「学年ごとに必要な単語数の目安を知りたい」
「語彙力が大事とは聞くけど、数字でイメージできない」英語を勉強し始めると、かなり早い段階でこうした疑問にぶつかります。単語が大事なのは分かっているけれど、ゴールが見えないまま覚え続けるのは、正直しんどいですよね。
この記事では、英語力を考えるうえでよく使われる語彙数の目安を、学年別に整理します。完璧な基準を示すのではなく、多くの学習者が参考にしている一般的な数字をもとに、自分の現在地を把握できるように進めていきます。
そもそも語彙力とは何を指すのか

まず、語彙数の話に入る前に、語彙力という言葉が何を指しているのかを整理しておきます。ここがあいまいだと、数字だけを追いかけてしまいがちです。
語彙力は知っている単語の数だけではない
語彙力というと、単語帳で覚えた単語の総数をイメージしやすいですが、実際にはもう少し幅があります。見て分かる単語と、使える単語は別物です。
多くの調査や教育現場では、読むと意味が分かる単語数を基準に語彙数が語られることが多いです。会話で自然に使える語彙は、その中の一部と考えられています。
語彙数は英語力の土台になる
英語の読解、リスニング、会話のどれをとっても、語彙が不足していると内容理解が止まります。文法が分かっていても、単語が分からなければ意味が取れません。
そのため、語彙力は英語力全体の土台として扱われることが多く、学年別の目安も語彙数を中心に語られます。
語彙数の目安はどうやって決められているか

学年別の語彙数というと、誰かが決めた正解の数字があるように感じるかもしれません。ただ、実際は複数のデータや教育内容をもとにした目安です。
教科書と試験から逆算されている
学校英語で扱われる語彙数は、学習指導要領や教科書の内容をもとに整理されています。例えば、中学3年間で学ぶ英単語はおよそ1600語から1800語程度とされています。
高校に進むと、大学入試を見据えて語彙数は一気に増え、3000語以上が前提になるケースも多くなります。
実用英語の研究データも参考にされている
英語の文章をどれくらい理解できるかについては、語彙カバー率という考え方があります。一般的に、文章中の単語の95%程度を知っていると、大まかな内容が理解できると言われています。
この考え方をもとに、日常的な英文を読むには2000語前後、新聞や一般書籍になると5000語以上が必要だとする研究もあります。
小学生段階での語彙数の目安

ここから、学年別の目安を見ていきます。まずは小学生の段階です。
小学生は数より触れる経験が重視される
小学生の英語学習では、語彙数の明確な目標が設定されていないことが多いです。学校や教材によって差が大きく、数字で管理するより、英語に触れる経験が重視されます。
一般的には、身近な単語を中心に300語から600語程度に触れるケースが多いとされています。ただし、覚えることより、音や意味に慣れることが目的になります。
無理に数を追わなくていい段階
この段階では、語彙数を増やすこと自体を目標にしなくても問題ありません。歌や簡単な会話の中で、単語に何度も出会うことが大切にされます。
中学生に必要な語彙数の目安

中学生になると、語彙数の目安はかなりはっきりしてきます。
中学3年間で約1600語から1800語
文部科学省の指導要領をもとにすると、中学校で学ぶ英単語はおよそ1600語から1800語程度とされています。この語彙数が、学校英語の基礎になります。
教科書を理解し、定期テストや高校入試の基本問題に対応するためには、この語彙数が一つの基準になります。
読めるけど使えないは普通の状態
この段階の語彙は、見れば分かる単語が中心です。会話で自由に使える語彙は、その一部にとどまることが多く、これは自然なことです。
高校生に必要な語彙数の目安

高校生になると、語彙数は一気に増えていきます。
高校卒業までに3000語から5000語
高校英語では、大学入試を意識した語彙が追加されます。基礎的な理解であれば3000語前後、入試レベルまで対応するなら4000語から5000語程度が目安とされることが多いです。
難関大学を目指す場合は、それ以上の語彙が必要になるケースもあります。
語彙数と理解度の差が出やすい時期
この段階では、同じ語彙数でも理解度に大きな差が出ます。単語の意味を一つしか知らない場合と、文脈で使い分けられる場合とでは、英語力の実感が変わってきます。
大学生・一般レベルで求められる語彙数の目安

高校卒業後も英語を使い続ける場合、語彙数の目安はさらに広がっていきます。ただし、ここでも大切なのは目的との関係です。
大学生レベルは5000語前後が一つの基準
一般的な大学の英語教材や論文の導入部分を無理なく読むためには、5000語前後の語彙が必要だとされています。このレベルになると、英文を辞書なしで読み進められる場面が増えてきます。
日常会話レベルであれば、3000語程度でも対応できることはありますが、専門的な話題や抽象的な内容になると語彙不足を感じやすくなります。
英語を使う目的で必要語彙は変わる
留学や専門分野で英語を使う場合は、さらに語彙が必要になります。一方で、日常的なコミュニケーションが目的であれば、6000語以上を完璧に覚える必要はありません。
語彙数は多いほど有利ですが、すべての人に同じゴールが必要なわけではありません。
語彙数が増えると英語力はどう変わるのか

語彙数の数字は目安ですが、増えていく過程で英語の見え方が変わっていきます。
2000語前後で英語が途切れ途切れに理解できる
2000語程度になると、簡単な文章や会話の大まかな意味が取れるようになります。ただし、分からない単語が頻繁に出てくるため、理解は断続的になりがちです。
3000語から4000語で負担が減る
このあたりから、英文を読むときのストレスが減ってきます。すべての単語を理解していなくても、文脈から意味を推測できる場面が増えます。
5000語を超えると内容に集中できる
語彙数が5000語を超えると、単語そのものより内容に意識を向けられるようになります。英語を読む、聞くという行為が、作業ではなく情報収集に近づいていきます。
語彙数の数字に振り回されない考え方

ここまで学年別の目安を見てきましたが、数字だけを見ると不安になる人もいるかもしれません。
語彙数は進捗を測る目安
語彙数は、英語力を測る唯一の指標ではありません。ただ、学習が進んでいるかを確認する目安としては役立ちます。
今の自分が、学年相当の語彙にどれくらい触れているかを知るだけでも、学習の方向性が見えやすくなります。
知っていると使えるは別物
語彙数の多くは、読めば分かる単語です。会話で自然に使える単語は、その一部に限られます。これは多くの学習者に共通する状態で、特別な問題ではありません。
語彙力を伸ばすときに意識したいこと

語彙数を増やすこと自体が目的になると、学習が苦しくなりやすくなります。
何度も出会う単語を大切にする
一度覚えた単語より、何度も目にする単語の方が定着します。頻出語を繰り返し使うことが、結果的に語彙力を支えます。
文の中で覚える意識を持つ
単語単体より、文の中で覚えた方が使いやすくなります。語彙数を増やす過程でも、例文や文章と一緒に触れる意識が大切です。
英語教育、語彙力に関するよくある誤解

最後に、よくある誤解を整理します。
語彙数が多ければ話せるようになる?
語彙数は必要条件ですが十分条件ではありません。話す力には、別途アウトプットの経験が必要です。
単語帳を全部覚えれば安心?
単語帳は道具の一つです。覚えた単語を使う機会がなければ、実感としての語彙力は伸びにくくなります。
語彙数の目安を知ることは現在地を知ること

英語学習で語彙数の話がよく出てくるのは、それが現在地を把握しやすい指標だからです。完璧な数字を目指す必要はありません。
自分の学年や目的に対して、今どのあたりにいるのかを知る。それだけでも、学習の不安はかなり減ります。語彙数はゴールではなく、進む方向を確認するための目安として使うのがちょうどいい距離感です。




