「家族旅行で学校を休むと、進級や成績に影響する?」
「遅刻や早退も欠席日数に含まれるの?」
インターナショナルスクールへ通い始めると、日本の学校以上に出席率を細かく確認される場合があります。
特に中学部・高等部では、欠席が続くことで成績評価、単位取得、試験への登録、進級判断などに影響する可能性があります。
一方で、「インターナショナルスクールは出席率90%以上が必須」と一律に決められているわけではありません。
学校によって、必要な出席率、病欠の扱い、遅刻を欠席へ換算する方法、進級判断の基準は異なります。
先に結論をお伝えすると、確認すべきなのは欠席日数だけではありません。
- 年間または科目ごとの出席率
- ExcusedとUnexcusedの区分
- 欠席中の課題提出状況
- 医師の診断書などの証明
- 学校への連絡方法と期限
この5点をセットで確認する必要があります。
インターナショナルスクールは何日まで休める?
インターナショナルスクール全体に共通する欠席日数の上限はありません。
出席率の基準を公表している学校を確認すると、80%、85%、90%など幅があります。
たとえば、Zoe International Schoolは、合格評価を得るために最低80%の出席率を求めています。St. Joseph International Schoolでは、進級やO・Aレベル試験への登録に85%以上の出席が必要です。NPS International Schoolでは、シンガポールのStudent Pass保持者に月90%以上の出席を求めています。(zoeinternationalschool.com) (sjis.edu.bd) (npsinternational.com.sg)
また、学校全体の出席率ではなく、科目ごとに出席率を計算する学校もあります。Danube International School Viennaでは、IB Diploma課程の生徒が試験登録を受けるため、各科目で90%以上の出席を求めています。(danubeschool.com)
このように、同じ90%でも、年間の登校日を基準にする学校と、科目ごとの授業数を基準にする学校があります。
年間180日なら何日休める?
仮に年間登校日を180日として計算すると、次のようになります。
| 必要な出席率 | 欠席できる日数の目安 |
|---|---|
| 95% | 9日 |
| 90% | 18日 |
| 85% | 27日 |
| 80% | 36日 |
年間190日の学校なら、出席率90%を維持できる欠席日数は19日です。
ただし、これは単純計算にすぎません。
「18日までは自由に休んでも問題ない」という意味ではなく、連続欠席、無断欠席、特定科目の欠席などが別に判断される可能性があります。
出席率の計算方法
基本的な計算方法は次のとおりです。
出席率=出席した日数÷出席すべき日数×100
年間180日のうち171日出席した場合は、出席率95%です。
一方、午前と午後を別々のSessionとして記録する学校では、半日の遅刻・早退が0.5日分の欠席として反映されることがあります。
学校によっては、一定回数の遅刻を1日の欠席へ換算します。
Zoe International Schoolでは、無断の遅刻または早退3回を1日の欠席として記録する規定があります。(zoeinternationalschool.com)
そのため、毎日登校しているつもりでも、遅刻が重なることで出席率が下がる可能性があります。
保護者ポータルや成績表に記載される次の項目を確認しましょう。
- Days Present:出席日数
- Days Absent:欠席日数
- Tardy・Late:遅刻
- Early Dismissal:早退
- Excused Absence:承認された欠席
- Unexcused Absence:承認されていない欠席
- Attendance Rate:出席率
病欠なら出席率に影響しない?
病気による欠席がExcused Absenceとして認められても、出席率の計算上は欠席に含まれる場合があります。
アメリカ教育省は、年間授業日の10%以上を欠席する状態をChronic Absenteeismとし、病欠など承認された欠席と無断欠席の両方を含めています。これはインターナショナルスクール共通の進級基準ではありませんが、「理由にかかわらず失われた授業時間を見る」という考え方の一例です。(ed.gov)
ただし、ExcusedとUnexcusedでは、学校からの対応が変わることがあります。
Excusedになりやすい欠席
- 発熱や感染症
- 医療機関の受診
- 家族の不幸
- 宗教上の行事
- 学校が承認した大会や活動
- 学校が事前に認めた特別な事情
Unexcusedになりやすい欠席
- 無断欠席
- 連絡期限を過ぎた欠席
- 承認を得ていない旅行
- 寝坊や交通手段の準備不足
- 必要な証明書を提出していない欠席
Oeiras International Schoolでは、3日以上の病欠に医療証明書を求めており、家族旅行は原則として承認されない欠席として扱います。学校によって必要書類と提出期限が異なるため、病気で休んだ事実だけで自動的にExcusedになるとは限りません。(ois.pt)
欠席が進級に影響しやすい4つのケース
欠席が一定の割合を超えた
学校が定める最低出席率を下回ると、保護者面談、改善計画、補習、進級審査などの対象になる場合があります。
既存のインターナショナルスクールチョイスの記事でも、成績や出席率が基準に達しない場合は、進級保留や留年の可能性があると解説しています。ただし、いきなり留年が決まるのではなく、面談や補習を経て判断されるケースが一般的です。
特定の科目だけ欠席が多い
年間の出席率が高くても、毎週同じ曜日に休むと、特定科目の授業を多く欠席することになります。
週1回しかない音楽、体育、第二外国語、実験授業などは、数回の欠席でも履修時間に対する割合が大きくなります。
高等部では科目ごとの単位認定に関わる可能性があるため、学校全体の出席率だけでなく、授業別の欠席記録も確認しましょう。
欠席中の課題を提出していない
Excused Absenceでも、学習内容が自動的に免除されるとは限りません。
欠席中の課題、テスト、プレゼンテーション、グループワークをどのように補うかは、学校や担当教師によって異なります。
成績への影響を防ぐには、欠席後に次の3点を確認することが重要です。
- 提出期限が延長されるか
- 追試や代替課題があるか
- グループ課題をどう補うか
連続欠席や無断欠席が続いている
同じ10日間の欠席でも、年間を通じた病欠と、連絡のない10日間の連続欠席では、学校の対応が異なります。
無断欠席が続くと、学習上の問題だけでなく、子どもの安全確認や家庭状況の把握が必要になります。
学校側から連絡が来る前に、欠席の理由、見込まれる期間、復帰予定を伝えましょう。
小学生・中学生・高校生で影響は違う?
幼児部・小学部
幼児部や小学部では、出席率だけで即座に進級不可となるよりも、欠席によって必要な学習や発達段階に達しているかを総合的に判断する傾向があります。
ただし、フォニックス、読み書き、算数などの基礎を扱う時期に欠席が続くと、授業へ戻った際の負担が大きくなります。
中学部
中学部になると教科担任制が増え、科目別の出席状況や課題提出が重視されます。
欠席が多い場合は、進級だけでなく、希望する上級科目やIB・IGCSE課程へ進む準備が十分かを確認される可能性があります。
高等部
高等部では、出席率が単位、成績証明書、卒業要件、外部試験への登録に直接関係する学校があります。
なお、IBが世界共通で「出席率90%」と定めているわけではありません。IBワールドスクールは学校運営について独立しており、学校が地域の法令や独自方針に基づいて出席規定を定めます。
長期の病気、けが、心身の不調などがある場合、IBにはAdverse Circumstances Policyがあり、学校と家庭が学習継続の方法を検討する仕組みがあります。長期欠席の事例では、オンライン授業や遠隔学習を含む支援計画も示されています。
最近の出席管理は「日数」から「パターン」へ
直近の学校運用では、欠席日数の合計だけでなく、遅刻、早退、曜日ごとの欠席、連続欠席などをデジタルで記録する学校が増えています。
EtonHouse International School Japanは欠席・遅刻の専用フォームを用意し、幕張インターナショナルスクールは学校メール、出欠、通知を扱う連絡アプリを保護者向けに案内しています。幕張インターナショナルスクールでは、通常の出欠連絡とは別にスクールバスのキャンセルフォームも用意されています。
この仕組みでは、保護者が担任へ口頭で伝えただけでは、正式な出欠記録に反映されない可能性があります。
欠席を連絡するときは、学校が指定するフォーム、アプリ、Attendance Officeなどを利用し、送信履歴を残しましょう。
保護者の声から見える欠席の悩み
保護者向けのオンラインフォーラムでは、出席率について次のような悩みが見られます。
- 家族旅行には教育的な価値もあるが、授業を休ませてよいか
- 事前に連絡したのにUnexcusedとして記録された
- 休んだ分の教材を教師に用意してもらえると思っていた
- 病欠の記録が間違っていないか不安
- 幼児期なら長期間休んでも問題ないのか判断できない
特に家族旅行については、「数日なら経験を優先したい」という保護者と、「授業や教師への負担を考えて休暇中に行くべき」という意見に分かれています。また、旅行中の課題を学校が個別に準備してくれるとは限らず、保護者がオンライン教材などで補う必要があるという声もあります。
口コミは学校の正式な規定ではありません。
「ほかの家庭は休んでいた」という理由で判断せず、旅行を予約する前に、欠席区分、試験日、課題の扱いを学校へ確認しましょう。
欠席が増えたときに家庭で行うこと
出席率が下がってから慌てるのではなく、欠席が続きそうな段階で学校へ相談することが大切です。
1.現在の出席率を確認する
学校のポータルやオフィスで、次の数字を確認します。
- 現在の出席率
- ExcusedとUnexcusedの日数
- 遅刻・早退の回数
- 科目別の欠席数
- 学校が求める最低出席率
2.記録の間違いを確認する
登校したのに欠席、学校行事に参加したのにUnexcusedなど、記録が実態と異なる場合は早めに修正を依頼しましょう。
時間がたつほど確認が難しくなるため、月に一度程度チェックするのがおすすめです。
3.欠席の証明を保存する
病院の領収書、診断書、学校へのメール、フォームの送信画面などを保存します。
診断書が必要になる日数や提出期限も確認してください。
4.学習の回復計画を作る
「休んだ日数」ではなく、「何を学べていないか」を確認します。
すべてを一度に取り戻そうとせず、必須課題、評価対象、次の授業に必要な内容の順で進めましょう。
5.欠席の原因を分けて考える
体調不良だけでなく、睡眠、通学時間、友人関係、英語への不安、授業の難易度などが欠席につながることもあります。
欠席が続く場合は叱って登校させるだけではなく、担任、カウンセラー、スクールナースなどへ相談しましょう。
OECDのPISA調査では、授業への定期的な出席と時間どおりの登校をしている生徒の方が、数学の成績が高い傾向が示されています。一方、長期欠席の理由としては病気が最も多く、退屈さや学校での安全への不安も挙げられています。
編集部の一言|出席率より「欠席後の支援」を比較しよう
学校を比較するとき、多くの保護者は「何日休んだら留年するか」を確認します。
しかし、編集部としてより重視したいのは、基準を下回りそうな生徒に学校がどう対応するかです。
- 出席率が低下した時点で通知が来るか
- 保護者面談や改善計画があるか
- 欠席中の課題が共有されるか
- 長期療養中にオンラインで学べるか
- スクールカウンセラーへ相談できるか
- 復帰後の補習や段階的な登校が可能か
同じ90%基準でも、89%になった時点で機械的に進級不可とする学校と、欠席理由や学習状況を確認して支援する学校では安心感が大きく異なります。
説明会では、次のように質問してみましょう。
What happens if a student’s attendance falls below the required level?
生徒の出席率が必要水準を下回った場合、どのような対応になりますか?
Are excused medical absences included in the attendance percentage?
承認された病欠も、出席率の計算に含まれますか?
How does the school support students returning after a long absence?
長期欠席から復帰する生徒に、どのような支援がありますか?
厳しい基準があるかどうかだけでなく、欠席の背景を見ながら支援してくれる学校かを比較することが大切です。
よくある質問
出席率90%は何日欠席すると下回りますか?
年間180日の場合、19日以上欠席すると90%を下回ります。
ただし、学校によって年間登校日数や半日の計算方法が異なります。
病欠でも進級できないことはありますか?
可能性はあります。
病欠として承認されていても、必要な授業時間や評価材料が不足すれば、補習、課題、再履修などが必要になる場合があります。早めに学校へ相談しましょう。
家族旅行はExcused Absenceになりますか?
学校によって異なりますが、承認されない学校もあります。
事前申請をしてもExcusedになるとは限らないため、予約前に規定を確認してください。
遅刻も出席率に影響しますか?
学校によっては影響します。
一定回数の遅刻や早退を欠席1日として換算する規定や、授業ごとに遅刻を記録する学校があります。
欠席した日の宿題は免除されますか?
原則として自動的に免除されるとは限りません。
提出期限、追試、代替課題について担当教師へ確認してください。
おわりに
インターナショナルスクールで何日休めるかは、学校ごとに異なります。
出席率80%を基準とする学校もあれば、85%や90%を求める学校、科目ごとに出席率を計算する学校もあります。
確認したいポイントは次のとおりです。
- 最低出席率は何%か
- 年間と科目別のどちらで計算するか
- 病欠も欠席日数に含まれるか
- 遅刻や早退をどのように換算するか
- 診断書は何日目から必要か
- 旅行は承認された欠席になるか
- 基準を下回った場合にどのような支援があるか
出席率は、子どもを罰するためだけの数字ではありません。
欠席によって失われた学習時間を把握し、必要なサポートにつなげるための情報でもあります。
欠席が続きそうなときは、基準を下回ってからではなく、早い段階で学校へ相談しましょう。
皆さんのスクール選びと学校生活の参考になれば幸いです!


