「子どもの成長は嬉しいけど、やっぱり家計的にはなかなか大変」「これから進級・兄弟入学もあるし、今のうちに見通しを立てておきたい」
そんなふうに感じている保護者の方、多いと思います。
インターナショナルスクールの費用は学校によって差がありますが、共通して言えるのは「授業料だけでは全体像が見えない」ということ。
実際には、授業料のほかにも施設費、教材費、スクールランチやイベント費など、年間を通してさまざまな出費が積み重なります。
ここでは、在校生家庭のリアルな支出をベースに、1年間で実際どのくらい費用がかかるのかをシミュレーションしていきます。
家計の見直しや、これから入学を考えている方の参考になるよう、現実的な数字と感覚を交えてお伝えします。
年間費用の中心となる「授業料」
まず、年間費用の中で最も大きな割合を占めるのが授業料。
学校によって異なりますが、東京・横浜エリアなどの都市部インターナショナルスクールでは、年間150万〜300万円が一般的なレンジです。
授業料の支払いサイクルと特徴
授業料は「年一括」「三期分納」「月払い」などの形で納入するのが一般的です。
一括の場合は若干の割引がある学校もあり、年初にまとまった支払いをする家庭が多い印象です。
授業料の中には、授業運営費やカリキュラム費、教材の一部などが含まれていますが、必ずしもすべてが込みではありません。
たとえば、海外教材やデジタル学習機器などは別途請求になるケースが多く、あとから「思っていたより多かった」と感じる保護者もいます。
クラスレベル別の目安（年間）
- 幼児部（プリスクール〜キンダー）：約150万〜200万円
- 小学部（エレメンタリー）：約180万〜250万円
- 中学・高校部（セカンダリー）：約220万〜300万円
上の学年になるほど授業数や専門教科が増えるため、授業料も上がる傾向にあります。
授業料以外にかかる年間の主要コスト
授業料だけで完結しないのが、インターナショナルスクールの特徴。
ここからは、在校生家庭が実際に負担している「周辺費用」を整理してみます。
教材・IT関連費
英語教材や探究学習に使うワークブック、タブレット端末などが含まれます。
特に近年はデジタル教育が主流になりつつあり、クラウド教材やアプリ使用料なども増加傾向。
初年度は端末の購入が必要ですが、2年目以降もアプリ更新料や教材購入で年間3万円〜5万円前後かかります。
スクールランチ・給食費
インターナショナルスクールでは、外部業者のケータリングを利用するスタイルが多いです。
1食500円〜700円、月に20食とすると年間12万円〜15万円ほど。
アレルギー対応や特別メニューを選ぶ場合は、さらに上乗せになることもあります。
スクールバス・交通費
郊外にキャンパスを持つ学校が多く、通学バスを利用する家庭が多数派。
距離やルートによって金額は変わりますが、年間10万円〜20万円が目安です。
兄弟で利用する場合は割引制度を設けている学校もあります。
学校イベント・行事費
インターナショナルスクールはイベントがとても活発。
文化祭、フィールドトリップ、キャンプ、学期末発表会など、行事に応じて参加費や交通費が発生します。
1回あたり数千円〜数万円、トータルで年間5万円前後を想定しておくと安心です。
家庭によって差が出る「教育オプション費用」
ここからは、学校の授業外で発生するケースの多い費用を見ていきます。
インターナショナルスクールの教育方針に共感して入学した家庭ほど、この「オプション費」にも力を入れる傾向があります。
アフタースクール・課外プログラム
放課後のクラブ活動や課外クラスは、子どもの興味を広げる貴重な機会。
アート、ロボティクス、サッカー、ピアノなど多彩で、週1〜2回で月5,000円〜1万円前後。
複数受講すると年間で20万円以上になることもあります。
ただし、どのプログラムも英語で行われるため、自然に語彙力や表現力が育ち、家庭では得がたい経験になるのも事実です。
海外研修・国際プログラム
高学年になると、短期海外研修や他校との国際交流プログラムに参加する機会も。
渡航費・滞在費などを含めると、10万〜30万円前後になることもあります。
これは任意参加ですが、子どもが行きたいと希望したときに備え、年1回分くらいの予算を見ておくと安心です。
在校生家庭のリアルな家計シミュレーション
ここまでの費用をまとめると、インターナショナルスクールに子どもを通わせる家庭の年間支出は以下のようになります。
- 授業料：約200万円
- 教材・IT関連費：約5万円
- ランチ代：約13万円
- バス代：約15万円
- イベント費：約5万円
- アフタースクール費：約20万円
合計で年間250万円〜300万円前後。
首都圏の有名インターナショナルスクールでは、もう少し高くなるケースもあります。
ただし、これはあくまで「1人分」の目安です。兄弟が通う場合、制服や端末を共有できるなど多少の節約はできますが、基本的には倍近い支出になります。
家計にどう組み込む？長期的な費用設計の考え方
インターナショナルスクールの費用は確かに高額ですが、そのぶん教育環境の質は高く、英語力だけでなく思考力・プレゼン力・多文化理解など、国際社会で生きるための力を育てる価値があります。
とはいえ、長期的に通わせるには家計全体の見直しが欠かせません。
よくあるのは「初年度は貯金でカバーできたけれど、3年目以降がきつくなる」というケース。
費用設計のポイント
・1年単位でなく「3〜5年スパン」で総額を把握する
・学年が上がるごとに授業料が上がることを想定しておく
・夏期講習や留学など、特別支出の積立をしておく
この3点を意識しておくだけでも、将来的な負担感が大きく変わります。
また、最近では企業勤務の家庭向けに学費補助制度を導入している企業もあるため、勤務先に確認してみるのもおすすめです。
まとめ
インターナショナルスクールの年間費用を合計すると、確かに高額に感じます。
けれど、ただの金額ではなく「どんな経験にお金を使っているのか」という視点で見てみると、見え方が変わるかもしれません。
海外の友だちとディスカッションしたり、英語で発表する力を磨いたり。
その環境が子どもに与える影響は、単なる学費以上の価値を持っています。
大切なのは、家計を無理せず、家族全体が納得できるペースで教育投資を続けること。
1年間の費用を具体的に見積もることで、次のステップへの準備がぐっと現実的になります。
「思ったより大変だった」ではなく、「ちゃんと準備してよかった」と感じられるように。
数字の裏にある未来への投資を、家族で話し合ってみてください。
