「こんなはずじゃなかった」「入学前にもっと知っておけばよかった」インターナショナルスクールを検討していると、こんな声を目にしたり聞いたりすることがあります。
前向きな情報だけでなく、後悔したという体験談が気になってしまう。これはとても自然なことです。
実際、日本国内でインターナショナルスクールに通う子どもは年々増えていますが、その一方で、途中で転校したり、日本の学校に戻る家庭があるのも事実です。
年間学費が200万円前後、初年度は入学金や諸費用を含めて250万〜300万円ほどかかるケースも多い中で、簡単にやり直せる選択ではありません。
この記事では、インターナショナルスクールに入ってから後悔したと言われやすい理由を整理しながら、そうならないために入学前にどんな準備ができるのかを具体的に見ていきます。
不安をあおるためではなく、納得した選択につなげるための材料として読んでいただけたらと思います。
なぜインターナショナルスクールで後悔が生まれるのか

インターナショナルスクールそのものが悪いわけではありません。
後悔が生まれる多くのケースでは、入学前のイメージと実際の生活との間にズレがあります。
ここでは、よく聞かれる後悔の背景をひとつずつ整理していきます。
英語環境に想像以上の負荷を感じてしまう
よくある後悔の一つが、英語環境の厳しさです。
インターナショナルスクールでは、授業だけでなく、日常会話や課題、先生とのやり取りも基本的に英語で行われます。
入学前は、通っていれば自然に慣れるだろうと考えていたものの、実際には授業内容が理解できず、自己肯定感を下げてしまう子もいます。
特に、英語を聞いて理解するまでに時間がかかるタイプの子は、最初の数か月が大きな壁になりやすいです。
学習スタイルが合わず戸惑うケース
インターナショナルスクールでは、自分の考えを言葉で表現する機会が非常に多くあります。
正解を覚えるよりも、なぜそう思うのかを説明する力が求められます。
このスタイルは、積極的に発言する子にとっては伸びやすい一方で、じっくり考えてから話したい子にとっては負担になることがあります。
勉強についていけないというより、授業の進め方に違和感を覚えるケースです。
親の関与が想像以上に必要だった
入学後に感じやすいギャップとして、親の関与の多さがあります。
連絡事項がすべて英語で届く、課題のサポートが必要になる、イベントや面談への参加頻度が高いなど、想像以上に家庭の関与が求められる学校も少なくありません。
共働き家庭や、下の子がいる家庭では、この負担が積み重なり、続けること自体が大変になるケースもあります。
後悔につながりやすい家庭の共通点

ここまで見てきた後悔の背景には、いくつか共通する傾向があります。
どれも特別な失敗というより、事前に気づきにくいポイントです。
英語力だけをゴールにしてしまっている
インターナショナルスクールを選ぶ理由として、英語力を伸ばしたいという思いはとても自然です。
ただ、英語が話せるようになることだけをゴールにしてしまうと、入学後の現実とのズレが生まれやすくなります。
英語はあくまで道具であり、その先にどんな学びや成長を期待しているのかが整理されていないと、思っていた成果が得られないと感じやすくなります。
子どもの性格より環境の理想を優先している
国際的な環境、多様性、自由な校風。
魅力的な言葉に惹かれて選んだものの、実際には子どもの性格に合っていなかったというケースもあります。
たとえば、人前で発言することが苦手な子にとって、常に意見を求められる環境はストレスになることがあります。
環境の良さと相性は、必ずしも一致しません。
入学後の生活を具体的に想像していない
入学前は、授業や英語力に意識が向きがちですが、実際の生活はそれだけではありません。
通学時間、宿題量、家庭での会話、週末の過ごし方など、日常がどう変わるかを具体的に想像できていないと、ギャップを感じやすくなります。
特に、片道1時間以上の通学を毎日続ける場合、子どもだけでなく親にも負担がかかります。
入学前にできる具体的な対策とは

インターナショナルスクールで後悔しなかった家庭に共通しているのは、完璧な準備をしていたことではありません。
大きな期待を抱きすぎず、現実的な準備を重ねていたことです。
ここからは、入学前にできる対策を、英語・学習・家庭環境の3つの視点で整理していきます。
英語力は伸ばすより慣らす意識を持つ
入学前に英語をどこまで仕上げるべきか、悩む親はとても多いです。
ただ、実際に大切なのは文法力や単語量よりも、英語が飛び交う環境に耐えられるかどうかです。
たとえば、完璧に理解できなくても、聞き続けられるか。
わからない状態でも、その場にい続けられるか。
この耐性があるかどうかで、入学後の負担は大きく変わります。
家庭でできることとしては、英語の動画や音声を日常に取り入れ、意味が完全にわからなくても聞く時間を増やすことが効果的です。
英語を勉強としてではなく、音として受け取る経験を積むことが目的です。
英語で話すことへの心理的ハードルを下げる
英語が話せないこと自体よりも、間違えることへの恐怖が大きな壁になる子は少なくありません。
入学後に後悔しやすいケースでは、英語を話すこと自体を避けてしまう傾向が見られます。
入学前から、正しさより伝えることが大事という姿勢を家庭で共有しておくことが重要です。
文が崩れていても、単語だけでも伝わるという感覚を持てると、学校生活への適応が楽になります。
学習スタイルへのギャップを減らす準備

インターナショナルスクールでは、学力の評価軸が日本の学校と大きく異なります。
この違いを理解せずに入学すると、思ったより評価されないと感じてしまうことがあります。
正解より考え方を問われる学びに慣れる
多くの授業では、答えそのものよりも、どう考えたかを説明することが求められます。
日本の学校で評価されやすい、正確さやスピードとは異なる力です。
家庭でできる準備としては、日常会話の中で、どうしてそう思ったのかを言葉にする習慣を作ることです。
たとえば、ニュースや出来事について意見を聞き、理由を一緒に考える。
こうした積み重ねが、入学後の戸惑いを減らします。
宿題量や評価方法を事前に確認する
後悔につながりやすいポイントの一つが、宿題や評価の仕組みをよく知らないまま入学してしまうことです。
テストが少ない学校もあれば、課題提出やプレゼンテーションの比重が高い学校もあります。
成績表の形式や評価基準を事前に確認し、家庭としてどう受け止めるかを話し合っておくことが大切です。
点数が見えにくい評価に対して、親が不安を感じすぎない準備でもあります。
家庭環境と生活リズムの準備

インターナショナルスクールでの生活は、家庭のあり方にも影響します。
この部分を軽視すると、後悔につながりやすくなります。
親のサポート体制を現実的に考える
連絡は英語、提出物も英語、面談も英語。
学校によっては、こうした環境が当たり前になります。
英語が得意でなくても問題はありませんが、翻訳に時間を割く余裕があるか、サポートを頼める環境があるかは確認しておきたい点です。
特に低学年のうちは、親の関与が学習の安定につながります。
通学と日常生活の負担を具体的に想像する
通学時間は、想像以上に影響が大きい要素です。
片道60分を超える通学を毎日続ける場合、疲労が積み重なり、学習意欲に影響することもあります。
入学前に、実際の登校時間帯でシミュレーションしてみることをおすすめします。
朝の準備、移動、帰宅後の過ごし方まで含めて現実的に考えることで、後悔のリスクを下げられます。
入学前に必ず確認しておきたい質問

後悔しないためには、学校側に遠慮せず確認する姿勢も大切です。
以下のような視点で質問できているかが、一つの目安になります。
入学後にフォローはどこまであるか
英語面・学習面でつまずいた場合、どのようなサポートが用意されているか。
追加費用が発生するのか、通常の範囲で対応してもらえるのか。
こうした点を事前に把握しておくことで、想定外の不安を減らせます。
合わなかった場合の選択肢
途中で合わないと感じた場合、転校や編入の相談ができるかどうか。
実際にそうしたケースがどのくらいあるのか。
聞きにくい質問ですが、答え方に学校の姿勢が表れます。
最後に迷ったときの考え方

どれだけ準備をしても、不安がゼロになることはありません。
インターナショナルスクールは、それだけ大きな選択です。
後悔しない選択とは失敗しない選択ではない
後悔しない選択とは、最初からすべてがうまくいく選択ではありません。
想定外の出来事が起きたときに、納得して向き合えるかどうかです。
十分に調べ、話し合い、準備をした上での選択であれば、途中で壁にぶつかっても、前向きに考えやすくなります。
子どもの変化を見守る余白を持つ
入学直後は、うまくいかないことの方が目につきやすいものです。
けれど、数か月単位で見ると、少しずつ変化が現れるケースも多くあります。
短期的な不安だけで判断せず、時間をかけて見守る余白を持つことも、後悔を減らす大切な要素です。
まとめ

インターナショナルスクールに入って後悔したという声の多くは、選択そのものではなく、準備不足から生まれています。
英語環境、学び方、家庭への影響。
良い面だけでなく、負荷や難しさも理解した上で選ぶことが、納得につながります。
不安を感じるのは、子どもの未来を真剣に考えている証拠です。
その不安を材料に変え、現実的な準備を重ねることで、後悔のない一歩につながっていきます。




