インターナショナルスクールを検討している親御さんにとって、気になるポイントの一つが「先生はどこの国の人なのか」という点です。説明会やホームページには「英語ネイティブによる授業」や「海外での教育経験豊富な教師」といった魅力的な言葉が並びますが、実際に学校全体のどれくらいの割合を外国人教員が占めているのかは、はっきり見えてこないことが多いのです。
子どもが毎日接する先生の国籍やバックグラウンドは、授業内容だけでなく学校全体の雰囲気や子どもの安心感に直結します。「せっかくインターナショナルスクールに通うのだから、外国人の先生に指導してもらいたい」と考える家庭もあれば、「日本語での相談が難しくなったら子どもが困らないだろうか」と心配する家庭もあります。
この記事では、インターナショナルスクールにおける外国人教員の割合について、一般的な傾向や学校による違い、メリットと課題、そして親御さんが確認しておきたい具体的なチェックポイントをわかりやすくまとめます。
外国人教員の割合はどれくらい?一般的な目安とは?

外国人教員の割合は、インターナショナルスクールを理解するうえで欠かせない指標です。ここでは、平均的な数字から学校ごとの違い、年齢ごとの傾向まで整理していきます。
平均はおおよそ5割から7割
多くのインターナショナルスクールでは、全教員のうちおおよそ5割から7割が外国人教員です。特に英語で行う授業は、アメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリアなど英語圏出身の教員が担当することが多く、子どもは自然に英語環境に浸れるようになります。
ただし100%が外国人というケースは珍しく、日本語教育や算数などの基礎科目、生活指導などでは日本人教員が配置されることが一般的です。これは、英語漬けの環境だけでなく、日本語や文化面のサポートをバランスよく受けられるように工夫されているためです。
学校によって割合は大きく違う
外国人教員の割合は学校ごとにばらつきが大きいのが特徴です。海外大学進学を強く意識したインターナショナルスクールでは8割以上が外国人というケースもあれば、地域性や親御さんのニーズを踏まえ、日本人教員を多めにしている学校もあります。数字だけではなく、その背景にある教育方針を読み取ることが大切です。
幼児部と高等部での違い
幼児部では、生活面でのサポートや細やかな配慮が重視されるため、日本人教員が比較的多めに配置されることがあります。言葉が十分に発達していない段階では、子どもが安心できる母語のサポートが不可欠だからです。
一方で高等部になると、英語で専門性の高い授業を行う必要があるため、外国人教員の割合はぐっと高まります。子どもが成長するにつれて、教員の構成も変化していくのです。
外国人教員が多いことのメリットとは?

外国人教員の割合が高い学校には、多くの魅力があります。ただし「英語が伸びる」という一言では片付けられない幅広いメリットがあるため、ここで具体的に見ていきましょう。
英語力を自然に身につけられる
外国人教員が多い環境では、授業はもちろん、休み時間やクラブ活動など日常生活のあらゆる場面で英語に触れる機会が増えます。子どもは「勉強としての英語」ではなく「生活の言語としての英語」を身につけることができ、語学力の伸びが早いのが特徴です。
異文化理解が育つ
外国人教員は、それぞれの出身国の文化や習慣を授業や会話の中で自然に紹介してくれます。たとえば「アメリカでは宿題のやり方がこう」「フランスでは給食がこうだった」といったエピソードは、子どもたちの視野を大きく広げます。単に英語を学ぶのではなく、世界の多様性を体感できるのです。
国際的な教育メソッドに触れられる
インターナショナルスクールの多くは、国際バカロレア(IB)やケンブリッジカリキュラムを採用しています。これらのカリキュラムを実際に教えられる資格を持つ教員は主に外国人であり、国際的に通用する教育を直接受けられることが子どもにとって大きな財産となります。
外国人教員が多いことで生じる課題とは?

一方で、外国人教員の割合が高いからといってメリットだけではありません。家庭によっては不安に感じる点もあります。
日本語での相談が難しい
子どもがまだ英語に慣れていない時期に、担任や教科の先生が日本語を全く話せない場合、困ったときにうまく意思疎通できないことがあります。特に低学年では、学習面だけでなく心のケアにおいて日本語のサポートが必要になることがあります。
教員の入れ替わりが多い
外国人教員は契約ベースで勤務することが多いため、数年で母国へ帰国するケースも珍しくありません。子どもにとっては先生との別れが続くことで不安になることもありますし、保護者にとっても「先生が長くいてくれる安心感」が得られにくい点はデメリットといえます。
文化的ギャップが生じることも
掃除や給食のように、日本の学校文化では当たり前のことが、外国人教員にとっては馴染みがない場合もあります。そのため、生活習慣やしつけの部分で学校と家庭で意識の差が生まれることがあるのです。
親がチェックしておきたいポイント3選!

外国人教員の割合を知ることは大切ですが、それだけでは十分ではありません。割合の背後にある教育方針やサポート体制を理解して初めて、学校選びに役立てることができます。
教員の国籍と出身国を確認する
「外国人教員」といっても、英語圏出身なのか、非英語圏なのかによって指導の仕方は異なります。どの国の先生が多いのか、学校説明会などで確認しておくと安心です。
教員の経験や資格の有無
IBやケンブリッジを教えるには、専門的な資格や研修を受けた経験が必要です。単に外国人であるだけでなく「どのような教育背景を持っているのか」を確認することが、教育の質を見極めるカギとなります。
日本語サポート体制
外国人教員が多い学校でも、日本語での相談窓口や、日本語を話せるサポート教員が配置されていることがあります。子どもが安心して通えるかどうかは、こうした体制に大きく左右されます。
まとめ

インターナショナルスクールにおける外国人教員の割合は、平均すると5割から7割程度。ただし学校によって大きな差があり、教育方針や対象とする家庭層によって変化します。
- 外国人教員が多いと、英語環境や国際的な教育に強みがある
- 一方で、日本語でのサポート不足や教員の入れ替わりといった課題もある
- 割合だけでなく、教員の国籍・経験・サポート体制を確認することが重要
子どもの性格や家庭の希望進路によって「外国人教員が多い学校が合う」「バランス型の学校が安心」など、最適解は異なります。割合という数値を一つの参考にしながら、学校の教育方針やサポート体制を合わせて確認していくことが、納得できる選択につながるでしょう。