小学生のための英語シャドーイング完全ガイド!効果・やり方・続けるコツをわかりやすく解説

基礎知識
こんな人向けの記事です
  • シャドーイングって小学生でもできるのかな
  • 発音がまだ安定していないのに続けて大丈夫?

「うちの子には難しすぎない?」「正しいやり方がわからなくて不安」
英語を学ばせていると、こんな気持ちがふっと湧いてくる瞬間がありますよね。特に、シャドーイングという言葉を聞くと上級者向けの練習というイメージが先にくることも多く、どう始めていいのか迷う親御さんは意外と多いです。でも実は、小学生こそシャドーイングに向いている部分もあって、やり方さえ間違えなければ自然に英語の耳が育っていく力があります。

ここでは、小学生にとってのシャドーイングを、負担なく取り入れられる形で整理していきます。

小学生にシャドーイングって早い?と感じる理由

小学生にシャドーイング、と聞くと「ちょっと早いのでは?」と心配になる気持ちはとても自然です。学校の英語もまだ始まったばかりで、単語も完璧とは言えない。

そんな状態でネイティブ音声を真似するなんて大変そうに思えてしまいますよね。でも、そう感じる背景には日本語の学び方との違いや英語経験への慣れの少なさがあり、子どもができないのではなく親がイメージできないだけのことも多いんです。まずは、そう感じてしまう理由をそっとほどいてみます。

シャドーイングが難しく思われる背景

シャドーイングは「聞こえた音を少し遅れて真似する」というシンプルな方法ですが、英語に触れる機会がまだ少ない子ほど、音が速く聞こえたり、知らない単語に気持ちが止まってしまったりします。

親としては、

・単語を知らないとできないのでは?
・発音が整ってから始めるものじゃないの?
・ネイティブの速さについていける?

と、どうしてもできない理由が先に浮かびやすいもの。

でも実際は、知らない単語があっても問題ありませんし、発音が完璧である必要もありません。小学生が自然に行っている“音の模倣”を英語に活かすのがシャドーイング。難しく感じる印象は、大人の側の固定観念であることが多いんです。

音が先に入る小学生の特性

小学生は、意味よりも先に音をつかむ力がとても強い時期です。これは語学を学ぶうえで大きな強みで、大人が苦労する発音やリズムも、子どもは真似するだけで吸収していきます。

英語における重要なポイントである

・音の高さ
・強弱
・リズム
・フレーズの切れ目

これらは、文法よりも先に体で覚えるもの。小学生が得意としているのはまさにこの部分です。

「意味がわかってからでないとできない」と思われがちですが、むしろ意味が分からない状態でも耳が素直に働くのがこの時期の特徴です。

リスニングとの相乗効果

シャドーイングは、ただ真似するだけの練習ではなく、リスニング力を底上げする効果があります。子どもが音を真似しようとするとき、耳が細かい音の違いを“聞き分けよう”と働くため、ただ聞き流すよりも集中して音を拾えるようになるからです。

また、同じ音源を何度も聞くことで、英語特有の音のつながりや弱く発音される部分が少しずつ聞き取れるようになり、「あ、聞こえるようになってきた」という実感につながります。これは、ただの聞き流しでは得にくい感覚です。

小学生にシャドーイングが効果的な理由

親としては「真似するだけで本当に力がつくのかな?」と気になるところですよね。特に、単語をまだ覚えきれていない段階でシャドーイングをさせても意味があるのか、疑問に感じる方は多いです。でも実は、小学生のように音を先に吸収する時期だからこそ、シャドーイングの効果が出やすい部分があります。

ここでは、どんな力が育つのかを整理していきます。難しい理屈を覚える必要はなく、親が少し背景を知っているだけで、取り組み方への安心感がぐっと増えます。

発音とイントネーションが自然に整う

シャドーイングの大きなメリットは、子どもの発音が自然に整うこと。
英語は日本語より音の種類も多く、強弱のリズムも違います。大人が後から発音を直すのはけっこう大変ですが、小学生は耳で聞いた音をそのままコピーする力が強く、文法より前に本物の音を体で覚えていきます。

例えば、英語特有の弱くなる音や、つながって聞こえる部分。こうした細かい特徴は、発音の教科書を読んでも身につきにくいのですが、シャドーイングだと自然と取り込まれていきます。
完璧な発音を目指す必要はありませんが、ネイティブ音声を続けて真似していると、ふとした時に「前よりすごくクリアに聞こえる」「言い回しがなめらかになってきた」と感じる場面が増えていきます。

英語の語順が体で覚えられる

シャドーイングは音の練習というイメージが強いですが、実は語順にもとても効果的です。英語の語順は、日本語と違って順番そのものに意味があります。これを頭で理解しようとすると小学生には負担が大きいのですが、シャドーイングのようにフレーズをそのまま口に出すと、自然とその順番を体で覚えられます。

たとえば、

・I want to go…
・Can I have…
・I like to…

こうした型が口から出るようになると、英語の語順の土台がぐっと強くなります。

何度も聞いて、何度も真似して、自然に染み込む。
その積み重ねが、後の文法学習をとても楽にしてくれます。

リスニング力の伸びにつながる

小学生がシャドーイングを続けるうちに、「あれ、前より聞こえるようになっている」という感覚が出てきます。これは、声に出すことで耳が“細部まで拾おうと働く”状態になるからです。

聞き流すだけでは聞こえなかったところが、
自分で再現しようとすると急に聞こえ始める。
これがシャドーイングの大きな特徴です。

さらに、シャドーイングは英語をテンポやリズムごと吸収する練習でもあります。長い文を丸暗記する必要はありませんが、何度も同じ音に触れることで、子どもの耳が英語の“まとまり”を理解しやすくなります。

リスニング力が伸びると、英語教材やアニメの理解度も自然に上がっていきます。
「前より聞こえる!」の実感が出ると、子ども本人が英語に自信をもち始めるタイミングにもつながります。

小学生向けシャドーイングの正しいやり方

シャドーイングというと「難しい発音の練習」という印象が強く、家庭で取り入れるには少しハードルが高く感じるかもしれません。でも、実際は子どもに合う音源さえ選べれば、毎日の短い時間でも続けやすい練習です。小学生が無理なく取り組めるようにするには、難易度の調整や声かけの仕方がとても大切です。ここでは、家庭でも負担にならず、親子で楽しめる形で取り組めるステップを紹介していきます。やり方さえ整っていれば、シャドーイングはがんばる練習ではなく気づけば英語の耳が育つ習慣に変わります。

音源の選び方(レベル・スピード)

小学生がシャドーイングを始めるうえで、一番大切なのは音源の難易度。
早すぎる音源や内容が難しいものだと、真似しようと思ってもついていけず、聞く集中力も保ちにくくなってしまいます。

選ぶポイントは次の通りです。

・短くて意味がつかみやすい
・登場人物やシーンがイメージしやすい
・1文が長すぎない
・スピードがゆっくりめ(1.0倍以下でもOK)

特に効果的なのは、英語絵本の音源や子ども向けのアニメのセリフ。
短いフレーズが多く、声の抑揚がはっきりしているので、子どもが音を真似しやすいんです。

選ぶときの目安は「半分くらいなら真似できそう」というレベル。
完璧に言える必要はまったくありません。

段階的な進め方(3ステップ)

シャドーイングは一気にやろうとせず、段階を踏むと成功しやすいです。家庭で取り組むときは、次のように進めると負担が少なくなります。

ステップ1:聞くだけ
まずは音のリズムや流れを理解するために、1〜2回聞くだけ。
わからない単語があっても止めずに、そのまま聞き流してOKです。

ステップ2:リピート
次は文を短く区切りながら真似する段階。
ここで一度、発音の大まかな形を掴みます。

ステップ3:シャドーイング
最後に、音声に少し遅れてついていく練習。
追いかける感覚に慣れてくると、声の高さや強弱も自然にそろってきます。

この3ステップは、小学生が混乱しないための大切な流れ。
“聞いて → 少し真似して → 追いかける”
この順番を守るだけで、子どもが無理なく続けられます。

毎日5分でも続く習慣づくり

シャドーイングは、長時間やるよりも短く続けるほうが効果が出ます。
子どもにとっては、5分でも集中して取り組めれば十分。むしろ10分以上続けると、疲れて雑になってしまうこともあります。

続けるためのコツとしては、

・好きなアニメのワンシーンを音声だけで真似してみる
・寝る前3分だけシャドーイングする
・週に3日は聞くだけの日を作る

など、少しハードルを下げること。
親が毎日必ずやらせようと力を入れすぎないほうが、長く続きやすいものです。

また、子どもができた部分を小さく褒めることも大事。
耳が慣れるにつれ、自然と真似できる範囲が広がっていきます。

親が知っておきたいシャドーイングの注意点

シャドーイングはとても良い練習ですが、やり方を間違えると「うちの子には向いてないのかも…」と不安を感じる場面も出てきます。特に小学生は気分の波が大きいので、大人が思うやってほしい理想形と子どものペースが合わないこともよくあります。ここでは、親がつまずきやすいポイントをあらかじめ知っておくことで、無理なく続けられるヒントをまとめています。できていない部分を見るより、続けられる形に整えることが何より大切です。

音が速くてついていけない時

最初につまずきやすいのが「音が速くて言えない」というところ。
でも、ついていけないのはできていないのではなく、音源が速すぎるだけです。調整すべきなのは子どもの能力ではなく、音源のレベル。

親としてはつい「もう少し頑張ってついていってほしい」と思ってしまいますが、声が小さくなってきたり、テンポが崩れる様子が見えたら、難易度を一段下げてあげるのがいちばんの近道です。

ときには、聞くだけの日をつくることも大切。
聞く時間を増やすことで耳が慣れ、後から追いつけるようになります。

発音が気になって進めない時

子どもが自信をなくしやすいのが発音。
自分でも「変な感じがする…」と思ってしまうと、声を出すのが恥ずかしくなる時期があります。

ただ、小学生のシャドーイングは発音を完璧にするための練習ではありません
英語のリズムや音の流れをつかむことが目的なので、きれいに言えなくてもまったく問題ありません。

むしろ、不完全な発音のままでもいいから口に出し続けたほうが、英語の音のクセが入りやすくなります。

親としてできるのは、

・できている部分だけをそっと褒める
・細かい部分を指摘しすぎない
・「だんだん慣れるよ」と安心させる

この3つだけで十分です。

嫌がる子に無理なく取り入れる方法

気分やその日の体調で、「今日はやりたくない」となることもありますよね。
そんな時は無理に続けさせるより、やり方を変えるほうが効果的です。

たとえば、

・お気に入りのアニメのワンフレーズだけ真似する
・3回シャドーイングしたら終わりにする
・聞くだけの日を作る

このようにハードルを小さくしてあげると、子どもは意外とすぐ戻ってきます。

シャドーイングは短時間でも力がつく練習なので、「やらなきゃ」と親だけが焦る必要はありません。
子どものペースで細く長く続くほうが、結果的に大きな伸びにつながります。

まとめ

シャドーイングは、小学生にとって英語の耳を育てるとても優れた練習です。
難しいと思われがちですが、本来は子どもの特性に合っていて、楽しみながら力を伸ばせる取り組みでもあります。

シャドーイングが育ててくれるのは、

・自然な発音
・英語の語順の型
・聞き分ける力

この3つ。どれも小学生のうちに身につけると、後の英語学習が驚くほど楽になります。

今日からできる一歩としては、

・難しすぎない音源を選ぶ
・まずは1分聞くだけ
・気が向いたら真似してみる

これだけで十分です。

子どもは大人が思う以上に、音をまねるのが上手で、吸収も早いもの。
親が無理に引っ張る必要はありません。
子どものペースでゆっくり続けていけば、ある日ふと「英語の耳が育ってきたな」と感じる瞬間が必ず訪れます。

シャドーイングは、その過程をそっと支えてくれる心強い習慣です。