社会・地理の学習を探究型で展開するIPCは、「授業のための暗記」ではなく「世界を理解するための探究」をコンセプトにしています。校外学習も充実しており、Apple Japan・三菱みなとみらい技術館・国立科学博物館・MORIUM(横浜市内の博物館系施設)などへの訪問が組み込まれています。EAL(英語を追加言語として学ぶ)プログラムも設けられており、英語が第一言語でない生徒の学習サポートを提供しています。
サンモールがIPCを日本で最初に導入した学校というバックグラウンドも、「実績なく採用した」のではなく「長年の試行錯誤の中で選択してきた」という重みがあります。
中等部(IGCSE・Grade 6〜10):国際標準の実力評価
中等部(Grade 6〜10)ではIGCSE(国際中等教育修了証書)カリキュラムが展開されます。英語・自然科学・数学・社会科・技術(コンピュータ応用・コンピュータ科学・ロボット工学)・美術・世界言語(日本語+フランス語またはスペイン語)・宗教学・体育という幅広い教科構成です。Grade 6〜8は1クラス24〜40名、担任2名・アドバイザリー教員1〜2名という体制で、1日55分授業が6コマ、2週間サイクルで展開されます。
高等部(IBDP+AP・Grade 11〜12):国内IB2位の実力
高等部ではIBのDPプログラムが中心で、Grade 11〜12の生徒全員がIBプログラムを受けます。サンモールのDPの特筆すべき特徴が「柔軟性の高さ」です。IBフルDiplomaだけでなく、特定科目のIB Certificateのみを目指すことも可能。さらにHL(上位レベル)科目を最大4つまで履修できる(一般的なIB校では3つが上限)という高い柔軟性があります。3人以上の履修希望者がいれば、少人数でも科目を開講するという学校の姿勢も際立っています。
IBに加えてAP(Advanced Placement・米国の大学先取り科目)・PSAT・SATも受験可能で、北米大学への進学ルートも広く対応しています。
最新トピック:IB国内2位・サマースクール2025・大学進学実績
2024年度:IBスコアランキング日本国内2位を達成
最も重要な最新情報がこれです。2024年度のIBスコアランキングで、サンモールは日本国内のIB校の中で平均スコア2位を記録しました。進学率100%・45点満点をほぼ毎年輩出という実績と組み合わせると、サンモールが日本のIB教育の最上位を争う学校であることが数字で裏付けられています。
この実績の背景には、少人数クラスの丁寧な指導体制と、3人以上の希望があれば科目を開講するという柔軟な対応力があります。一般的なIB校では「受講者が少ない科目は開講しない」という制約が生まれやすいですが、サンモールはその制約を取り除いています。
2025年:サマースクール実施(外部生も参加可)
2025年6月16日〜7月4日に、2歳半〜高校3年生を対象としたサマースクールが実施されました。アカデミック強化・語学集中(英語・フランス語・日本語)・STEM教育(科学実験・プログラミング・ロボティクス)・芸術創作・スポーツキャンプ・文化体験(茶道・書道・伝統工芸)という幅広いプログラムが外部生にも開放されており、「入学前にサンモールの雰囲気を体験できる機会」として活用する家庭も多いとのことです。
大学進学実績の具体的な顔ぶれ
進学先として確認されている大学には、国内から上智大学・ICU(国際基督教大学)、海外からUniversity of Toronto・New York Universityなどが含まれます。IBのスコアランキング国内2位という実績が、世界の名門大学への進学実績を支えています。
保護者向けのユニークな制度:Adult Enrichment Program
サンモールが他のインターと大きく異なるのが「Adult Enrichment Program(大人のための充実プログラム)」という保護者・地域コミュニティ向けの取り組みです。1990年代から始まったこの制度は、現在40〜50種類のプログラムを提供しています。
一回限りの単発イベント(民家見学・もちつきなど)から、月に数回の定例プログラム(語学クラス・華道・合気道・各国料理)まで多様な内容が揃っています。特徴的なのが「保護者がボランティア講師になれる」という仕組みです。何かを教える代わりにプログラムのメンバーとして参加できるという相互扶助型の設計は、学校コミュニティそのものが一つの「学び合いの場」として機能していることを示しています。
日本語が話せない保護者・家族が自分で習い事を見つけられない場合にも、このプログラムが横浜での生活の拠り所になるというのは、駐在員家庭が多い横浜のインター特有のニーズに応えた設計です。
口コミ・評判──保護者の声から見えるサンモールのリアル
さまざまなメディアや保護者コミュニティから集めた声を整理します。
繰り返し出てくるポジティブな声
「IB実績が信頼できる」という声は、教育意識の高い保護者層から多く出ています。2024年度国内2位という数字に加え、「45点満点をほぼ毎年輩出」という積み重ねが「数字で確認できる学校」としての信頼を生んでいます。
「師生比7:1という少人数制が機能している」という評価もあります。450名規模の学校で師生比7:1を維持することは、先生の目が行き届く環境として実感されており、「一人ひとりへの丁寧なサポートが感じられる」という保護者の声が複数確認できます。
「モンテッソーリからIBまでの一貫性が良い」という声も目立ちます。幼稚部から高校まで同じ校舎・同じコミュニティで成長できる環境は、子どもの安定した発達を支えるとして評価されています。
カトリック系でありながら「宗教を強制されることなく多様な文化に対してオープン」という点も保護者に安心感を与えているようです。「カトリック系が気になって迷っていたが、実際は宗教的な強制は全くなかった」という声は複数の保護者から出ています。
慎重に見る声もある
「入学要件がある」という点は日本人家庭にとって現実的なハードルです。「英語で2年以上教育を受けているか、または両親のどちらかが外国籍であること」という入学要件があるため、純粋な日本人家庭が入学させることは基本的に難しいです。
また「横浜山手という立地は住んでいるエリアによってはアクセスに手間がかかる」という声もあります。元町・中華街駅から徒歩10分という立地は便利な一方、駅からの坂道を考慮すると子どもの通学には一定の負担があります。
編集部の一言:サンモールは「横浜で最もIB実績が信頼できる150年の老舗インター」
横浜のインターを比較したとき、サンモールとYIS(横浜インターナショナルスクール)の2校が必ず並びます。両校ともに横浜山手・元町エリアに位置し、どちらも歴史と実績を持つ名門インターです。
この2校の最大の違いを編集部なりに整理します。YISは808名という大規模な在籍で、隈研吾設計の新キャンパスと室内25mプールなど圧倒的な施設を誇ります。対してサンモールは450名前後の小規模・師生比7:1という手厚さ・「IB国内2位」という直近の実績・そして1872年から続く「アジア最古の歴史」が最大の強みです。
特に2024年度のIBスコアランキング国内2位という数字は、サンモールを選ぶ理由として非常に明確です。「大規模な施設より、先生との距離の近い環境でIBを高水準で取らせたい」という家庭にとって、サンモールはYISに勝る選択肢になりえます。
ただし入学要件(英語で2年以上の教育歴、または外国籍の親)は日本人家庭にとっての現実的な壁です。この条件を満たす帰国子女・外国籍の親を持つ家庭・外国からの転勤家庭にとっては、150年の歴史とIB国内トップクラスの実績を持つサンモールは横浜で最も信頼できる選択肢のひとつといえます。
おわりに
今回はサンモール・インターナショナルスクールについて、アジア最古という唯一無二の歴史・2024年度IB国内2位の実績・正確な学費(2024/25年度)・モンテッソーリ→IPC→IGCSE→IBという4段階の一貫カリキュラム・Adult Enrichment Programという保護者向け制度・保護者の声・YISとの比較まで一気にまとめました。
横浜で本格的なIB教育を子どもに受けさせたい家庭は、まずは公式サイトやサマースクールへの参加でサンモールの雰囲気を直接体験してみてください。
皆さんのスクール選びの参考になれば幸いです!

