「共通テストの代わりにできるって本当?」高校生が英検を意識し始めると、こんな不安や疑問が一度に押し寄せてくることがあります。学校の先生の説明も大学のパンフレットも少し専門的で、自分の立場に置き換えたときに結局どれくらい得なのかが見えにくいのも無理はありません。
ただ、大学受験での英検の扱いは制度が複雑に見えるだけで、整理すると「どこで点になるか」「どの級が強いか」「どの受験方式で活かせるか」が明確になります。
ここでは、一般選抜・総合型選抜・学校推薦型選抜の違いをふまえながら、英検がどれだけ有利になるのかをまとめていきます。
英検は大学受験でどれくらい力になるのか

英検が大学受験に使えると聞くと「満点扱いになる大学がある」「提出すると優遇されるらしい」といった断片的な情報だけが先に入ってきて、実際の仕組みがイメージしにくくなりがちです。
しかも大学ごとに制度が違い、国公立と私立でも評価軸が変わるため、正確な情報に触れても自分にどう関係するのか判断しづらいのが高校生にとっての難しさでもあります。
とはいえ、英検が評価される場面は複雑に見えるだけで、実際には大きく三つの使われ方に分かれます。大学受験全体の地図を最初にざっくりつかんでおくと、後から細かい制度を見たときも混乱が減ります。ここでは、その全体像を整理していきます。
英検の評価軸は大学によって大きく違う
まず知っておくと一気に理解が進むポイントが、
「英検の評価は大学によってまったく違う」
という事実です。
私立大学は、
・英語免除
・満点換算
・加点方式
などの制度を取り入れているところが多く、英検を積極的に評価する傾向があります。
一方、国公立大学は、
・CEFR換算での利用
・出願資格の条件
・英語の最低基準の証明
といった形で使われることが多く、私立とは評価の仕方が異なります。
この「大学ごとの差」が、英検の仕組みを分かりにくくしている理由でもあります。しかし見方を変えると、英検の価値は大学によって大きく伸びる資格でもあります。
英検が使われる3つの場面
大学受験で英検が評価される場面は、大きく分けると次の三つです。
1つ目は 共通テスト換算。
英検準1級や1級を持っていると、大学によっては共通テスト英語満点扱いになる場合があります。
2つ目は 一般選抜の加点制度。
英検2級・準1級を取得していると、大学独自の英語試験に点数が加算されたり、英語の得点が底上げされたりします。
3つ目は 総合型選抜・推薦での評価。
英検が出願資格になっていたり、面接や書類でアピール材料として大きく働くことがあります。
仕組みは違っても、どれも「英語力を証明できる」という点で共通し、入試の負担を下げたり、合格可能性を広げたりする効果があります。
級が上がるほど評価が強くなる理由
英検は、級が上がるほど受験での扱いが強くなる傾向があります。
・2級:私大の加点で広く使われる
・準1級:難関私大や国公立で基準クリアとして強い
・1級:英語系の学部で圧倒的なアピール力
特に準1級はCEFRでB2〜C1相当となり、大学が求める「受験生が入学後に困らない英語力」を示す基準として扱われやすくなります。
大学側が求めるのは点数だけでなく、入学後の授業を英語でこなせるかどうかという視点でもあるため、英検の級がそのまま信頼度につながるわけです。
英検はどこで得点化される?

英検が大学受験で有利になると聞くと、まず気になるのは「どれくらいの点になるのか」「満点扱いって本当にあるのか」という部分だと思います。高校生にとって、入試は点数で見える部分が大きいだけに、仕組みが分からないと不安が膨らみやすいところです。
ただ、英検が得点化される場面は意外とシンプルで、大学によって使い方が違うだけ。ここでは、共通テスト換算・一般選抜での加点・総合型選抜での評価という三つの軸にまとめ、実際にどこで得点が伸びるのかを整理していきます。自分の志望校がどの方式で英検を扱うのかを知るだけで、戦い方が大きく変わっていきます。
共通テスト換算(英検準1級以上で満点扱いの大学も)
まず最もインパクトが大きいのが、共通テストの英語を英検で代用できる制度です。
準1級以上を持っていると「満点扱い」になる大学もあり、受験生からすると負担が一気に軽くなる仕組みです。
具体的には、
・準1級で共通テスト英語の得点を80〜100%に換算
・1級で共通テスト満点扱い
といった方式が採用されています。
関西圏の私大や地方国公立の一部では、英検準1級を基準に設定しているところも多く、準1級取得者は英語の負担がほぼゼロになります。
共通テストの英語は配点が高いため、ここを資格でカバーできるのは非常に大きく、他の教科に勉強時間を回せるという時間的なメリットも生まれます。
一般選抜の加点方式(+10〜+60点相当)
一般選抜では、大学独自の英語試験や総合点に英検の級が加点されることがあります。
代表的な例としては、
・英検2級で+10〜20点
・英検準1級で+30〜60点
といった加点があり、英語の出来に不安がある受験生でも底上げができる制度になっています。
また、大学によっては英語試験を免除し、英検の点数をそのまま換算する方式もあります。
準1級の場合だと、大学側の換算表を使って独自試験の80〜90点に相当する点数が入ることも珍しくありません。
こうした制度は、英語に自信がない学生や、複数の大学を併願する学生にとって大きな味方になります。特に私立大学では英検利用方式の導入校が増えており、今後も評価の幅は広がると言われています。
総合型選抜・推薦での評価(提出資格・面接加点)
総合型選抜(旧AO)や学校推薦型選抜で英検は強い武器になります。
理由はシンプルで、これらの選抜方式は“志望理由や活動の証拠”が大切にされるからです。このとき、英検は努力を数字で示せる資格として扱われ、出願資格になったり、評価項目として加点されたりします。
たとえば、
・英検2級以上で出願可能
・準1級で書類選考通過ラインが上がる
・面接で英語力を示す材料として有利
などのケースが見られます。
特に総合型選抜は「大学が求める能力を示す資格」を重視する傾向があり、準1級は志望理由書との相性も良く、アピール材料として強く働きます。
英検は「点数になる資格」というより、「努力の軌跡を証明できる資格」でもあるため、総合型選抜・推薦との相性は非常に良いのです。
実際どれくらい有利になる?

英検が大学受験で使えると言われても、「どの大学でどれくらい差が出るのか」という部分はすぐにはイメージしにくいものです。同じ2級でも評価が大きく変わりますし、準1級が強すぎる武器になる大学もあります。
そして、英検が影響するのは偏差値ではなく大学が求める力による部分が大きいので、難関校だから優遇されない、中堅校だから絶対に使える、といった単純な話でもありません。
ここでは、公立・私立、難関大・中堅大、それぞれが英検をどのように扱っているのかをわかりやすく整理し、高校生が「自分にはどこが関係ありそうか」を自然に判断できるようにまとめていきます。
難関私大で強い評価を受ける級(準1級・1級)
まず大きな特徴として、難関私大は準1級以上の評価が一気に上がる傾向があります。
たとえば早慶レベルの大学では、準1級で
・出願資格クリア
・英語試験の免除
・満点に換算
といった扱いになることがあり、実質的に英語の負担がほぼなくなるケースも存在します。
難関私大は英語の配点が高いことが多く、英語が高得点にならないと合格が難しい学校がほとんどです。そのため、準1級や1級の資格は「学力の証明」として非常に強いアピールになります。
逆に2級の場合は
・小さめの加点
・書類審査でプラス
・総合型選抜での評価材料
といった扱いになり、準1級ほどの強さはありません。
とはいえ、難関校では「努力の証拠」として資格を評価してくれる場面が多いため、2級でも十分価値はあります。特に、英語が安定しない受験生にとっては心の支えになることが多い資格です。
国公立で英検が活きる場面(出願資格・CEFR換算)
国公立大学の受験では、英検は点よりも基準を満たす力として扱われることが多いです。
具体的には、
・CEFR(国際基準)でB1/B2として扱われる
・出願資格として一定級以上を求める
・総合型選抜で提出必須
といった仕組みがあります。
たとえば準1級はCEFRでB2〜C1に相当し、多くの国公立大学で英語力の証明として十分と判断されます。そのため、共通テストで英語を高得点にしなくても、基準クリアとして有利に働くことがあります。
また、一部の国公立は英語の最低ラインを資格でクリアできる方式を導入しており、英検を持っていると出願そのものがしやすくなるケースもあります。
英検が直接点数になるわけではなくても、「合格に必要な条件を満たす」「書類で有利に働く」という意味で、英検は国公立でも十分に価値のある資格です。
一般私大の英語免除・満点扱いの実例
私立大学は、英検を最も積極的に評価する傾向があります。特に2級・準1級を持っている高校生にとって、私大一般は最も恩恵を受けやすい受験方式と言えます。
よくある扱いとしては、
・英語試験が免除される
・英語の得点が満点扱い
・2級で独自試験の80〜85%相当
・準1級で90〜100%相当
など。
こうした制度の背景には、大学が「入学後の英語授業についていけるかどうか」を重視している点があります。英語の基礎力がある学生は、入学後に苦労しにくく、留学プログラムにも参加しやすいため、大学側が積極的に評価したいという意図があるのです。
また、私立では英語の配点が高いことが多いため、英検で換算点が入ると、受験全体の伸び幅がかなり大きくなります。英語が苦手な受験生にとっては、英検が合格ラインへ押し上げてくれる存在になるケースが珍しくありません。
大学受験で迷いやすいポイントを整理する

英検の制度を一通り理解しても、実際に自分の受験にどう結びつくのかは判断が難しいところです。大学ごとに扱いが違い、過去問を見ると「英語の配点が高い大学とそうでない大学がある」など、考えることが増えてしまい、頭の中が整理しきれなくなることもあります。
ここでは、多くの高校生が実際に迷いやすい三つのポイントを、まとめています。制度の話ではなくどう考えれば楽になるかを軸にしているので、自分の受験に照らし合わせてイメージがつきやすくなるはずです。
英検は共通テストより優先して取るべき?
共通テストの勉強と英検の勉強の両立は、特に高2・高3の段階で悩みやすいテーマです。
まず前提として、英検を取ることで共通テスト英語が免除や満点扱いになる大学がある場合は、英検に優先して取り組む価値があります。勉強時間の節約になるだけでなく、共通テストでの英語の失敗を完全に避けることができるため、精神的な負担もかなり減ります。
ただ、すべての大学に英検が有効なわけではありません。国公立の前期試験のように、共通テストが必須で、資格が得点に影響しない場合もあります。
そのため、優先順位は
・英検が点に反映される大学を志望している → 英検優先
・共通テスト重視の大学を目指している → 共通テスト優先
と考えると整理しやすくなります。
準2級・2級ではどれくらい有利になる?
準2級や2級は、高校生が最初に目指しやすい級ですが、「大学受験には弱いのでは?」と感じてしまうこともあります。実際にはそうではなく、準2級・2級は使える大学が多い土台の資格のような存在です。
特に2級は、
・私大一般の加点対象
・英語試験免除の条件
・総合型選抜でのアピール
など、幅広く使える級です。
準2級でも、総合型選抜では十分評価されることがあり、学校推薦型選抜では基準クリアとして扱われる大学が多くあります。
もちろん準1級ほどの爆発的な効果はありませんが、大学受験で資格を使う入り口としては非常に価値が高い級です。
英検よりTOEIC・TEAPを選んだほうがいい場合はある?
結論から言うと、志望校によります。
たとえば、上智大学やGMARCHの一部ではTEAPが強い評価を受けますし、TOEICを重視する大学や学部も存在します。
ただ、英検には
・高校生が一番受けやすい
・難易度ステップがはっきりしている
・大学側が扱いに慣れている
という大きな利点があります。
特別にTOEICが有利な理由がない限り、高校生の段階では英検で十分戦えます。
迷ったら英検を中心にして必要に応じて他を追加するという形にすると失敗しにくいです。
今日から大学受験で得をする英検の取り方を始めるため指針

大学受験において英検は、勉強時間の節約や合格可能性の底上げにつながる働きの大きい資格です。ただ、無理な計画で受けると負担になることもあり、高校生にとってはタイミングや優先順位も重要になります。
ここでは、級の決め方、受験方式ごとの活かし方、そして合格に近づくための勉強の順番をまとめています。これを押さえると、英検を受ける意味が明確になり、日々の学習に迷いが少なくなっていきます。
まず目指すべき級の決め方(高1・高2・高3)
英検は、自分の学年と目的に応じて狙う級を変えると、負担が少なくなります。
高1:準2級〜2級
高2:2級〜準1級
高3:準1級(必要に応じて1級)
という流れが多いですが、これは早く取りすぎても急がなくても良いことを意味しています。高3で準1級を取ると、総合型選抜でも一般選抜でも効果が非常に大きく、高2のうちに基礎を固めておくと合格率が上がりやすくなります。
受験方式ごとのおすすめ活用法
英検は、受験方式ごとに力の出方が変わります。
・総合型選抜
→ 準1級が非常に強い。書類でも面接でもアピールしやすい。
・学校推薦型選抜
→ 2級で基準クリアの大学が多く、準1級で加点されやすい。
・一般選抜
→ 準1級で換算点が伸びやすく、2級でも加点対象として使いやすい。
自分がどの方式で受験するかを早めに決めると、英検で取るべき級も自然に決まっていきます。
最短で英検を合格ラインに近づける学習の優先順位
英検は範囲が広く見えますが、合格に直結する部分はかなり絞られています。
優先順位としては、
・語彙
・長文
・英作文
この三つを中心に伸ばすのが最短ルートです。
特に準1級以上になると語彙が一気に難しくなるため、単語を毎日少しずつ積み上げるだけでも合格ラインの到達スピードが変わります。
また、英作文は型を覚えるだけで点が伸びる部分なので、負担が少ない割に効果が大きいのが特徴です。
英検は努力した分だけ点に反映されやすい資格なので、受験勉強のリズムにも馴染みやすく、継続しやすいのが大きな強みです。




