インターナショナルスクールでは公立学校と比較してどのくらい学費がかかる??

インターナショナルスクール
こんな人向けの記事です
  • インターナショナルスクールに通わせたいけど学費ってどのくらいかかるの?
  • 公立と比べると何倍くらい違うのか数字で知りたい

「インターナショナルスクールに通わせたいけれど、学費が現実的に払えるのか不安」
「公立と比べて何倍くらい違うのか数字で知っておきたい」
「授業料以外にどんな費用がかかるのか気になる」
「高いと聞くけれど、その分子どもに本当に価値があるのか見極めたい」

親にとって、教育費は家計の中でも最も大きなテーマのひとつです。特にインターナショナルスクールを検討する段階では、誰もがまず「お金」のことを考えます。グローバル教育の魅力は十分に理解していても、学費の差を冷静に見極めないまま決断してしまうと、のちのち後悔することになりかねません。この記事では、公立学校とインターナショナルスクールの学費を徹底比較し、費用の内訳、差が生まれる背景、そして「高額だけど選ぶ家庭がある理由」までを、数字や具体例を交えながら掘り下げていきます。

公立学校にかかる費用の全体像

インターナショナルスクールの学費を考えるうえで、まず基準になるのが公立学校です。公立は「授業料がかからない」と広く知られていますが、実際にはゼロではありません。毎月の給食費、教材費、制服代、部活動費など、見えない出費が積み重なっています。

授業料と基本的な支出

小中学校の授業料は無償ですが、文部科学省の「子供の学習費調査(2023年)」によると、実際には 小学生で年間約32万円、中学生で年間約48万円 の教育費が平均してかかっています。ここには給食費(おおよそ月4500円、年間5万円強)、学用品・教材費(2〜3万円)、修学旅行や遠足代(数万円)が含まれています。

高校の場合は「高等学校就学支援金制度」によって授業料が無償化され、多くの家庭では授業料負担はありません。ただし、制服代(約7万〜10万円)、修学旅行費(10万〜15万円)、部活動の費用を含めると、年間で 20万〜30万円程度 の支出が必要になります。

つまり「授業料ゼロ=教育費ゼロ」では決してないのです。

公立の隠れコスト

さらに、公立ならではの見えにくいコストも存在します。

  • 制服代:中学で5〜8万円、高校で7〜12万円(成長に合わせて買い替えが必要)
  • 部活動費:スポーツ部なら年間5〜15万円、遠征が多ければさらに追加
  • 塾代:受験対策に通えば年間30〜100万円以上

公立に通わせても、受験のために塾に通えば「インター並みに負担が大きい」と感じる家庭もあります。

インターナショナルスクールの学費の仕組み

次に、インターナショナルスクールの費用について見ていきます。インターは授業料の高さが注目されがちですが、実は授業料以外にも多くの出費があります。

入学金・初年度の支出

ほとんどのインターナショナルスクールでは、入学時に入学金が必要です。相場は20万〜50万円、人気校や名門校では100万円近くかかる場合もあります。さらに施設維持費や登録料を加えると、初年度は授業料以外に 100万〜200万円 の支出になることも珍しくありません。

例えば東京都内のあるインターでは、入学金40万円、施設費30万円、登録料20万円で合計90万円。さらに制服代や教材費を加えると、授業料を支払う前に100万円を超えるのです。

年間授業料

授業料は学校によって差がありますが、平均的には 年間150万〜300万円。都心の有名校では 400万〜500万円 に達するケースもあります。地方の比較的規模の小さいインターでも、100万〜200万円は必要です。

兄弟が2人通えば年間500万〜800万円近く。家計への影響は住宅ローンに匹敵すると言っても大げさではありません。

その他の費用

授業料に加えて、以下の費用が上乗せされます。

  • 制服代:5万〜15万円
  • 教材費:10万〜30万円(海外教材は特に高い)
  • スクールバス代:15万〜30万円
  • ランチ費用:10万〜20万円
  • 課外活動・海外研修費:20万〜100万円
  • PTA寄付金:数万円〜数十万円

トータルすると、年間で 250万〜500万円。これは一人分の費用なので、兄弟がいれば当然倍以上かかります。

公立とインターナショナルスクールの比較シミュレーション

ここまで見てきた費用を、実際に12年間のシミュレーションで比べてみましょう。

年間と総額の比較

  • 公立小学校6年:200万円前後
  • 公立中学校3年:150万円前後
  • 公立高校3年:150万円前後
    → 合計12年間:約500万円
  • インター小学校6年:1200万〜1800万円
  • インター中学校3年:900万〜1200万円
  • インター高校3年:900万〜1500万円
    → 合計12年間:約3000万〜4500万円

公立とインターでの差は、12年間で 2500万〜4000万円。家計のライフプラン全体に影響を与えるレベルです。

兄弟がいる場合

兄弟が2人いる家庭なら、単純に倍額。つまり12年間で6000万〜9000万円近い支出になることもあり得ます。住宅ローンを抱えながら支払うには、相当な計画性が必要です。

学費に見合う価値とは?

では、それだけの学費を払う意味はあるのでしょうか。多くの家庭が「高いけれど選ぶ」理由を探ってみます。

英語力

インターナショナルスクールの最大の価値は「英語を母語のように使えるレベルで身につけられる」こと。英検1級やTOEFL高得点を小中学生で取得する子もおり、海外大学進学の可能性が一気に広がります。

国際的な人間関係

50か国以上から集まる同級生と日常を共にする経験は、公立では得られないものです。幼少期から「異文化を当たり前に受け入れる力」が育ちます。

探究型学習と進路

プレゼンやディスカッションを通じて自分の意見を発信する習慣が根付きます。国際バカロレア(IB)などのプログラムを修了すれば、国内外の一流大学への進学が現実的に。

費用を抑える工夫

学費は確かに高額ですが、全額をそのまま負担しなくても工夫次第で軽減できます。

奨学金・補助金

一部のインターには奨学金制度があり、成績や経済的事情によって授業料が10〜50%減額される場合があります。自治体による補助制度があることもあるので要確認です。

入学時期の工夫

幼児期から入れるのではなく、小学校高学年や中学から編入することで、トータルの費用を抑える家庭もあります。

兄弟割引

兄弟姉妹を同時に通わせると、授業料の一部が割引される学校もあります。

まとめ

インターナショナルスクールと公立学校の学費差は、年間で10倍以上。12年間で見れば数千万円規模に達します。しかし、その投資がもたらすのは「英語力」「国際的な人間関係」「進路の広がり」という、公立では得にくい価値です。

大切なのは「家庭にとって教育にどれだけ投資するか」という優先順位を決めること。高いから無理と切り捨てるのではなく、自分たちのライフプランに照らして納得感を持って判断することが、後悔のない選択につながります。