「兄弟割引があるって聞くけど、実際どのくらい違うの?」「うちは共働きだけど、これから何年も続けていけるのかな」
そんなふうに感じている方、きっと多いと思います。
インターナショナルスクールは教育内容や環境の魅力が大きい分、どうしても費用面でのハードルが高くなりがち。
特に、2人目を検討する段階では「現実的にどこまでなら無理なく通わせられるか」を冷静に見極める必要があります。
ここでは、兄弟でインターナショナルスクールに通う場合の費用バランスを、在校生家庭のリアルな体感をもとに整理してみました。
授業料だけでなく、兄弟だからこそ気をつけたいポイントや、家計を上手にコントロールする考え方も含めてお伝えします。
兄弟で通う場合の基本費用構造を整理してみる

インターナショナルスクールの費用は、授業料+諸経費+行事・教材費+送迎費といった形で構成されます。
1人でも高額な費用がかかるため、単純に「×2」と考えると相当な金額になります。
ただし、学校によっては兄弟割引や共有できるものもあるので、一概には言えません。
授業料:年間150万〜300万円前後が目安
兄弟で通わせる際、最も大きな支出はやはり授業料です。
学校によって幅はありますが、都市部のインターナショナルスクールでは、
- 幼児〜低学年:約150万〜200万円
- 小中高学年:約200万〜300万円
が一般的です。
もし兄弟が同時期に在籍する場合、単純計算で年間300万〜500万円前後が目安になります。
兄弟割引制度がある学校も
多くのインターナショナルスクールでは、兄弟で通う家庭のために「Sibling Discount(兄弟割引)」を設けています。
内容は学校によって異なりますが、以下のような例が一般的です。
- 2人目以降の入学金を半額または免除
- 授業料を5〜10%割引
- 施設費の一部免除
こうした制度があるだけでも、年間で数十万円の差が出ることもあります。
とはいえ、割引対象が限られているケースも多く、「兄弟全員が在籍している期間のみ適用」など条件が細かいので、事前確認は必須です。
授業料以外にかかる兄弟分の費用

授業料だけでなく、実際には生活まわりの費用も兄弟分かかってきます。
特に、1人目のときに気づかなかった細かな支出が積み重なっていくのが、2人目入学後のリアルなところです。
教材・制服・ランチ・交通費
教材費は兄弟で共有できるものもありますが、個人で使うワークブックや英語教材は別途必要になります。
制服がある学校では、サイズやデザインが変わらない限りお下がりが使えることも。
ただし、汚れや季節によって買い替えが必要になるため、年間で数万円の出費は覚悟しておくと安心です。
スクールランチやバス代は当然ながら1人ずつ発生します。
たとえばランチ代が月1万円、バス代が月1万円とすると、それだけで年間24万円。
兄弟2人分なら約50万円近くになる計算です。
行事・イベント費
フィールドトリップ(課外学習)や発表会、キャンプなども兄弟分発生します。
1回数千円〜数万円の費用でも、年間を通して積み上がると10万円前後になることもあります。
特に高学年の海外研修や宿泊学習などは金額が大きく、兄弟が同時期に重なると負担が増えることも。
兄弟で通う家庭が感じる費用バランスの実際

兄弟で通わせている家庭の多くが口をそろえるのは、「思っていた以上に年間出費が集中する」という点です。
特に新年度の4月〜5月は、入学金・授業料の一括支払い・教材購入・新学期準備などが重なり、キャッシュフローが一気に動きます。
とはいえ、全てが2倍になるわけではないというのも事実。
たとえば、兄弟間で使い回せるものや共有できるサービスがあると、トータルで見たときに負担感が少し和らぎます。
費用バランスの取り方の例
- 制服やスクールグッズはサイズを考慮してお下がり前提で購入する
- スクールバスを兄弟で同じルートにして効率化
- 習い事は学校外でまとめて受けることで費用をコントロール
家庭によって考え方はさまざまですが、「どこに価値を置くか」を明確にしておくと、出費の優先順位が見えやすくなります。
年間費用の目安と家計シミュレーション

ここまでを踏まえ、兄弟でインターナショナルスクールに通う場合の年間目安をざっくりまとめると次の通りです。
- 授業料:1人200万円 × 2人 = 約400万円
- ランチ・交通費・教材費など:1人30万円 × 2人 = 約60万円
- イベント・課外活動費:2人で約20万円
- その他(制服・諸経費など):約20万円
合計すると、年間でおよそ500万円前後が目安となります。
ここから兄弟割引や共有できる費用を差し引いても、年間400万〜450万円程度が現実的なラインです。
家計に無理なく続けるための考え方

兄弟をインターナショナルスクールに通わせるには、単にお金を「払う」だけでなく、家計全体の設計を見直すことが大切です。
教育費は長期にわたる支出なので、短期的な節約よりも続けられるリズムをつくることが鍵になります。
無理なく続けるためのポイント
・学費の支払いサイクルを年単位で把握し、ボーナス月や分割払いを活用する
・学年が上がるたびに費用が上がる前提でシミュレーションを立てる
・奨学金・教育ローン・学費補助制度の有無を早めに確認しておく
・兄弟で通う期間が重なる数年間を「集中投資期間」と位置づける
特に、兄弟が同時期に通う数年は支出がピークを迎えるため、ここを家計の山場として見越した備えがあると安心です。
まとめ

インターナショナルスクールに兄弟で通わせるのは、決して安い選択ではありません。
けれども、その中で育つ子どもたちの姿を見て「やっぱりこの環境にしてよかった」と感じる親も多いです。
兄弟で同じ教育方針のもと成長できること、家で英語や国際的な話題を共有できること。
それは何よりも貴重な経験であり、費用以上の価値があると感じる家庭も少なくありません。
大切なのは、数字に縛られすぎず「家族のバランス」を整えること。
無理をせず、家計に合った形で兄弟の学びを支えることで、親も子も穏やかにインター生活を楽しむことができます。
「2人目も通わせてよかった」と心から思えるように。
今のうちから現実的な費用感と、家族の価値観を照らし合わせてみてください。




