インターナショナルスクールでは第二外国語の授業はある?人気は中国語・フランス語?

基礎知識
こんな人向けの記事です
  • インターナショナルスクールの第二外国語は何を学べるんだろう?
  • どんな教育なのかな?

インターナショナルスクールに興味を持つ親御さんの多くは「英語で学べる環境」という点に大きな魅力を感じています。確かに授業の中心は英語ですが、実際に通わせることを検討すると「英語以外の言語教育はどうなっているのだろう」という新たな疑問が生まれることがあります。特にグローバル社会で生きていく子どもにとって、複数言語を使いこなせる力は将来の選択肢を大きく広げるものです。

インターナショナルスクールの多くは、英語に加えて「第二外国語」の授業を設けています。人気のある中国語やフランス語はもちろん、学校によってはスペイン語やドイツ語、日本語を外国語として学ぶクラスもあります。とはいえ、どの言語をどのように学べるかは学校ごとに異なり、情報が少ないと不安になるのも自然です。

そこで本記事では、インターナショナルスクールでの第二外国語の位置づけや人気の言語、その学びが子どもに与える効果について詳しく解説していきます。親御さんが学校選びをするときに、学費や立地と同じくらい「言語教育の中身」を安心して判断できるようにするのが目的です。

インターナショナルスクールでの第二外国語授業の位置づけとは?

インターナショナルスクールでの第二外国語の授業は、必修として組み込まれている場合もあれば、子どもの興味や進路に合わせて選択できる場合もあります。これは導入しているカリキュラムや教育理念によって違いが大きい部分です。

必修としての第二外国語

一部の学校では、小学校の段階から必修科目として第二外国語を取り入れています。特に国際バカロレア(IB)カリキュラムを導入している学校では、複数言語を学ぶことが重視されており、幼い頃から多言語環境で育つことを前提に教育が組まれています。子どもにとっては最初は大変に思えるかもしれませんが、耳が柔らかい時期に複数言語を聞く経験は将来大きな財産になります。

この場合、第二外国語は「英語の補助」ではなく「もう一つの言語」としての位置づけです。英語と同じように授業が組まれるため、自然に複数言語を吸収するリズムが作られていきます。

選択科目としての提供

一方で、学年が上がると「どの言語を学ぶかを選ぶ」スタイルを採用している学校もあります。中国語、フランス語、スペイン語の中から一つ選ぶケースが多く、子どもの興味や将来の進路に応じて選べるのが特徴です。たとえば欧州留学を視野に入れているならフランス語、アジア圏でのキャリアを意識するなら中国語を選ぶ、といった具合です。

選択制の場合、授業を通して「学びたい」という気持ちを自分で持つことになるため、モチベーションを保ちやすいのも利点です。

カリキュラムによる違い

国際的なカリキュラムを導入している学校ほど、第二外国語が明確に位置づけられている傾向があります。IBの「Language Acquisition」や、ケンブリッジ国際カリキュラムの「Modern Foreign Languages」などが代表例です。これらの科目は大学進学の際にも評価されるため、長期的な進路に直結する学びになります。

人気の言語とその理由

インターナショナルスクールで提供される言語の中でも特に人気が高いのは、中国語、フランス語、スペイン語です。それぞれの背景には、世界での需要や文化的な価値が関係しています。

中国語

中国語は、経済的な影響力の大きさから高い需要があります。ビジネスの場ではもちろん、アジア圏で生活するうえでも役立つため、日本に住む家庭でも「将来を見据えて中国語を学ばせたい」と考える親御さんは少なくありません。漢字をベースとする言語であるため、日本人の子どもにとって学びやすい一面もあります。

フランス語

フランス語は「国際機関で使える言語」として特に評価が高いです。国連やユネスコなど、多くの国際組織の公用語であることから、将来的に国際的な仕事を志す子どもにとっては強い武器になります。芸術や文化の言語でもあり、音楽や文学に関心がある子どもにとって魅力的な選択肢です。

スペイン語

スペイン語は話者人口が世界で非常に多く、アメリカ大陸を中心に幅広い地域で使われています。発音が比較的シンプルで、日本人の子どもにとっても習得しやすい点が人気の理由です。「世界で使える実用性の高さ」を重視する家庭に選ばれる傾向があります。

第二外国語学習が子どもに与える効果とは?

英語と並行して第二外国語を学ぶことは、子どもの知的発達や社会性に多くのメリットをもたらします。

言語習得能力の柔軟性

幼少期は言語習得に最適な時期とされます。複数言語に触れることで、脳の音声認識や記憶の回路が柔軟に働き、将来的に新しい言語を学ぶときの基盤が強化されます。つまり「学べば学ぶほど、さらに学びやすくなる」効果があるのです。

異文化理解の促進

言葉は文化と密接に結びついています。例えば中国語を学ぶと中国の春節や歴史に触れる機会が増え、フランス語を学べばフランスの食文化や芸術に自然と親しむようになります。こうした経験は多様性を尊重する姿勢を育み、国際社会での協調性につながります。

自己表現の幅が広がる

複数の言語を使えると「同じことを別の角度から伝える力」が身につきます。英語で伝えるのとフランス語で伝えるのとではニュアンスが異なり、その違いを理解すること自体が思考の柔軟性を育てます。これが自己表現の幅を広げ、子どものコミュニケーション力を強化するのです。

親が知っておきたいポイント3選!

第二外国語の授業は魅力的ですが、実際に学ぶとなると親御さんが気をつけておくべき点もあります。

学校による違いが大きい

どの言語を扱うか、必修か選択か、週に何時間あるかは学校ごとに異なります。候補となる学校のカリキュラムを具体的に確認することが大切です。同じ「フランス語の授業」といっても、日常会話レベルを目指すのか、検定試験に対応するのかで学び方は変わります。

子どもの負担を考える

英語と第二外国語を同時に学ぶことは、子どもにとって刺激であると同時に負担にもなり得ます。特に低学年のうちは「楽しさ」を重視することが大切で、無理に詰め込みすぎない方が長く続けやすいです。

家庭でのフォロー

家庭でのサポートがあると、学校で学んだことが定着しやすくなります。絵本や歌、映画などを通して気軽に触れることで、子どもは「学ぶこと=生活の一部」と感じやすくなります。親子で一緒に楽しむ姿勢が、子どものモチベーションを高めます。

まとめ

インターナショナルスクールでは、英語に加えて第二外国語の授業が設けられていることが多く、人気のあるのは中国語、フランス語、スペイン語です。それぞれ実用性や文化的魅力があり、どれを選んでも子どもの将来に大きなプラスとなります。

第二外国語の学習は単に「話せる言葉が増える」以上の意味を持ちます。柔軟な思考力、異文化理解、豊かな自己表現力といった力が育まれ、国際社会で生きるための基盤となります。ただし、学校による違いが大きいため、必ずカリキュラムの内容や子どもの負担感を確認しておくことが重要です。

子どもの未来を考えるうえで、インターナショナルスクールの「第二外国語の授業」がどう組み込まれているかは、安心して選ぶための大きな判断材料になります。英語だけでなく、多様な言語を通じて広がる世界をぜひ視野に入れてみてください。