「授業料は見たけど、初年度にかかるトータルの費用がわからない」「準備不足で思ってたより高かったと後悔したくない」
初めてインターナショナルスクールを検討するとき、多くの親が気になるのが“最初にどれくらいお金が必要なのか”という点ですよね。
パンフレットには「年間授業料」や「入学金」などの項目は載っていますが、実際に出願してから入学するまでには、それ以外にもさまざまな支出があります。
ここでは、出願から入学後の初年度までに必要になる主な初期費用を、できるだけリアルな流れで整理してみました。
「いつ、どんな名目で支払いがあるのか」をイメージしながら読むと、これからの準備にきっと役立つはずです。
出願時にかかる費用

出願の段階でも、実はすでにいくつかの費用が発生します。
学校によって呼び方や金額は異なりますが、ほとんどのインターナショナルスクールが共通して設けているのがこの「出願時費用」です。
出願手続きから面接、合格通知までの流れを知っておくと、支払いのタイミングもつかみやすくなります。
出願料(アプリケーションフィー)
まず最初に支払うのが「出願料(Application Fee)」です。
これは出願書類を受け付ける際の手数料のようなもので、返金はされません。
金額はおおよそ2万円〜3万円ほど。海外校と提携しているスクールや国際認定校では、若干高めに設定されていることもあります。
この出願料は「入学を確定するため」ではなく、あくまで「選考を受けるため」の費用です。出願後に面接や書類審査を経て、合格通知が出るまでに1〜2か月ほどかかるケースが多いです。
評価テスト・面接関連費
一部のインターナショナルスクールでは、出願時に英語力や学力を見る簡単なアセスメントを行います。
この際に別途受験料(1万円〜2万円前後)がかかる場合があります。
また、海外に在住している家庭がオンライン面接を希望する場合、日程調整料や通信料を別途請求されることもあります。
登録料(レジストレーションフィー)
合格後、正式に入学の意思を伝える段階で支払うのが登録料。
こちらも返金不可で、金額は5万円〜10万円程度。
入学枠を確保するための「予約金」に近いイメージです。
人気の高いインターナショナルスクールでは、期限内にこの登録料を支払わないと合格が無効になる場合もあるため、スケジュールの確認は必須です。
入学時に支払う初期費用

合格して入学手続きに進むと、まとまった額の支払いが発生します。
ここがいわゆる初年度の山場ともいえる部分です。
入学金(エントランスフィー)
入学時に支払う最も大きな費用が入学金です。
金額は学校によって幅がありますが、15万円〜30万円ほどが一般的です。
これは施設利用や事務処理、教育環境の維持などに充てられるもので、一度納めると返金はありません。
学校によっては、兄弟で入学する場合に割引があることもあります。
また、インターナショナルスクールの中には、入学金のほかに「施設拡充費」や「建設費」などの名目で別途費用を設定しているケースもあり、10万円〜50万円前後になることもあります。
授業料(初年度分)
授業料は1年分をまとめて支払うケースが多く、150万円〜300万円前後が目安。
分割納入制度を設けている学校もありますが、初年度は入学手続きの際に全額前払いが求められることもあります。
授業料の中には、教材費や行事費が一部含まれている場合もありますが、含まれていない場合は次に紹介する「諸経費」として別途請求されます。
諸経費・施設維持費
施設維持費や教育活動費など、学校を運営するための諸経費が別枠で発生します。
年間10万円〜20万円ほどが相場です。
ここには教室やグラウンドの整備費、エアコン・冷暖房の利用料などが含まれることもあり、見えない部分の運営コストとして必要不可欠なものです。
この諸経費も、授業料と同時に初年度分を前払いするパターンが多いです。
入学前後でかかる準備費用

手続き費用のほかに、入学直後に必要となる「生活まわりの初期費用」もあります。
ここは学校案内にはあまり書かれていない部分ですが、実際には家庭の負担として確実に発生します。
制服・体育着・指定用品
インターナショナルスクールによっては制服がない場合もありますが、制服のある学校では一式そろえると5万円〜10万円前後になります。
海外メーカーの指定ブランドが多く、輸入のために納期がかかることも。
体育着、シューズ、スクールバッグなども指定の場合は買い替えが必要です。
また、幼児部やプライマリーでは「帽子」「ランチバッグ」「ネームタグ」などの細かなアイテムも指定されていることが多く、最初の準備段階で意外と出費が重なります。
教材・デジタル機器
タブレットやノートPCを使う学校では、入学前に購入を求められることがあります。
学校指定のモデルを購入するケースもあり、端末代として5万円〜10万円ほど。
また、教科書やワークブックも海外からの取り寄せになるため、教材費が年間3万円〜5万円程度かかることもあります。
スクールバス・ランチ代(初月分)
通学バスを利用する場合、初月分のバス代を入学前に納めるよう求められるケースもあります。
バス代は月8,000円〜15,000円ほど。
ランチも外部ケータリングを利用している学校が多く、1食500円〜700円前後が目安です。
これらを事前徴収する学校もあるため、最初の月は想定より支出が増える傾向があります。
初年度にかかるトータル費用のイメージ

ここまでの費用をまとめると、出願から入学までの初年度でかかる金額はおおよそ次のようなイメージになります。
- 出願料・登録料など:約10万円
- 入学金・施設費など:約30万円〜60万円
- 授業料(初年度分):約150万円〜300万円
- 教材・制服・諸経費など:約20万円〜40万円
合計で200万円〜400万円前後が目安です。
もちろん学校や学年によって差はありますが、初年度は一時的に支出が集中するため、事前に全体を把握しておくことが大切です。
費用を抑えるためにできる工夫

初年度費用を少しでも抑えたいと考える家庭も多いと思います。
無理なく準備するためのポイントをいくつか挙げておきます。
- 早期出願割引を活用する
年度の早い時期に出願すると、登録料が一部免除になる学校もあります。 - 中古制服やリユース制度を利用する
在校生保護者が譲り合う「ユーズドセール」が行われることも。 - 分割払い制度を確認する
授業料を年3回・4回払いにできる学校もあり、負担が分散できます。
無理に削るよりも、計画的に見通しを立てることが一番の節約です。
まとめ

インターナショナルスクールの初年度は、手続き・準備・支払いと慌ただしく進んでいきます。
ただ、出願から入学までの費用の流れを知っておけば、焦ることなく進められます。
「入学金はいくら?」「教材費はどのタイミング?」といった疑問を、事前に学校へ確認しておくことも大切です。
最近では、費用を公開しているインターナショナルスクールも増えてきたので、比較検討の材料にしてみてください。
初期費用は確かに大きな出費ですが、それは新しい学びのスタートラインに立つための投資でもあります。
しっかり準備して、子どもの未来への第一歩を気持ちよく踏み出していきましょう。



