海外留学という言葉には、やっぱり憧れがありますよね。
英語が自然に身について、多様な価値観に触れ、たくましく育っていく
そんな未来を思い描く親御さんも多いはずです。
でも、現実はもう少し慎重になります。
- 「まだ小さいし、親元を離れるのは不安」
- 「安全面や文化の違いでつまづかないか心配」
- 「言葉だけじゃなく、生活そのものが成長になる環境がいい」
そうした声が増える中、近年注目されているのが「国内留学」という新しい選択肢です。
日本国内にいながら、まるで海外にいるような学びと体験を得られる環境。
本記事では、そんな国内留学の魅力と、子どもはもちろん、親御さんにもたらされる気づきについてお伝えしていきます。
なぜ“国内留学”という選択肢が注目されているのか
国内留学とは、日本にいながらも、まるで海外にいるような学びの体験ができる教育環境のことです。
その中心となっているのが、ボーディングスクール（全寮制の学校）です。
海外に行かずとも、子どもは以下のような環境で学ぶことができます。
国内留学で得られる主な特徴
- 授業や生活の中で英語が使われる「英語環境」
- 異年齢・異文化の子どもたちと共同生活する「多様性」
- 自分のことを自分でやる力を育む「自立支援」
- 寮生活による集団の中での「非認知能力の発達」
こうした環境が、日本国内に整ってきた理由のひとつに、「教育観の変化」があります。
「テストの点を取る力」だけではなく、「考える力」や「伝える力」、「社会性」を育てたい。
そんなニーズが高まる中、家庭ではなかなか実現できない“全体設計された学びの空間”として、ボーディングスクールが注目されているのです。
そもそもボーディングスクールとは？
“ボーディングスクール（Boarding School）”とは、全寮制の教育機関のこと。
生徒たちは、日中の授業だけでなく、食事や睡眠、課外活動まで、すべてを学校内で過ごします。
日本ではまだ珍しい印象がありますが、欧米では歴史ある教育スタイルとして定着しており、
イギリスやアメリカでは上位校の多くがボーディング形式を採用しています。
教育だけでなく「生活全体」が学びの場に
ボーディングスクールの最大の特徴は、「学ぶ・暮らす・育つ」がすべて同じ場所で行われる点です。
学校にいる時間だけでなく、起きてから寝るまでのすべての時間が、子どもの成長のチャンスになります。
- 起床 → 朝食 → 授業 → 自習・クラブ活動 → 夕食 → 就寝
- 一日のスケジュールはきちんと管理され、自律心や生活習慣も身につく
- 年齢や学年に応じた寮のサポート体制あり（小学生はスタッフ常駐）
また、授業は英語で行われることが多く、英語力を高めたいご家庭にとっては、自然と語学環境に浸れる魅力もあります。
国内にも“ボーディング型スクール”が登場中
「海外はまだ心配…」という方の間では、“国内留学”という考え方でボーディング型スクールを選ぶケースも増えています。
たとえば：
- 長野県や山梨県など、自然環境に恵まれた地域にある“国内インター系”ボーディング校
- 短期入寮ができるプログラムを提供する学校
- 小学生対象の探究型ボーディングスクールなど
これなら、まずは短期的な挑戦から始めて、子どもの様子を見ながら次の選択ができます。
国内ボーディングスクールで子どもはどう育つ？
実際に、国内ボーディングスクールではどのような生活が送られているのでしょうか。
特に低学年の子どもが安心して過ごすための仕組みについて、具体的に見てみましょう。
一日の流れ（小学校低学年の場合）
- 起床 → 寮スタッフのサポートあり
- 朝食 → みんなで食堂へ。食事マナーや感謝の気持ちも学びに
- 授業 → 英語を交えた探究型学習。先生との対話も多い
- 放課後 → 自由時間・自然体験・アート活動など
- 夕食・就寝 → おやすみ前に絵本やリラックスタイムあり
このように、生活全体が「育ちの場」になるように設計されています。
特に低学年の子どもにとっては、“やりきる”より“寄り添ってくれる環境”が大切。
そのため、ボーディングスクールではスタッフやメンターがそばについて、声をかけながら一緒に動いてくれる仕組みが整っています。
また、学びの対象は「英語」だけではありません。
日々の中で自然と育つ力として、以下のようなものが挙げられます。
ボーディングスクールで育つ“非認知能力”
- 困った時に助けを求める「自己表現力」
- グループで協力する「協調性」
- 寮でのルールを守る「自律性」
- 挫折しても立ち上がる「レジリエンス」
こうした力は、テストでは測れませんが、将来必ず子どもの武器になる「生きる力」です。
その一歩を、日本の中で安心して踏み出せる。それが国内ボーディングスクールの大きな魅力です。
「離れる」からこそ見える、親の学びと家族の変化
子どもを寮に送り出すことは、親御さんにとっても大きなチャレンジです。
でも、実際に経験した親御さんたちからは、こんな声がよく聞かれます。
「子どもの力を、思っていた以上に信じられるようになった」
「家にいる時より、会話の密度が高くなった気がする」
「“育てる”から“一緒に育つ”という感覚に変わった」
このように、離れていることで生まれるのは“距離”ではなく、“信頼”かもしれません。
また、ボーディングスクール側も、家庭との連携を非常に重視しています。
家庭とつながる仕組み
- 定期的な面談・生活報告
- 写真や動画による共有システム
- 学期ごとの保護者向け説明会
- 土日帰省や短期プログラムも選択可能
こうした柔軟な対応が、「いきなり海外ではなく、段階を踏んで挑戦したい」という親御さんの気持ちに応えてくれているのです。
無理なく、でも大きく育つ。その入り口としての“国内留学”
「海外はちょっと不安」。そう感じることは、決して後ろ向きではありません。
むしろ、子どもを本気で想うからこそ出てくる自然な気持ちです。
そんな中、国内留学は「今できる範囲で最大限の成長を届けられる選択肢」として、多くの親御さんに選ばれ始めています。
特に最近では
- 英語や探究学習に力を入れた国内ボーディングスクール
- 1〜2週間の短期体験型プログラム
- 通寮型で、平日だけの“お試し生活”
など、始めやすい形がどんどん整ってきています。
「まだ海外は不安だけど、子どもには新しい経験をしてほしい」
そう思ったとき、国内留学という選択肢があることを、心に留めておいてもらえたらうれしいです。
