「英語がまったくできないうちの子でも、インターナショナルプリスクールって通えるのかな…?」そんな不安を抱えている親御さん、本当に多いです。最近は、グローバル化や早期英語教育の必要性が叫ばれる一方で、「本当に英語力ゼロでも大丈夫なのか」心配になる気持ち、よくわかります。
実際、英語が話せない状態でプリスクールに入る子はたくさんいます。でも現実は、パンフレットや説明会だけでは見えづらい部分も多いのが正直なところ。そこで、今回は”リアルな実情”とともに、安心して選ぶための視点をお伝えします。
英語力ゼロでも通える理由とその背景

ここ数年、日本国内でのインターナショナルプリスクールの需要は高まり続けています。背景にあるのは、グローバル社会の加速と、早期からの異文化教育の必要性です。
実際、文部科学省も「小学校英語の教科化」を進め、幼児期からの英語 exposure(触れる機会)の大切さを伝えています。そうした流れを受け、多くのプリスクールが英語ゼロを前提にした教育体制を整えているのが現状です。
英語力ゼロでも受け入れている理由はいくつかございます。
- 多様性を重視する教育理念がベースにある
- 生活や遊びの中で自然に英語が身につく仕組みがある
- 英語以外にも大切な力を育てる場と捉えられている
多様性を重視する教育理念がベースにある
国籍や言語の違いを前提としたカリキュラムだから、英語初心者でも馴染みやすい環境です。特に幼児期は、子どもたち同士の関わりを通して言葉以外のコミュニケーションも育まれるため、英語が話せなくても自然と居場所ができていきます。スクールの先生も、多様な文化背景を理解した上での対応ができることが前提なので、最初は言葉が出なくても、ジェスチャーや表情を通じた関わりから安心感を築けるのが特徴です。
生活や遊びの中で自然に英語が身につく仕組みがある
知識詰め込み型ではなく、体験ベースの学びが主流。絵本の読み聞かせ、英語の歌、遊びの中で耳が慣れ、徐々に簡単な単語やフレーズを覚える流れが一般的です。英語を「勉強」ではなく「遊びの一部」として捉えられることがポイントです。特に歌やリズム遊びは、意味が分からなくても感覚的に英語の音に親しめるため、無理なく自然に語学の基礎が育ちやすいと言われています。
英語以外にも大切な力を育てる場と捉えられている
表現力、協調性、異文化理解など、語学以外の成長を重視する視点が浸透しています。子ども自身の「伝えたい」という気持ちを大切にするため、英語の習得スピードだけでなく、コミュニケーション全体を育てる場としての価値が高まっています。結果として、言葉だけでなく「考える力」や「気持ちを表現する力」が総合的に身につき、子どもの自己肯定感の向上にもつながっています。
家庭でできるサポートと親の関わり方

「英語ができなくても通える」とはいえ、子どもがスムーズに馴染むには、家庭でのサポートも大切です。でも、特別な英語教育をする必要はありません。
ポイントは親御さん自身の関わり方にあります。
- 英語の音に触れる機会を増やす
- 異文化を前向きに楽しむ姿勢を見せる
- “間違えても大丈夫”な空気をつくる
英語の音に触れる機会を増やす
英語の歌や絵本を日常に取り入れることで、耳が英語に慣れやすくなります。意味がわからなくても「楽しそう」と感じられるのが大切です。家庭の中でBGMとして英語の童謡を流すだけでも、子どもは無意識に音のリズムを覚え始めます。絵本や動画を「お勉強」として取り入れるのではなく、一緒にリズムを楽しんだり、身体を動かしたりすることで、英語が身近な存在に変わっていきます。
異文化を前向きに楽しむ姿勢を見せる
ハロウィンやイースターなど、海外文化を楽しむイベントを家庭でも取り入れると、子どもも自然に異文化への興味が芽生えます。「親が楽しんでいる姿」を見ることで、子ども自身も新しい文化をポジティブに受け止めやすくなるのです。また、外国の料理を一緒に作ったり、海外の絵本や動画を楽しむのもおすすめです。こうした経験は、プリスクールでの多文化環境への適応をぐっとスムーズにしてくれます。
間違えても大丈夫な空気をつくる
英語に限らず、挑戦をポジティブに受け止める雰囲気があると、子どもも安心して新しい環境に踏み出せます。親御さんが間違いを笑い飛ばしたり、「わからなくてもいいよ」と声をかけることで、子どもは挑戦することへの抵抗感が減っていきます。小さな成功体験を重ねながら、子ども自身が「失敗してもいい」「自分で大丈夫」と思える土台を家庭で育てることが、プリスクール生活の安心感につながります。
これらの積み重ねが、プリスクールでのスタートをぐっとスムーズにしてくれるのです。完璧を目指す必要はありません。できることから、少しずつで十分です。
プリスクール選びで後悔しないための視点

インターナショナルプリスクール選びは、単に「英語環境があるから」だけでは決めきれません。実際、スクールごとに方針や雰囲気は大きく違います。
選び方で大切な3つのポイントをご紹介します。
- 日本語サポートの有無を確認する
- カリキュラムの内容と子どもの個性が合うかを見る
- 先生やスタッフの雰囲気を体感する
日本語サポートの有無を確認する
英語ゼロの子どもにとって、日本語で安心できる場があるかは大きなポイント。特に入園初期は、子どもが不安になった時に日本語でサポートを受けられるかどうかが、プリスクール生活への馴染みやすさに直結します。先生が必要に応じて日本語を使い、気持ちを汲み取ってくれる環境は、子どもだけでなく親御さん自身の安心感にもつながります。
カリキュラムの内容と子どもの個性が合うかを見る
遊び中心、探究型、アカデミック重視…スクールごとに特色は異なります。子どもの性格や得意不得意、家庭の教育方針に合った環境を選ぶことで、子どもが無理なく楽しく学び続けられるかが大きく変わります。例えば、好奇心旺盛な子には探究型のスクール、のびのびした環境が好きな子には遊び中心のスクールが向いているなど、子どもの個性に合わせた選択がポイントです。
先生やスタッフの雰囲気を体感する
実際に見学したり説明会で質問することで、教員の姿勢やサポート体制のリアルが見えてきます。どれだけカリキュラムが整っていても、先生との相性や雰囲気が合わなければ、子どもの安心感は生まれません。特に、子どもの名前をすぐに覚えてくれたり、温かい声かけが自然にできる先生が多い環境は、初めてのプリスクールでも馴染みやすいといえます。
子どもがインターナショナルプリスクールに通うという選択は、英語力を伸ばすだけでなく、多様な価値観や新しい挑戦を楽しむ力を育てるきっかけにもなります。
英語ゼロでも大丈夫。必要なのは、親御さん自身が「できることから」「一緒に楽しむ」気持ちを持つことです。
家庭でのちょっとした関わりや、スクール選びの工夫をしながら、子どもの未来の可能性を広げていきましょう。
こうした視点を持つことで、英語が話せなくても安心して通える環境を見極めやすくなります。